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徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

期待、そして失望の果てに―小鳩退陣―

2010-06-03 21:20:00 | 雑感

民主党よ、お前もか。
大体こうなることは、想定できなかったことではない。
鳩山総理と小沢幹事長が、辞任することとなった。
両者そろって、痛みわけということか。
歴史的な政権交代から、わずか8ヵ月であった。

「政治主導」「国民が主役の政治」「人の命を大切にする政治」・・・。
鳩山政権が掲げてきたスローガンが、聞こえはいいが空しい。
「政治主導」という、これまで日本になかった新しい政治の仕組みに期待したが、改革は遅々として進まない。
それも無理のないことかもしれない。

新しい政治に期待を寄せていた鳩山政権が、1年も経たぬうちに辞めるということは、大きく国民を裏切ることだ。
これが、選挙目当ての辞任劇と見られても仕方がない。
世界のどこにも、選挙の直前に与党の党首を変えることなど例がないというではないか。
いま、お色直しをして出直しても、その中身、体質まで変わるはずもない。
それでは、自民党と一緒ではないか。

鳩山総理には、政治家に必要な強い情熱、指導力、決断力、実行力が欠けていた。
官邸スタッフとの一体感もなかったし、十分機能していなかった。
ご本人はそのつもりでなくても、一国の首相として、大切な言葉や行動は、軽佻浮薄、朝礼暮改だった。
結局、政治家としての資質までが問われることになった。

日本の政治が劣化しているいわれてもやむをえない。
日本の政治家には、その認識や危機感も希薄だ。
国民やメディアが、あれをやれこれをやれと結論を急いだとて、平成維新の改革がそう簡単になるものではない。

辞任を残念だという声もあれば、当然の帰結だという声もある。
いずれにせよ、失望と落胆は大きい。
辞めたからすむという問題ではない。
この22年間で、何と16人もの首相が交代したことになる!
これは、異常な事態だ。

短命政権がころころと変り、国民は迷うばかりだ。
どうしろというのだ。どうすればよいのだ。
ましてや、今回の鳩山総理の辞任劇は、「自業自得」だ。
せっかく新しい時代が始まると期待した国民は、「何だ、自民党と同じではないか」と深い失望感を味わうこととなった。

鳩山総理は、総理としての資質を容認するにはもう限界を超えていた。
国民生活に、波乱を巻き起こしただけの8ヵ月であっては困るのだ。
民主政権は、新首相の下で内閣支持率を回復させて、態勢を早急に立て直すべきだ。
民主党は、自民政権時代から、短期間で行われた首相の交代を厳しく批判してきた経緯がある。
このままでは、新内閣となっても有権者の理解を得られるかどうかわからない。

いまの日本に、群を抜いて秀でた人材はいない。
誰もが、どんぐりの背比べだ。
日本の政治は、いま誰がやっても同じだ。誰がやっても・・・。
そんな声があちらこちらから聞こえる。

鳩山総理の辞任のあいさつは、20分間にも及んだ。
総理自身の自らの言葉で伝える能力の限界を露呈し、理想を語ることで精いっぱいだった。
それを、まるで遺言状のようだと語った人もいた。
ただ、総理のこれまでの演説の中で、一番よかったという民主党のある重鎮の言葉は皮肉ではなかったのか。

「日本を変えたい」という首相の理念と理想は、現実と理想の乖離で、その理想を実現するしっかりしたブレーンがいなかったことも不幸な事実だ。
衆議院の任期は4年だ。
いま6分の1が終わったところだ。
まだ、スタートして日も浅い。
これは、何のための政権交代だったのか。
民主党は、ここで巻き返すべきだ。
そして、生活最優先の国民のための政治をやってほしい。
政権に改革を迫るのであれば、迫る側にもそれなりの覚悟と忍耐も必要だ。
希望の見えない政治は御免である。

民主主義というのは、失敗(失政)を繰り返しながら、挑戦を繰り返していくしかないのだろうか。
政治に空白は許されない。
鳩山内閣の総辞職を受けて、もう間もなく新内閣が誕生する。
この総理辞任劇は、民主政権のまだほんの序章にすぎない。
平成維新の出直しだ。
これから、また民主政権の第一章が始まる。


「口蹄疫」の被害拡大―その責任は?―

2010-05-23 10:15:00 | 雑感

宮崎県の口蹄疫被害が、拡大している。
宮崎牛全滅の危機とも・・・。
この家畜病は、人体には無害とされるが、感染力が強い。
その感染も、空気感染するというからまことに厄介だ。
貴重な6頭の種牛のうち、感染の疑い濃厚な1頭がすでに殺処分された。
残る5頭も、どうなることか。
種牛以外でも、10数万頭が殺処分されるだろうということだ。

口蹄疫というのは、これまでもあったそうだが、今回ほど深刻な被害ははじめてだそうだ。
感染した肉を食べても、人には被害がないというが、人気の宮崎牛専門店は客足が遠のきつつある。
普段は予約でいっぱいになる鉄板焼肉店でも、昼時だというのに、客は数組だけというありさまだ。
キャンセルが増えているそうだ。
接待に利用される、銀座あたりの高級店では、先方に気遣いしてのキャンセルが多いのはうなずける。
ここはと思うような宮崎牛専門店は、あらかた宮崎県内に食肉工場を持っているが、工場から全国のレストランへの出荷にも影響が出てくることだろう。
事態はきわめて深刻だ。

この口蹄疫の症状がはじめて現れたとき、宮崎県の対応は1週間ぐらいの経過観察を経てから、国への報告を行った。
これさえも、遅くはなかったか。
国の対応も、即というわけではなかった。
県の対応も、国の対応も、結果的には後手後手になってしまった。
直ちに根本的な対策を打っていれば、ここまでの被害は避けられたのではないか。

感染が広がったのは、大型連休中のことだった。
この頃、赤松農水相は中南米を外遊中だった。
その間に、この大事が発生したのだ。
しかし、当の赤松農水相は、「私の全く反省するところはない」と開き直った。
この人に、危機意識はないのだろうか。
政府は、このほど、国内で初めてのワクチン接種に踏み切ったが、これまでウィルスを甘く見てはいなかったか。
赤松農水相は、現場に行ってみたらどうか。

宮崎県の、初期対応の遅れはどうだ。
東国原知事は、そんなことを聞かれると、怒りをあらわにして記者団にくってかかった。
県産物の宣伝など、著名人であれば購買客は集まってくるものだ。
テレビに出まくっていればいいというものでもない。
この人も、これまで危機的状況に直面したことがなく、浮かれていたように見えてならない。

高級牛というのは、出生地ではなく、育成機関の最も長い地域のブランド名が付けられるのだそうだ。
このため、多くの子牛が、毎年宮崎県から全国各地に出荷されていて、去年1年間で3万頭近くになるそうだ。
安全とは聞いても、宮崎牛はしばらく遠慮するといった人が増えて、肉食系が減るのではないかと・・・。
・・・いずれにしても、宮崎県の損失ははかりしれない。
こうなってしまったからには、畜産農家の補償問題はもちろん、、国と県はよく協議し、早急な対応が求められているのは言うまでもない。


恥も外聞もなく―有名人参院選続々擁立!―

2010-05-13 16:30:00 | 雑感

またやっていますか。
迫りくる参院選の数合わせのために、著名人の担ぎ出しの何とあわただしいことだろうか。
与党も野党も、乱立小党までがやっきになっている。
情けない、現代の日本の政治を象徴するかのようだ。

単なる人数あわせで、有名人の出る党は、それは安上がりだし、無党派層の浮動票を容易に集めることができるからだ。
そうした‘読み’自体が安直な発想で、こうしたことしか選挙対策は考えられないのだろうか。
何だか、紙芝居を見ているようで、まるで素人の政治集団だ。

民主党は、柔道の谷亮子氏まで引きずり出して、夏の選挙戦を戦おうとしている。
「地球を覆うほどの愛で頑張りたい」との決意表明に、異議を唱えるものではない。
そこまで彼女をして言わしめたものは、何か。
果たして・・・?

柔道家、妻、4歳と生後7ヶ月の2児の母、そして政治家となると、“4足のわらじ”を履くことになる。
大丈夫なのか。
“2足のわらじ”だって難しいのに、“4足のわらじ”である。
常識では考えられない。

国会議員の仕事は暇ではないはずで、中途半端に出来るものではない。
国会を甘く見てはいけない。
どうも、そのあたりに甘えの構造が透けて見える。
国会議員と五輪選手の両立に限っても、橋本参院議員だけで、当選したとしてもその道は厳しい。

スポーツ選手、お笑い芸人、俳優、文化人、作家、キャスターと、有名人だやれタレント議員だといっても千差万別である。
政治の舞台に登場していけないとは思わないが、現役生活を続行しながらというのもどうか。
大いに疑問だ。

民主党は、参院比例区で20議席以上の獲得を目指しているらしいが、五輪体操の池谷幸雄、女優の岡崎友紀、落語家の桂きん枝らを公認していて、谷氏で43人目の候補者だ。
それも、ピークを過ぎた(?)人が多い。
いま絶頂にいる人は、ほとんどが誘いを断っているのだ。

現役を断念してというのなら、わかる気がする。
しかし、これまでこうした経緯で国会議員になって、どれだけ多くの人が国会から去っていったことか。
知名度を頼りに、片っ端からツバをつけて、まことに品性のない、情けない人集めにしか見えない。
有権者を見くびっていないか。

票を入れたい人は入れるだろう。
世の中、少しは明かるくという効果ぐらいは期待できるかもしれない。
その先は未知数だ。
数合わせさえできれば、中身はどうでもいいのか。
人寄せパンダばかりが増えてどうするか?

しかも、民主党のみならず、自民党はもちろん、国民新党、みんなの党、立ち上がれと、そろい踏みで著名人を参院選に出馬させようとしている。
当選して議員ともなれば、年収は最低でも2000万以上は保証され、6年間で1億2000万は下らない。
議員バッジさえ手にすれば、国会を休もうが居眠りをしていようが、身分は安泰だ。
報酬に見合うだけの仕事をしている政治家が、はたしてどれだけいるだろうか。

この国はどうなっていくのだろうか。
普天間の問題とて不透明だ。
何があろうと、鳩山総理も小沢幹事長も辞任など考えていない。
マスコミや、一部の閣僚、政府高官らが、公然と総理らの辞任を要求するような言動を弄しているけれど、そんなことがいえる立場かどうか。
辞任するなら、自分がさっさと辞任すればよろしい。
文句があるなら、それからだ。

重ねて言いたい。
集票マシンや客寄せパンダに、有権者が一喜一憂しているようではこころもとない。
パンダは所詮パンダなのだ。
日本人の民度とは、いまその程度のものなのだ。
日本人の選んだ自民党議員たちが、悲しいかな、これまで半世紀以上もこうした堕落の民を許してしまったのだ。
国会議員になってみたけれど、政治を知らない人もいる。
国会議員になってみたけれど、結局何もしないまま去ってゆく有名人の多いことも確かだ。

よしんば谷亮子氏が小沢ガールズ入りして「地球を覆うほどの愛」で頑張って、果たして有権者は民主党や民主政権に「愛」を抱けるのであろうか。
何もかもが不透明である。
過大な期待というものは、しばしば耐え難い失望と絶望を招く。
恥も外聞もかなぐり捨てて、数だけ合わせて、そこに生まれてくるものは何か。

古代ギリシャ、デルフォイの神殿に書かれていた銘を、ソクラテスは座右の銘にしたというではないか。
曰く、「汝自身を知れ」・・・。
総理大臣といえども、ただの人なのだ。
国会議員といえども、ただの人なのだ。
どこを見渡しても、いまの政治家(?)のなかに、ひときわ飛びぬけた資質と才能とを兼ね備えた、そんな偉い政治家などひとりだっていやしない。(?!)
みんな、どんぐりの背比べだ。
誰が政治家になっても、誰が総理大臣になっても同じなのだ。(?!)
愚かな民が、愚かな政治家を選んだからだ。
・・・国会議員のバッジが泣いている。
参議院は「良識の府」だ。
「良識の府」も泣いている。
こんな参議院はいらないと――
初夏だというのに、この夕暮れに吹く風の、冷たさよ。


新党乱立!―雨後の竹の子のように―

2010-04-25 09:00:00 | 雑感
没落自民党からの、脱党、離党が相次いでいる。
そして、次から次へと雨後の竹の子のように、小ざかしい少数新党が立ち上がった。

先頃の世論調査の人気投票で、気をよくした舛添善厚労相は、自民党を乗っ取るかと見られていたが、「改革クラブ」に移籍し、党名を改称して「新党改革」の名乗りを上げた。
舛添氏は、新しい政治、清潔な政治を目指すと語っていたが、何と政党助成金欲しさだったとは・・・!
本人が、はっきりと会見でも「すぐにも金がほしいから」とおっしゃった。
この一言に愕然とした。
ほかの新党と同じように、姑息で不純な動機ばかりが透けて見えている。

自民党内でも、執行部批判を繰り返し、孤立した上での脱党である。
自民党のあだ花といわれるゆえんだ。
・・・自民党は、これまでやりたい放題やってきたが、もう崩壊から消滅へと一直線だ。

「たちあがれ日本」「日本創新党」ともども、「新党改革」も、参院選を見据えた票の食い合いになることは必至だ。
しかし、テレビに出まくって、自分を売り込むだけ売り込んで、首相に最もふさわしい政治家ランキング1位というのだから、まことに悲しいものだ。
有権者の能力が、知れようというものだ。
そこに、今後どれだけの人材が集まってくるのか、注目だ。

「松下政経塾」のメンバーが立ち上げた、「日本創新党」にしても、何をやろうとして新党結成に踏み切ったのか。
まだよく解らない。
どの新党も、立ち上がりは派手だが(もっとも、マスコミが馬鹿騒ぎしすぎるのだけれど)、いたずらに売名行為のように見えて仕方がない。

どこの党の誰とまで言わないが、不倫スキャンダルにまみれ、任期途中で要職を放り出した某氏やら、職員減らしで借金を減らしたと意気軒昂と思いきや、やるべき事業を安い民間事業に丸投げ、その挙句自分が理事長を務める民間団体に数千万の補助金をを支出したとされる某氏、知事選で落選し、なれるはずの大学教授への再就職先がなくなった某氏、・・・こういった前市長とか区長とかという方々の野心は一体何なのだろうか。
何をやろうとしているのだろうか。

高齢者ばかりが集まった「たちあがれ日本」にしても、これからの日本の改革に向かって、どのような理念や哲学をもって、この国を立ち上がらせるつもりなのだろうか、
所詮は、どれもこれも(?)第二、第三自民党ではないのか。

マスコミに操作される(?)世論が、意図的に作られているような気がしてならない。
ただ誰の目にだって、参院選だけは民主党に勝たせたくないという魂胆がありありだ。
政治がダイナミックに動くことを、国民は期待している。
参院選で、民主党が勝つか負けるかが、日本の将来にとって重要な岐路になる。

政治家は、ボランティア精神で、私利私欲を捨て、国家のために身を投じる覚悟がなくてはならないはずなのに、そんな政治家が、いまの国会にどれだけいるだろうか。
誰もが、立派なことを言っているようだが、一向にヴィジョンが見えてこない。
見えるのは、小ざかしさばかりだ。
もう一度言わせていただく。
小ざかしさばかりですよ。

進んで改革をやる政治家は、当然必要だ。
それには誰がふさわしいか。この見極めが重要だ。
国民、有権者は、いまの政治家たちよりも、もっと利口に、もっと賢くならなくては・・・。
判断を誤ると、とんでもないことになる。
国民は、ともすれば政党や政治家に頼りすぎるきらいがある。
選挙民の水準と意識の低さが、結果的には国を滅ぼしていくことになりかねない。
乱立する雨後のタケノコならぬ、毒キノコにはくれぐれも要注意だ。

もちろん、いまの民主政権の心もとなさは、大いに気がかりだ。
奮起してもらいたいものだ。
問題は山積している。
だからといって、自民政権に戻ることを期待するか?
それだけは御免被りたいと、多くの国民は思っているはずだ。
時間もかかるだろうが、政権交代の流れだけは止めてほしくない。

春爛漫である。
花咲き、鳥は歌い、木々のみずみずしい若葉が目にしみる季節だ。
新年度も、まだ始まったばかりだ。
新党乱立・・・、小党を立ち上げ、国民の期待と希望の星々となって輝くか。
はたまた、政界迷妄の荒野に咲く、数輪のあだ花となって散りゆくか。
―― それは、天のみが知っている。



ダダっ子とダダ親父と―高速料金の見直し撤回―

2010-04-23 17:00:00 | 雑感
国交相が公表した高速料金の新料金を、鳩山総理は見直さない方針を決めた。
ただし、今後の国会審議をふまえて、修正を検討するという意味を含ませて、である。
要するに、当面は見直さずということに落ち着いたのか。

政策決定の迷走は、いまに始まったことではない。
民主党はマニフェストで、高速料金の無料化を約束した。
それが、実質的な値上げとなれば、反発の声は必至だ。
だから、幹事長の一声がものをいったのだ。
この裏には、参院選を控えて、有権者の批判を浴びたくないというみえみえの事情がある。

鳩山総理が間に入って、一応玉虫色の結論めいたものを引き出した。
しかしそこには、ダダっ子大臣に対するダダ親父のご都合主義がちらつく。
高速無料化どころか、結果として値上げになったのでは、政府与党としても説明がつかないことになる。
一体どうなのか。
何故、こういう問題が起きたのだろうか。

高速道路を利用する人の8割が、現行料金より、明らかに値上げとなるような新料金を、利用者が納得できるとは思えない。
もともとは、官僚がでっち上げたものだから、そんなことに言いなりになってどうするのかということになる。
国交相が、道路官僚の手玉に取られては、政治主導が泣く。
官僚の、狡猾な罠にはまってしまっては身もふたもない。

これは、政治家の能力の問題か。
役人の言う通りにはやらない。
それが、国民の期待を担って政権交代をした、民主党のやりかたではないのか。
ダダ親父の言い分ももっともだ。
ダダ親父だからといって、侮ってはならない。
いろいろ悪評もあるが、並みいる凡人よりは、<いま>を生きる術は数段上だ。

高速料金をめぐる、今回の一件で、大臣を辞めるとか辞めないとか、あまり国民の前でみっともない芝居はやめたほうが宜しいのではないか。
そんな芝居など、誰も見たくもない。
それもこれも、つまるところは総理の指導力のなさだ。
政権の統治能力も・・・?

政府が一度決めたことであっても、それをまた修正するということ自体は否定できない。
よりよい政治のあり方を探る、そうした努力は惜しむものではない。
それが、ただちにブレると言う指摘はいかがなものか。
過ちは誰にでもある。
過ちに気がついたら、改めればいいのだから・・・。
何もやらないのが、一番よくない。

「カティンの悲劇」再び―ポーランド機墜落事故―

2010-04-13 05:00:00 | 雑感
これを、因縁というのだろうか。
ポーランド大統領機が、ロシア西部の、空港近くの林の中に墜落した。
旧ソ連による、ポーランド人虐殺の「カティンの森」事件の、70年追悼式典に向かっていたのだった。

カティンスキ大統領夫妻をはじめ、政府高官や、遺族たち約50人を含め、96人全員が犠牲となった。
大統領は、冷戦時代にポーランドを支配化においたソ連への反感は強く、ロシアとは敵対的な姿勢をとってきた。

事故当日は霧が深く、空港への着陸を変更するよう管制官は指示していたのに、機はそれを無視して着陸態勢に入ったところ、墜落したのだった。
何と、そこはあの「カティンの森」のすぐ近くであった。

つい先日、映画「カティンの森」を観たばかりだったので、この報道は衝撃的だった。
ポーランド人将校ら15000人近くが虐殺(銃殺)された、「カティンの森」に眠る彼らの霊が招いたのか。
しかも、彼らを追悼する慰霊のために向かっていた、その日に・・・!

墜落したツポレフ154機は、旧ソ連が、国内幹線と中距離国際線の主力機として開発したものだが、最近では2007年8月にウクライナ東部に墜落し、このときも170人が事故の犠牲となった。
今回の政府専用機にしても、約20年間も使われ、老朽化していたという情報もある。
旧ソ連製の航空機というのは、やたらと事故が多く(?)、とても安心して乗れたものではないようだ。

墜落、炎上した機体の無残な姿に、皮肉にも運命の巡り会わせを見る思いがする。
あの、痛ましい歴史を刻んだ悲劇の森で、また新たな悲劇が繰り返されたのだった。
「カティンの森」の悲劇、またしても・・・。
これは、因縁なのだろうか。合掌。

新党お祭り騒ぎ(続)―国を憂えるとは?―

2010-04-11 10:00:00 | 雑感

共同通信の世論調査で、9.6%という政党支持率を得て、「みんなの党」がにこにこしている。
党勢の上向き傾向が続けば、参院選の目玉にもなる。
現在は、衆参合わせて6人の小政党だ。

そんな「みんなの党」人気に続けと、「たちあがれ日本」が旗揚げした。
そしてさらに、また「首長新党」なる党が旗揚げするらしい。

しかし、新党「たちあがれ日本」の、民主、自民両党との距離感はどうもはっきりしない。
賛同者の広がりも、感じられない。
期待していた(?)、若手、中堅議員の参加もなく、大きなうねりもまだない。
これからのことは解らない。
いまだに旗色も定まらず、厳しい船出だ。
「みんなの党」とは違って、やはり、自民党の補完勢力でしかないのか。

「たちあがれ日本」の理念や哲学も、一般的な常識論の域を出ず、これまで誰もが言ってきたことに終始し、新味は感じられない。
言うことは、誰にだってできる。
所詮は、抽象論だ。
政策にしても、具体的なものはまだ何も見えてこない。

自民党には、野党として戦う十分な気力がない。
民主党には、政治に対する哲学や思想がない。
与謝野氏は、そんなことを言っているが、では新党「たちあがれ日本」はどうなのか。
そんなことがよく言えたものだ。
反民主、非自民を唱えるならば、自分の党の理念や哲学をこそ、もっと具体的に、よく解るように語れ。

こうして、新党が乱立し、離合集散をまた繰り返していくのか。
わけのわからぬまま、有権者は、政権離れに転じていくことになる。
そしてまたしても、民主主義とは名ばかりの、衆愚政治へと帰っていくのだろうか。
自民党はもちろん、民主党にも期待が持てなくなったからと、「みんなの党」へ流れたり、新党応援にはせ参じる。
いろいろ言われているけれど、民主党は、最近になってようやく予算を成立させ、子ども手当て、高校無償化の実施、日米密約の開示と、民主党らしさも見せ始めている。
マニフェストは、100%実現しなければいけないというものではない。
実施に時間がかかるのは、当たり前なのだ。
政権交代を実現させた有権者は、政権を育て上げる責任のあることを忘れてはならない。

新党の応援団長を自認する、あの人が、一段と声を荒げて、烈火のごとく吼えた。
 「年寄り、年寄りと言うが、じゃあ若者に一体何が出来るんだ。
  何も出来ない、若い奴はみんな腰抜けばかりじゃないか。
  本当に、国のことを憂えているのか」・・・。
(貴方に、そんなことを言われたくない。)
そういう、貴方はどうなのですか。
口で言うのは簡単だと、そうも言った言葉を、そっくりお返ししたい。
吼えれば吼えるほど、政治家の言葉の空しさが広がるだけだ。
どんなに立派なことを言おうが、白々しいだけのことだ。
これまで、いくつもの過ちや失言を繰り返しながら、自らの反省も謝罪もなかった。
傲岸不遜、そんな人が言う資格はない。
・・・よく、考えて見ないといけない。
明日の日本を考えるとき、老兵より、若く、力強いリーダーが求められているのではないか。


新党お祭り騒ぎ―噴飯と撹乱の悪夢?―

2010-04-09 22:00:00 | 雑感

桜吹雪が風に舞っている。
春爛漫のこの季節に、何やら永田町がえらく騒がしい。

まだ理念も信念も、政策もどうもはっきりしない。
正式に立ち上げた段階で、どんな政策綱領が発表されるか。
自民党を離党した五人衆が、新党を立ち上げる。
その名も、「たちあがれ日本」というのだそうだ。
この年寄りばかりの新党は、党名をどうするかでなかなか大変だったらしい。
「サムライ」だの、「ありがとう」だの、「がんばれ」などといった案がいくつも上がったそうで、結局東京都知事の主張した党名に決まった。
しかし、この党名、失礼ながら、はじめは「立ち枯れ」「たそがれ」に聞こえてならなかった。(?!)
でも、新党船出の名称が「たちあがれ・・・」とは、奇妙なネーミングだ。

新党発起人と目される、与謝野元財務相、園田衆院議員が月刊誌「文芸春秋」に発表した論文でも、「日本を没落の道へと導こうとしている民主党政権を打倒するため、新党を結成することを決めた」といっている。
この新党、考え方もバラバラな、平均年齢約70歳のお年寄りの集まりだ。
しかも、自民利権政治にまみれまみれて、日本という国をドン底に突き落とした面々ときている。
それでも、この新党に期待するという人は27%もいるから、ちょっと意外だ。
何やら嫌な予感もするが、そんなことは悪夢であってほしい。

かつて機能不全を露呈した自民党が、これまでさんざん繰り返されてきた新党騒動に驚くこともない。
民主党に参院選で単独過半数を取らせまいとする、政治家の集まりか。
あるいは、民主党政権の目指す改革には、どうしても反対の人たちだ。
この政治の裏で、例によって、得体の知れぬ魑魅魍魎たちが、さあガサゴソと動き始めた。

自民党もダメ、民主党もあてにできないから、第三極などと喧伝されているけれど、民主党の改革は一歩一歩だが始まっている。
もちろん、幾多の問題を抱えてだけれど・・・。
マスコミの論調を、そのまま信じていいものか。
民主政権に改革を任せたからには、尻を叩いて、叱咤し続けて、実行させなくてはいけない。
彼らを選んだ国民にも、その責任の一端はある。

与謝野、園田両氏にしても、これまで自民党政権の中枢に陣取ってきた。
ご本人が、国や国民のために立ち上がったと、素直に喜べないものを感じる。
国会議員が5人集まれば、それだけで億単位の政党助成金が転がり込むのだ。
こんなに、美味しい話はない。
若手議員たちは、「税金で、安楽にメシが食えるんだからいいなあ」と、ため息をもらしていたそうだ。

「たちあがれ」と言われて、すぐたちあがれるものだろうか。
惑わされてはならない。
日本人は、概して新しいものが好きである。
だからといって、むやみに飛びつけばよいというものではない。
いま、日本の政治は、出口の見えない迷走を続けている。

・・・とかく、春先には、突然おかしな行動をとる人が現れると、よく言われる。
そして、必ずそれに同調する人も・・・。
その流れを冷静によく見極めて、噴飯と撹乱の悪夢(?)に騙されないようにしたい。

     *** 閑 話 休 題 ***

近頃、民主党のよくない話ばかりで、内閣支持率が下落している。
マスコミは、民主のよいことは取り上げないが、民主だって結構頑張っている。
新聞やテレビの報道は、民主潰しばかりが目立ち、どうも公正な報道とも思われない。(長年の自民政権下で、洗脳されてしまっているようだ。)

いま、霞が関が戦々恐々だそうだ。
民主党が、特別会計の抜本的な見直しに乗り出すからだ。
特別の検証チームを発足させて、今度は一般会計とは別の特別会計予算に切り込むそうで、こちらは、一般会計の4倍強の約381兆円で、規模はずっと大きい。
原資は、国民の税金や保険料だ。
事業見直しの陰に隠れていて、全貌がまだよく見えてこないが、期待がかかる。

一般会計と違うから、国会のチェックが甘いので、官僚は好き勝手に使って、余剰金をしこたま溜め込んできたとされる。
ここから天下り先に予算が回され、そのおかげで役人は甘い汁を吸い、デタラメがまかり通ってきた。

検証チームは、特別会計にメスを入れることによって、新財源20兆円以上が確保できるというけれど、本当か。
自民党政権ができなかっことに、民主党政権が切り込めば、官僚のデタラメもそれまでで、画期的なことだ。
「民主よ、お前もダメか」なんて、いつまでも言われているようでは、あまりにも情けない。
おそらく、凄まじい攻防になるだろうが、ここで民主党政権が政治主導を発揮できれば、国民も真の改革を少しは実感できることになるかも・・・。(??)


民主党副幹事長解任―言論の封殺?!―

2010-03-22 23:00:00 | 雑感

突風の吹いた翌日であった。
横浜で、桜の開花宣言があった。
いよいよ、春本番か。

民主党の執行部を批判したかどで、生方副幹事長が解任されるという事態が起きた。
この事態、どっこいこのまま落着とはいかなかった。
小沢幹事長の、政治資金の問題についての発言が、ことの発端だ。
小沢氏の十分な説明が果たされず、国民の納得が得られなければ自らの進退を考えるべきだと述べ、民主党の権限や財源を握っているとされる、小沢氏個人への皮肉交じりの発言が問題となった。
暗に、小沢幹事長に対する辞任要求だ。
この発言、決して的外れとも思えない。

いま、国民の間でも、与党、野党の内部でも、陰では「小沢独裁」への不満の声が出ているからだ。
問題は、生方氏が与党内の要職にありながら、党外の、特にマスコミに対して執行部批判をしたことにあるらしく、だからといって、即解任とはいかがなものか。
民主党内で、もっと穏やかな結着をはかれなかったのか。
処分の仕方に、大いに疑問がある。

生方氏解任については、いまになって小沢幹事長筋でも、もう少し上手くやれなかったのかとの意見も出ている。
全くその通りだ。
ここへきて、一部には、とどのつまり、生方氏解任を主導した、高嶋筆頭副幹事長への見えない風当たりも、強くなっているようだ。
それもそうだろう。
高嶋氏に取材しようとすると、物好きなテレビ局のお呼びには頑として背を向け、登場するのはもっぱら生方氏の方だ。
とにかく、この人、出演回数が半端ではない。ちょっとしたスター並みである。
これだって、異常だ。
彼が出れば出るだけ、ますます問題がこじれていく。
冗談じゃあない、と言いたい。
いまこの大事なときに、民主党の株はどんどん下がっていく・・・!

小沢氏に不平や不満があるなら、本人に向かって言えなかったのか。
これが、言えなかったのだ。
まことにもって、情けないことだ。
そういう状況にないというのだが、まずは直接本人と向き合うことが大事だし、外に向かって自分の党のことをあれこれ批判するというのはどうだろうか。
そんなことをすれば、喜ぶのはマスコミで、彼らの好餌になるに決まっている。
民主党内部のちっぽけな問題が、ことさら大きく取り上げられて、与党のイメージダウンは避けられない。
小沢幹事長はさらに悪人のようにいわれ、民主党全体の支持率までが急落することになった。
現に、世論による民主党の支持率は、すでに30%を切ったとも伝えられる。

民主党が、自分の党内部からの批判を許容できないようでは、これからも新政権など覚束ない。
政策論争以前の問題だ。
野党・自民党のある元幹部は、「この程度のことでクビにされていたら、自分なんか何回クビになったか分からない」と言って、苦笑していた。
どこの党だって、執行部批判はある。
そんなこと、当たり前だ。

かつてそうであったように、与党の幹事長室に多くの人たちが自由に出入りし、もっと風通しをよくして、明るい民主党をこころがけてもらいたいものだ。
といっても、いまの幹事長では難しいかも・・・。
今回の一件、民主主義を提唱する与党としては、まことに民主党らしからぬ対応だ。

言うことが気にいらないからと、当人を解任するのは簡単だ。
それより前に、生方氏の言動に言い過ぎがあったとするなら、注意勧告で足りることではなかったか。
こんな、公に大きな騒ぎになるような事案ではない。
ことをここまで大きくしてしまった責任は、生方氏と民主党(執行部を含む)の両者にある。
小沢氏に最も近いとされる、高嶋筆頭副幹事長に、小沢氏は円満な解決を望んだのに、幹事長の真意を読むことができなかった。
いい大人の政治家(?)にして、この程度なのである。
どっちもどっちという、感じがする。
何のことはない、いつの世にもある、救いがたき政治家の身勝手・・・!

要は、もっと自由に闊達に、意見交換のできる民主党でなければ、結局は国民は失望して離れていく。
言論の自由なき(?)政党、まさかとは思うが、そんな自由もないとなれば情けない限りだ。
マスコミだけを喜ばせるような、馬鹿騒ぎをしている暇があったら、景気浮揚策に労を費やしてもらいたい。
国民は、呆れて言葉もない。
何をやっているんでしょうね。
期待を担い、あれほどの追い風に乗って、颯爽と登場した民主党、しっかりしないか。
~ったく!!

・・・夜遅くなって、風がやんだ。
そうか、追い風がやんだのか。


どうなった?新型インフルエンザワクチン騒動

2010-03-19 20:00:00 | 雑感

あれほど騒がれた、新型インフルエンザワクチンはどうなったのでしょうか。
大流行とまで伝えられていたのに、いまはどうやら大過なく終息に向かっているようです。(少なくとも日本では。)
WHOにしても、ずいぶん人騒がせなことでした。
とはいえ、09年6月、世界の死者数1万5000人を超えた時点で、「フェーズ6」という警戒レベルも納得できないわけではありませんでした。
これには、日本は一体どうなるのかと、間違いなくちょっとしたパニック状態でした。

輸入新型インフルエンザワクチンは、9900万回分の内6300万回分については、解約に向けて交渉に入っているということです。
それだけ、余ってしまったということですか。
これは、厚生労働省の話です。

日本人は、成人の約3割、子どもの7、8割が接種を受けたようです。
結局、ワクチンは何ほどの効果があったのでしょうか。

海の向こうのドイツの話ですけれど、誰でもが受けられるインフルエンザの予防接種を希望する人は、当初の予想をはるかに下回ったそうです。
接種を受けたのは、国民の8%だといわれます。

このことは、日本についても同じことがい言えそうです。
かなりの数の人たちが、インフルエンザは危険が低いと判断し、ワクチンそのものの安全性に疑問をもったのではないでしょうか。
かく言う自分もそうで、人混みに出かけたりしているものの、マスクもせず(一応持ってはいましたが)、面倒くさいのでワクチンの接種も受けませんでした。
もちろん、外出から帰ったらよく手を洗い、うがいを励行し、予防には気を使っていました。
そのせいか、幸いなことに、この冬は、インフルエンザはもちろん、風邪ひとつひかないで、今日まできました。
これまでも、ワクチンのお世話にはなっていませんし、今後もそうしたいと思っています。
だって、そもそもこれで100%インフルエンザにかからないという保証はないのですから。

一時は、世界中からワクチン不足の声が上がっていました。
需要に間に合わないとも・・・。
しかも、ワクチン接種によるアレルギー被害や、何らかの副作用を訴える人は多かったといいます。
日本では、ワクチンが大分余ってしまっているらしいし、そこで輸入元への解約交渉にのぞんでいる状態です。
はじめは深刻で、大変な騒ぎでしたものね。
何だか、とてもおかしく思えませんか。
ワクチン依存も、考えものですね。
それに、誰もが無料というわけではないのですから。
病院は儲かるでしょう。でも、どうだったでしょうか。
すっかり目算がはずれてしまったのでは・・・。
いや、ほんとうに・・・。
これから本格的な春に向けて、インフルエンザよりは、どうも花粉症対策のほうが必要となりそうです。