この時をうらむかのように、じいっと空を見上げているのはどこの誰か。
何かが始まるとき、きっと何かが終わる。
そしてそれは、終わりの始まりだ。
ドロ船が沈みかけている。
内部分裂、脱党、離党・・・、そして負け犬の遠吠えのような、党総裁の叫びが空しくあたりにこだまする。
近頃の、自民党のゴタゴタもひどい。
園田幹事長代理が、執行部批判のあげく、役職を辞任した。
さらに、鳩山邦夫元総務相が離党し、自分は平成の坂本龍馬になりたいと言っている。
何の根回しもされていない、まだどうなるとも分からない、夢物語を追うような話だ。
どうも、見渡したところ、同調者もまだ現れていないようだ。
誰が、彼についていくのだろう。
政界再編の起爆剤になりうると、本人は言うけれど、こんなに大きな騒ぎになってしまっている。
大丈夫なのか。
ご本人は、幕末の志士気取りか。
新党の結成、政界再編と言うからには、どんなヴィジョンがあるのだろうか。
具体的なものは、まだ何も見えてこない。
このまま突っ走って、引っ込みがつかなくなってしまうのではなかろうか。
与謝野元財務相と、舛添厚労相を結び付けたいらしいのだが、この二人とも離党する気はなさそうだ。
・・・となると、とんだ茶番劇で、一番慌てているのはどなただろうか。
正しい情勢判断ができているのか、疑わしい。
果たして、勝算はあるのか。
新党を作るといっても、言うほどに簡単なことではない。
政策や理念はどうなっているのか。
ああだ、こうだと言っているうちに、ドロ船は沈んでゆく。
新党騒ぎは、もはや自民党の最後のあがきか。
哀れ、谷垣総裁率いる自民党よ。
自民党が、みしみしと音を立てて瓦解してゆく。
断末魔の叫びを残して・・・。
そうして、やがては歴史の彼方に消えてゆくのだ。
・・・政界再編の名の下に、また政治の常なる、離合集散を繰り返すのか。
かつて巨大勢力を誇った自民党は、もはや民主党の敵ではない。
新しい時代の波に適応できなければ、消えてゆくさだめなのだ。
***** 閑 話 休 題 *****
いまの鳩山政権に対する世論は、「支持する」が32%、「支持しない」が47%で、新聞各社の世論調査は、大体似たりよったりだ。
鳩山内閣の支持率は、下落の一途だが、どの政党を支持するかと問えば、やはりまだ民主党だ。
注目すべきは、昨年の総選挙の結果、民主党政権が誕生し、政権交代が起きたことを、70%近い人たちがよかったと答えていることだ。
もう、自民党政権に戻ることは考えられない。
後戻りはないのだ。
少なくとも、向こう3年半は、民主党政権が続く。
「政治とカネ」の問題で、さんざん世間を騒がせた民主政権だが、景気対策等の喫緊の問題からすれば、国民にはそんなことは小さなことだ。
どちらが先か、誰だって解っている。
政権発足から半年で、目に見えて何もかもが変わるものではない。
何だかんだと、うねりのように巷で高まっている、鳩山総理や小沢幹事長の去就如何にかかわらず、もちろん人の見方はいろいろあるだろうが、民主政権はさらに盤石な(!?)ものとなっていくかもしれない。
頼りない自民党は崩壊寸前だし、目下の民主党は、向かうところ敵はない。(!?)
いまは、やるべきことをやるっきゃない。
前政権の残した、あまりにも多くの負の遺産を前に、焦土と化したこの国で・・・。
弥生三月、いつのまにか花咲く春の訪れである。