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徒然草

つれづれなるままに、日々の見聞など、あれこれと書き綴って・・・。

沈みゆくドロ舟―自民党の崩壊―

2010-03-18 06:30:00 | 雑感
早いもので、あちらこちらで、もう桜の蕾が開き始めている。
この時をうらむかのように、じいっと空を見上げているのはどこの誰か。
何かが始まるとき、きっと何かが終わる。
そしてそれは、終わりの始まりだ。

ドロ船が沈みかけている。
内部分裂、脱党、離党・・・、そして負け犬の遠吠えのような、党総裁の叫びが空しくあたりにこだまする。
近頃の、自民党のゴタゴタもひどい。

園田幹事長代理が、執行部批判のあげく、役職を辞任した。
さらに、鳩山邦夫元総務相が離党し、自分は平成の坂本龍馬になりたいと言っている。
何の根回しもされていない、まだどうなるとも分からない、夢物語を追うような話だ。
どうも、見渡したところ、同調者もまだ現れていないようだ。
誰が、彼についていくのだろう。
政界再編の起爆剤になりうると、本人は言うけれど、こんなに大きな騒ぎになってしまっている。
大丈夫なのか。
ご本人は、幕末の志士気取りか。
新党の結成、政界再編と言うからには、どんなヴィジョンがあるのだろうか。
具体的なものは、まだ何も見えてこない。
このまま突っ走って、引っ込みがつかなくなってしまうのではなかろうか。

与謝野元財務相と、舛添厚労相を結び付けたいらしいのだが、この二人とも離党する気はなさそうだ。
・・・となると、とんだ茶番劇で、一番慌てているのはどなただろうか。
正しい情勢判断ができているのか、疑わしい。
果たして、勝算はあるのか。
新党を作るといっても、言うほどに簡単なことではない。
政策や理念はどうなっているのか。

ああだ、こうだと言っているうちに、ドロ船は沈んでゆく。
新党騒ぎは、もはや自民党の最後のあがきか。
哀れ、谷垣総裁率いる自民党よ。
自民党が、みしみしと音を立てて瓦解してゆく。
断末魔の叫びを残して・・・。
そうして、やがては歴史の彼方に消えてゆくのだ。

・・・政界再編の名の下に、また政治の常なる、離合集散を繰り返すのか。
かつて巨大勢力を誇った自民党は、もはや民主党の敵ではない。
新しい時代の波に適応できなければ、消えてゆくさだめなのだ。

    ***** 閑 話 休 題 *****

いまの鳩山政権に対する世論は、「支持する」が32%、「支持しない」が47%で、新聞各社の世論調査は、大体似たりよったりだ。
鳩山内閣の支持率は、下落の一途だが、どの政党を支持するかと問えば、やはりまだ民主党だ。

注目すべきは、昨年の総選挙の結果、民主党政権が誕生し、政権交代が起きたことを、70%近い人たちがよかったと答えていることだ。
もう、自民党政権に戻ることは考えられない。
後戻りはないのだ。
少なくとも、向こう3年半は、民主党政権が続く。

「政治とカネ」の問題で、さんざん世間を騒がせた民主政権だが、景気対策等の喫緊の問題からすれば、国民にはそんなことは小さなことだ。
どちらが先か、誰だって解っている。
政権発足から半年で、目に見えて何もかもが変わるものではない。

何だかんだと、うねりのように巷で高まっている、鳩山総理や小沢幹事長の去就如何にかかわらず、もちろん人の見方はいろいろあるだろうが、民主政権はさらに盤石な(!?)ものとなっていくかもしれない。
頼りない自民党は崩壊寸前だし、目下の民主党は、向かうところ敵はない。(!?)
いまは、やるべきことをやるっきゃない。
前政権の残した、あまりにも多くの負の遺産を前に、焦土と化したこの国で・・・。
弥生三月、いつのまにか花咲く春の訪れである。

子ども手当てや高校無償化―民主政権最初の一歩―

2010-03-07 22:00:00 | 雑感

来年度の予算が、衆議院を通過した。
心配されていた、民主党政権下での予算が、年度内に成立の運びとなった。
財源論など、不安要素がないわけではないが・・・。

子育て支援、高校無償化、出産費用全額補助など、いろいろなメニューが検討された。
これらが、今予算で手当てされることが決まった。
子育て支援については、世界の中の先進国でも、いまの日本は最低に近いといわれる。
出産、育児、保育、全額援助といった、一連の家族手当についてみれば、日本はフランスの二分の一以下だそうだ。
今度の予算で、子ども手当ては満額支給、育児給付、保育サービスなども盛り込まれる。
これはこれで、結構なことだ。
日本もやっと、先進国並みになれる。
実行されたらの話だが、やっとですよ。

全国37路線で、高速道路無償化が、実験的に始まろうとしている。
世界の先進国で、日本のように高い高速料金を取っている国は、あまり例がない。
道路は、誰もが自由に使えるというのが基本なのだ。
お金を払わなければ、使えないというのは、正直おかしな話だ。
これまで高速道路は、利用者よりも、明らかに政治家の事情で造られてきたのではなかったか。
それを、自民党利権と世間ではいうのだ。
道路はすべて、一部お金もちのための道路ではなく、万民が使えるようにすべきだ。
CO2とか経済効果とかの議論があるが、一緒くたに考える問題ではないと思うのだが・・・。

高校無償化の制度も、大変結構なことで、期待が膨らむ政策だ。
しかし、朝鮮学校除外論が浮上し、問題になっている。
何でも、黒板の上には、故・金日成主席や金正日総書記の肖像画が並べ掲げられてている、そんな学校もあるらしい。
これはまた、日本人にとっては、いささか抵抗のある話だ。
それから、大事なことだが、朝鮮学校というのは、学校教育法上は一般の小中校、高校ではなくて、一連の「各種学校」に位置づけられているということだ。

教育内容とか、東京都では補助金が交付されていて、在日社会の中で増えてきた朝鮮の人たちが、民族、国境を超えて学校に通うことに異論はないけれど、その「中身」は確かにすっきりと見えてこない。
子どもたちが悪いわけではない。
子どもたちには、誰もが等しく学ぶ権利も、教育を受ける権利もある。
大人や国家間の犠牲になるのは、決していいことではない。
このことは、考えさせられる問題を含んでいて、なお議論をつくす必要があるだろう。

何にせよ、政府の大筋が決まっても、各論はまだこれからだ。
・・・政権交代が確定して、まだ半年足らず、国民の税金を湯水のように使い切った、悪辣きわまりない、自民党政権の焦土作戦に対する憤りは消えることはない。
政権交代の直後に、2億5000万の官房機密費はどこへ消えたのか。
自分たちのことを棚に上げて、バラマキ、バラマキというが、いま民主党がやっていることは、少なくとも、彼らの言う単なるバラマキとは意味合いが違うのだ。
ゆりかごから墓場までとは言わないまでも、生まれる前から大学を出るまで一連の政策をひっくるめて、国民の安心生活を目指そうとするものだ。
それゆえ、大学の奨学金などにまで手当ての幅を広げようと考えているのだ。

凋落一途の自民党も、個人のカネと政治のことばかりいつまでもつついていないで、もっと真摯に、政策論争をたたかわせなければいけない。
政権交代の実が結ぶには、どうしたってまだ時間がかかる。
今年の予算案が衆議院を通過したことは、鳩山政権のまだほんの一歩に過ぎない。
国が変わりゆくのは、まだ先のことだ。
4年後、5年後、いやもっと先のことかも知れない・・・。


「100分の2秒」に「銀の涙」―やがて悲しき五輪かな―

2010-03-04 08:00:00 | 雑感

感動と興奮をもたらしてくれた、バンクーバー五輪が幕を閉じた。
数々のドラマがあった。
日本は、最後に女子団体追い抜きで、銀メダルを獲得した。
今大会のメダル数は、銀3個、銅2個で、合わせて5個だった。
それも、スケートの5個で、他種目は入賞が精いっぱいだった。

女子団体追い抜きは、最後に惜しくもドイツに敗れた。
しかし、あのゴールの瞬間は、日本が勝ったかと思われるきわどい瞬間だった。
その差、何と100分の2秒とは!
誰かが、いみじくも言いました。
 「ゴールはゴールではない。本当のゴールは、そのゴールの先にある」
けだし、名言ではありませんか。

フィギュアスケート女子で、銀メダルに輝いた浅田真央選手は、韓国に敗れはしたが勝ちにも等しい銀だった。
ただ、23点以上もの大差に、審判の採点はどうなっているのだろうかとも思った。
人が人を採点すると、こういうことになるのだろうか。

日本の国旗が上がっていくのを見ながら、選手たちの目に銀色の涙が浮かぶ。
その半分はうれし涙であり、半分はくやし涙であった。
・・・誰もが、みんな頑張った。
あの女子団体追い抜きの田畑、穂積の両選手は、富山市の社員40人の会社のスケート部に所属していたという。
小さな会社で、よくぞあそこまでの選手を送り出せたものだと、感心させられる。

橋本選手団長は、チームジャパンとしては、やはりひとつでも金メダルが欲しかったと、本音をチラリ・・・。
大会前に掲げた、98年長野五輪の時の、メダル10個の目標には届かなかった。
チャンスがなかったわけではないが、ほんの一歩が及ばなかった。
だから、悔やんでも悔やみきれないという気持ちを吐露していた。
とくに、五輪で金メダルありの戦績をあげるためには、雪の種目も、氷の種目も、さらなる強化対策が一層必要だ。

国やJOCは、これまで4年間のフォローを、しっかりとしてきたのだろうか。
政府の事業仕分けも結構だが、適切なのだろうか。
日本には、国立スポーツ科学センターがあり、韓国にも同じような施設がある。
そこに集められた選手には、日当も出るが、日本では利用するのにも料金が発生する。
あちらでは、メダルを取ればほぼ生涯まで保証されるのに、日本はどうだ。
報奨金も十分とはいえない。
国威発揚という事情はあるけれど、お隣り韓国は、スポーツ先進国になった。
お金の使い方が違うのではないか。

バンクーバー五輪には、JOCの役員やメンバーが大挙して現地入りしているが、実際に選手を育ててきた、コーチやトレーナーははじき出されてしまった。
飛行機も、役員はビジネスクラスだという。
逆ではないだろうか。
選手たちの環境が、これでいいはずはない。
いい環境がなかったら、いい結果はついてこない。
日本は、スポーツの縦割り行政の弊害もある。
たとえば、オリンピック(文科省)、パラリンピック(厚労省)、さらには国交省、通産省など,所管のスポーツ施設にもiいろいろ問題ありで・・・。
少しは韓国を見習って、すべてを一本化するくらいの、もっと選手に手厚い対策が望まれる。

金メダルの獲得数が、国別で11位と惨敗に終わったロシアでも、責任論が沸騰しているようだ。
4年後のソチでの冬季五輪を控えて、過去最低(ロシアメディア)の金三つは非常事態なのだ。
冬季スポーツの大国を自任してきたロシアとしては、国家的な恥辱とまで報じている。
アイスホッケーさえもメダルなしに終わり、監督までが「赤の広場でギロチンか絞首刑にしてくれ」と、やけっぱちだ。
ソ連時代は国威発揚で、子供は無料の施設を利用でき、才能のある選手には英才教育が施された。
でも91年のソ連崩壊によって、国家によるスポーツ振興策は事実上なくなって、優れた選手や指導者の多くが、国外に去ってしまったのだった。
ロシアも、選手強化策の抜本的な見直しが叫ばれている。
何と、メドベージェフ大統領までが、国内の各種の競技団体を、「(何もしない)太った猫だ」と酷評している!

ヨーロッパでは、スポーツ省のある国が多いそうだ。
日本には、スポーツを文化としてとらえる発想が、まだまだ根付いていない感じだ。
この際、思い切った意識改革が必要だ。
スポーツ後進国、日本!
・・・闘い済んで、日が暮れて、やがて悲しき五輪かな・・・。


地に堕ちた自民党のえげつなさ―予算委員会―

2010-02-14 07:30:00 | 雑感

春とは名のみの寒さが続いている。
こうなると、早く暖かい日が訪れてこないものかと・・・。

案の定、国会が荒れ模様だ。
まだまだ、ひよこのような民主党政権が誕生して、日が浅い。
それでも、よくやっている方だ。
しかし、その政権与党の重鎮が揃いも揃って、政治とカネの問題で躓き、野党の思うツボにはまってしまっている。
自業自得、不徳の致すところですむ問題ではない。
この大事なときに、困ったことだ。

あそこまでやりますか。
政党の品格はどこへ行ったのでしょうか。
ご覧になりましたか。
先日の衆議院予算委員会で、与謝野元財務相のあの暴言・・・。
こともあろうに、席上面前で、鳩山総理に対して、「あなたは、平成の脱税王だ。首相の資格はない」と、吐き捨てるように言ったのだ!
ことは、総理の偽装献金問題だ。
与謝野氏は、ヤクザ映画まで引き合いに出して、首相が秘書に重い罪をかぶせているとして、鳩山総理を糾弾する姿勢を見せた。

一瞬、場内がどよめき、色をなして反論した鳩山総理も、興奮のあまり失言する一幕まであった。
「脱税」と言う言葉は、このあとも数回にわたって鳩山総理に向かって投げつけられ、総理は、「ヤクザと同じように扱われるのは、如何なものか」と交わしたが、内心の怒りはありありだった。
あんなことを言われれば、誰だって腹が立つ。
与謝野氏が、どこからか国会の予算委員会室に乗り込んできた、薄汚いヤクザに見えましたが・・・。

あれは、ひどい。
言うにこと欠いて、かつての閣僚ともあろう人が、何を血迷ったか。
野党に成り下がったとはいえ、与謝野氏の暴言は、この人そこまで言うかと、誰もが驚いたのではないか。
いやしくも国会で、首相を「脱税王」呼ばわりとは如何なものだろうか。
さらに、家庭のことや個人的な問題にまで踏み込んで、暴言の限りをつくすのは、見苦しいことこの上ない。
もっと紳士的にできないものなのか。
喧嘩を売っている場合ではない。

鳩山総理は、これまで幾度も謝罪を繰り返し、馬鹿丁寧なほどに説明をしてきた。
こんなことで、連日国会が空転していていいのか。
自民党は、そこまで堕ちたのか。
おまけに、不起訴になった小沢幹事長の説明責任や、鳩山総理の老母まで証人喚問せよと、もう矢の催促である。
どうなっているのか。

与謝野氏は、あとで記者団に言ったそうだ。
 「どうせ、俺たちは野党だからな」
もう、あいた口がふさがらない。
・・・ねちねちと、一体いつまでこんなことを続けるのか。
カネ、カネというが、カネに汚かったのはもともと自民党ではないか。
鳩山総理のカネの問題は、鳩山家の資産であり、少なくともダーティーなカネではない。
自民党は、このことで口汚く追求するが、まあよく言えたものだ。
政権を奪われると、ここまでなりふりかまわなくなるということか。

与野党は、もっと真摯に政策論争をこそすべきではないのか。
同じことを、いつまでも繰り返し繰り返し、同じ答弁の繰り返しではないか。
幼い子供でも、一度‘学習’したことを繰り返さないものだ。
いまの政治家、いや政治屋は、ときに子供よりも劣る。
予算委員会は、3月一杯まで続く。

民主党政権は、発足したばかりで、大きく揺れている。
あの検察が、不起訴処分にした小沢幹事長にしても、いろいろあるにせよ、寄ってたかって極悪人扱いだ。
果たして、そうなのだろうか。
清廉な政治家だなんて思ってもいないが、よかれ悪しかれこの人のしたことは後世の歴史に残ることだ。
国民の望んだ政権交代を実現させたのに、世間でさんざん悪人呼ばわりされているこの人が、完全に抹殺されることが本当にいいかどうかは、疑問がある。

現実に、政治を動かしてこそ政治家だ。
政治が変わるときは、いろいろなことが起こる。
それが改革だ。
過去の日本の歴史が、それを如実に物語っている。
歴史に残る政治家の条件は、政治の構造を、変えることができるかどうかだというではないか。
いま、それができるかできないかの、岐路に立っている。


検察は正義なのか―似非民主主義(?)の闇―

2010-01-21 17:00:00 | 雑感

検察は正義なのか。
そんな言葉が、巷間ささやかれている。

小沢問題で、説明責任が問われている。
説明責任を云々するのであれば、特捜部とてそうすべきではないのか。
地検が強制捜査に踏み切る以上は、捜査の理由を十分に開示しなければおかしい。
このことは、国家公安委員会の委員長までが、明言しているのだ。

検察による、マスコミに対する情報操作が公然とささやかれている。
本当だとしたら、由々しい問題だ。
ついに民主党は、「捜査情報の漏洩問題対策チーム」なるものを党内に設けることにした。
結構ではないか。
一連の報道について、情報源をはっきりさせるべきではないのか。

国会開会の直前に、確たる証拠もない(?)状態で、逃げも隠れもしない国会議員を果たして逮捕する必要があったのか。
疑わしいからといって、証拠はあとからでいいということか。
いまになって、今度は特捜部は中堅ゼネコンへの強制捜査に着手した。
「怪しい」と睨んだら、徹底的にやるのか。
裏献金の、証拠探しをあたふたと始めて何とする。
検察は、何をあせっているのか。
見ていると、秘密警察みたいだ。

今回の検察の捜査は、誰の目にだって恣意的に映る。
民主党が、もしも参院選で圧勝したら、小沢民主党の政治基盤はより強固なものとなる。
そうなれば、官僚(=検察組織)にまでも、民主政権は手を突っ込むことができるようになる。
だから、小沢民主を倒すのだというような、検察ファッショの恐怖はないといえるだろうか。
考えるとぞっとする。

これまで表舞台に出てこなかった、千葉景子法務相は、予算委員会の席上で、検察の捜査を見守っていると言うにとどまった。
何か、もっと期するところを語るかと思ったが、それはなかったので少しがっかりした。
いまの段階で口を挟むことは、立場上控えたのかも知れない。

衆院本会議は、政治とカネをめぐって舌戦がスタートし、舞台は今日から予算委員会の場に移った。
与野党のヤジが飛び交い、一種異様な光景を見せている。
本会議では、野党の誰かが声高に叫んでいた。
 「はっきり答えろ、ドラ息子!」
 「贈収賄だぞ、責任を取れ!」
いやはや、お坊ちゃま内閣総理大臣もたまったものではない。
当分、与野党間の激しい攻防が続くことになるだろう。

ただ、景気をこれ以上冷え込ませてはならない。
政府は、たとえ強行採決をもってしても、国民のための前向きな法案については、一日も早く国会を通さなくてはならない。
やるべきことは、断固としてやるべきだ。
それこそ、信念を持って・・・。

・・・いま、政治不信は広まるばかりだ。
息のつまりそうな世の中だ。
市民オンブスマンが立ち上がって、この際検察の業務を徹底的に仕分けし、チェックしてはどうか。(苦笑)
検察の、暴走を許すようなことがあってはならない。
いまは、民主主義の世の中だ。
まさかとは思うが、もしかすると、地検はみずからも知らずして、重大な犯罪を犯しているのかも知れないのだ。
神ならぬ人間が人間を裁き、その裁判も冤罪を生んでいるのだ。
正義をかざすのはいい。
しかし、間違った正義はないか。
検察の手法が、本当に民主的と言えるのかどうか。
密室の取調べを明らかにするために、‘可視化する’ことは大きな意義がある。
是非そう願いたいが、鳩山総理はいまのところ、これには慎重だ。

民主党に、肩入れするつもりなどさらさらない。
しかし、検察のふりかざす「正義」なるものがどうもよく理解できないだけだ。
国家の権力者をチェックするマスコミまでもが、どうやら検察の言うままのようだから、それを正義とはき違えて、次第に国民まで‘洗脳’されてしまってはいないか。
怖ろしいことだ。
真の犯罪者は、一体誰なのか?

民主主義の名の下で、真実こそ明らかにされる必要がある。
小沢氏も検察も、国民が納得できるよう説明をつくしてもらいたい。
くれぐれも、憶測や仄聞による報道の垂れ流しはすべきではない。
小沢氏は、今週中にも検察の事情聴取に応じ、捜査には協力するという方向だ。
それはそれでいい。
小沢氏は、そこではじめて検察と対峙し、何を語るのか。
・・・マスコミは、ことの真実を、包み隠さず正確に伝えて頂きたい。

今日は、日中の寒さが一時的に和らいだ。
昨日に続いて、4月の陽気だった。
でも夕方になって、また冷たい北風が吹き始めた。
今夜は冷え込みそうだ。


戸惑いと憂慮―政治の暗澹のさなかで―

2010-01-19 10:00:00 | 雑感
朝晩の冷え込みは相変わらずだけれど、日中はときに温かな春めいた日射しが嬉しい。
雪の便りにまぎれて、花の便りもちらほらと・・・。
国会が開会になった。
こちらは、冒頭から波乱含みである。

民主党小沢幹事長の、4億円虚偽記載問題は、3億円は小沢氏の個人資産であることが確認され、あとの1億円についての出所が云々されているようだ。
そんなこといったって、10億円位の金はいつだって自宅にあるといわれる小沢氏は、うなるほどの金持ちだ。
億単位のタンス預金が、いくつあってもおかしくはない。
いかようにもつじつまは合わせられる。
検察は、巧妙な「資金浄化」の疑いありと、ゼネコンからの「裏金」の可能性を特定したいのだろう。
やるなら、どんどんやればいい。
そうしたカネの問題など、国民にしてみればあまりさしせまった問題ではない。
そんなことよりも、大事なことは山ほどある。
国会で、貴重な時間を浪費している暇はないはずだ。

検察は、小沢氏側の3人の関係者を逮捕したが、これがもし検察の暴走とするなら、それは許されないことだ。
検察の思いひとつで、政治が左右されるなんていうことがあってはならないことだ。
国家支配者のような、思い上がりはないか。
小沢一郎という一個人を徹底的に追い詰めて、さて検察はどうしようというのか。
検察は、国民の味方なのだろうか。
そして、公開も公表もされていない疑惑ばかりを、推測や憶測で大々的に取り上げているマスコミは、誰の味方なのだろうか。

いま、日本の政治は異常事態といえる。
・・・どういう展開になるのか、先が読めない。
小沢氏は、ここへきて国民の意向を考えたのか、参考人として検察の事情聴取に応じる構えを見せている。
初めから言われているように、彼の説明責任こそ望ましい。
何を、もたもたしているのか。
政権交代になっても、政治とカネをめぐる不信が続き、国民は戸惑っているというのに・・・。

攻めの自民党は、またこういうときに足元がぐらぐらしていて頼りない。
小沢事件を批判する自民党は、与党を批判できるのか。
口先では偉そうなことを言っている大島幹事長は、かつて選挙資金を収支報告書に記載していなかったかどで、就任半年で農相辞任に追い込まれたのではなかったか。
小沢氏の不透明なカネの流れを力説する、菅元国務相は自分自身不透明な事務所費問題で追及されたのではなかったか。
収支報告書の記載漏れなどという形式的なミスは、訂正すればそれで済んできたのだ。

政治家たちは、ことほど左様に自分たちの前科を棚にあげ、小沢事件をここぞとばかりに総攻撃だ。
まるで、民主政権の敵失に歓喜するがごとく、小沢事件について、鬼の首でも取ったかのようなはしゃぎようだ。
言ってやればいい。
 「あなた方にだけは言われたくない」と・・・。

民主党小沢幹事長と検察との対立は、政治闘争のような意味合いすら帯びている。
小沢氏は、自ら挙証責任を負うことが出来るのだろうか。
いや、あそこまで啖呵をきったのだ。ちゃんとするべきだ。
小沢氏は、逃げていないで、自ら進んで国会や公開の場に出て、あらゆる質問や疑惑に自らの言葉で解るように答えることだ。
そうしたことさえも怠るというのであれば、民主党政権の政治能力までもがも疑われる。

国民の総選挙で、ようやく政権交代を実現させたのだ。
平成維新・・・、誕生してまだ4ヶ月だが、これを国民の期待に反して烏有に帰してはならない。
しっかりしてくれと言いたい。
政治資金規正法も結構だが、国民が真先に望んでいることはそんなことではない。
景気対策、雇用対策と、人々の暮らしに直結した、喫緊の重要な施策こそ急がれるべきなのに・・・。

いまどき、謙虚な女優魂―尾野真千子の場合―

2010-01-16 20:00:01 | 雑感

原石は、磨かれてこそ輝く。
玉磨かざれば、光なし・・・。
1月10日のこのブログで、映画「真幸くあらば」の感想文を綴った。
映画の主演は、尾野真千子という女優さんだった。

その彼女について・・・。
先頃の朝日新聞(1月15日)の夕刊で、かなり大きくスペースを取った彼女の記事に接して、ほほう、なるほどなあと思った次第だ。
記者は、私と同じような思いで記事を書いたのではないかと、少し嬉しくなった。
観た作品のヒロインについて、着目した点がよく似ていたからだ。
私は、期待を込めて触れたつもりだったが、その人が新聞やテレビで話題に上るということは実にほほえましいし、好感をもった。
記者さんと着目するところが、あまり違っていなかったということもある・・・。
人は、観るところは観ているということか。

1997年、河瀬直美監督は、「萌の朱雀」で尾野真千子を起用した。
このときは、まだ奈良の山奥の中学生だったそうだ。
学校の下駄箱の掃除をしているところを、監督にスカウトされたのだった。
新聞の記事によると、山奥だったから、映画の世界なんて全く想像もつかなかったそうだ。

田舎育ちの、ダサい女の子が変身してあまり綺麗になったとかで、家族や周囲は驚いたそうで、現代版シンデレラといったところだろうか。
当の彼女は、「監督に言われるままに動いただけ」と、本人はあくまでも謙虚だ。
そこが、またいいところだ。
十数年後には、再び河瀬監督と組んで「殯(もがり)の森」で、あのカンヌ映画祭のグランプリ受賞となった。

自分に振り当てられた役作りに頭を悩ませ、人の気持ちになって理解するのには人一倍苦労するそうだ。
それを、ただあるがままに振舞うということで、リアリティのある演技につながる。
複雑きわまる人間の存在に対する、謙虚さなのだろう。
人間誰でも、この謙虚さが大切だ。
だから、複雑な難しい役をもこなせるということかもしれない。
難役をこなしてこそ、初めて一人前の女優なのだ。

「真幸くあらば」では、自分の婚約者を殺した死刑囚を愛してしまう難しい役どころだ。
これが、あるがままに自然なのだ。
自分では役作りは苦手だといいながら、なかなかのものである。

演技なんて、そうそう計算ずくで出来るものではない。
様々な気持ちや感情を総動員して、自分の中でそれらが交錯し、融合しあったときに自然と生まれてくるものだという。
人間の気持ちは、自分でも解らないものだから、それを表現することの困難さはおして知るべしだ。

これからも、難役に挑戦し続ける尾野真千子の成長が、ますます楽しみな女優だ。
主演作が、川口浩史監督「トロッコ」、一尾直樹監督「心中天使」と続き、3月には芸術祭大賞の主演ドラマ「火の魚」(NHK)が放送予定だ。


神経戦いつまで―政治とカネと説明責任―

2010-01-14 16:30:00 | 雑感

厳寒のさなか、北風吹きすさぶ冬の夕暮れのことである。
国会開会を間近にひかえて、民主党小沢幹事長の関係先に、一斉に東京地検の家宅捜索が入った。
小沢氏が、地検の事情聴取の要請を拒否したからだ。

4億円という、土地購入資金の原資をめぐって、政治資金規正法の疑いありということだ。
この問題、いろいろと解りにくい。
もしかして、意図的に解り難くしているのかも・・・?

小沢幹事長が、地検の捜査に協力的でないからか。
何か、証拠隠滅のおそれでもあるというのか。
どうも、一昔前の自民党みたいなことになっている。

小沢氏は、十分に説明責任を果たしていない。
何故、説明できないのか。
もはや、知らぬ存ぜぬでは通らぬところへ来ている。
余程、後ろめたいことがあるのか。都合の悪いことでもあるのか。
それとも、検察に対する、彼一流のひとつの‘戦略’なのか。

政権与党の幹事長としては、もっと堂々と誰にも解るように、何故意をつくして説明できないのか。
田中内閣以来の、長年の検察への遺恨か。
一方の、対する検察はどうだ。
あくまでも、自分たちの威信を世に知らしめたいのか。
犯罪として立件できるだけの、十分な証拠でもにぎっているのか。

こんなことで、18日から開かれる国会はどうなるのだろう。
検察には、何か筋立てでもあるというのか。
国民は、捜査の行方を、じいっと見守るしかないのか。
検察の狂奔にも、呆れるほどの驚きを禁じえない。

小沢氏に近い人の話によれば、小沢幹事長の自宅には、いつも10億円位の現金が用意されているそうだ。
4億のカネなんて、どうということのない、そんな金銭感覚か。
問題は、それが裏献金ではないかということらしい。
単なる不記載だというなら、謝って訂正すればそれで済むことだ。
人間、誰だって間違いや計算ミスぐらいある。
ことさらに、大問題化することはない。
あまりにも騒ぎすぎる。

疑惑の全容に迫ろうとする検察は、何を狙い打ちしようとしているのか。
いまさらここに至っては、振り上げたこぶしをおろすこともできまい。
もともと、マスコミは民主党政権に好意的ではない。
彼らが、小沢疑惑を連日のように報道することの、何という馬鹿馬鹿しさよ!
ここで大事なことは、肝心の検察側が、小沢疑惑について、何ひとつ公式には発表していないということだ。
それなのに、新聞やテレビのニュースはもちろん、ワイドショーまでが面白おかしく、小沢幹事長を悪者扱いのように喧伝している。

少々、様子が変だとは気づきませんか。
一体何なのだ、これは・・・。
小沢氏が、頭に来るのも分かる気がする。
こちらも、またかと苦虫潰した顔つきになるというものだ。

小沢氏は、明確な説明をすればいいだけのことだ。
騒ぎを大きくする、検察も検察だし、小沢氏も小沢氏だ。
今のところ、会見などでは当たり障りのないことを述べているが、民主党や鳩山総理にしても、内心はやりきれぬ思いではないだろうか。
こんな状態が、いつまでもぐちゃぐちゃ続いていたら、国会はどうなるか。
それこそ、野党自民党の思うツボだ。
いまから思いやられる。

検察が、疑惑追及にやっきになるのは分かるとしても、さてこの先何が出てくるというのか。
通常国会で、野党からの揺さぶりを受ければ、肝心かなめの予算や政策論争はそっちのけにされる。
地検特捜部の不退転の決意の表れだろうが、国民はたまったものではない。
こんな神経戦は、早く終わりにしてほしいものだ。
おお、寒い。
はぁ~クション・・・!


JAL法的整理―驕れるものは久しからず―

2010-01-12 10:30:00 | 雑感

JALが、乱気流の中で、大揺れである。
どうするのか。
そして、どうなるのか
JALの再建策は、裁判所が選んだ管財人のもとで、再建が進められることとなった。
大揺れのさなか、会社更生法による、法的整理が決まった。
これは、債権者の制約がもっとも強い<倒産>手続きだ。
西松社長は、法的整理に強く反対していたが、自力で再生できるとでも思っていたのか。
いまの流れを知らないのか、ノーテンキとはこのような人のことをいうのかも知れない。
そういう人が、巨大企業の経営者だったのだ・・・。

こうしている間にも、刻々とJALの経常赤字は膨らんでいる。
航空ビジネスは、日銭商売だ。
客が乗らなければ、赤字だ。
国際線では、1ヶ月で100億円超の赤字が続き、昨年は半年で経常赤字が1290億円にまで拡大した。
もうとっくに、尻に火がついているのだ。

法的整理となれば、銀行も一般債権者も、基本的には債権を放棄しなければならない。
誰もが食いっぱぐれても、文句は言えないのだ。
企業再生機構とやらが、公的資金を注入する代わり、JALは今後3年間で、グループ社員の3割に当たる、1万5600人の人員削減を求められる。
大規模なリストラが行われるのだ。
これこそ阿鼻叫喚の人員整理だ!

民事再生とは違って、経営陣もすべて入れ替えだ。
豪邸に住んで、3000万の年収の機長がわんさかといるそうで、これなど論外の話か。
高給、贅沢、やりたい放題をやってきたJALのつけがいまの有様とは・・・。
それでも、今日も明日も、飛行機は飛び続けるか・・・!
公的資金の注入というが、すべて国民の税金なのだ。

現役社員は年金5割カットを泣く泣くのみ、、OBは3割カットさえ渋っていたが、待ったなしの期限ぎりぎりで、かろうじて3分の2以上の同意を得ることが出来た。
現役社員の説得も大きかったようだ。
このままOBが年金減額を認めなかったら、機構は企業年金基金を解散させる方針だった。
そうなると、積立金をOBと現役とで分配することになって、積み立て不足のために、OBは3割のカットよりも取り分はさらに減ることになるから、早く、腹を決めたほうがいいといわれていた。
日航を退職してもなお、ゆとりある月50万の年金生活への未練はあったにしても、この最終決断は正解だ。

JALは、日航株の上場維持を断念せざるをえない。
上場廃止ということだ。
市場での株式の売買が廃止になれば、市場取引はできなくなる。
株価はどんどん下がっていき、ただの紙切れになる・・・!?
すべては、自業自得である。

JALの経営不振は、何もいま始まったことではない。
15年も前に、3年連続の赤字無配が余儀なくされていた。
その時点で、このままではJALは生き残れないと叫び続けてきた、真摯なOBもいたのだ。
そうした、良識派の発言はことごとく無視されてきたといってもいい。
確たる信念を持った経営者不在で、やるべき社内改革から逃げてきた、長年の「負」の積み重ねが、いまのJALの姿だ。
本来、もっと早く大手術をしなければいけなかったのに、それをしなかった。

社長に対して、提言や諫言をしようものなら、嫌なら会社を辞めろと言われるのがおちであった。
親方日の丸で、絶対に潰れっこないという愚かな神話を、JALの上層部も社員も頭から信じていたのだ。
JALには、確かな経営哲学がなかったということだ。
最後には、政府が面倒を見てくれるとさえ豪語していたのだ。
とんでもない話だ。

JALのことを思いながらも、失望ばかりが先にたち、嫌気がさして辞めていく管理職も多かった。
JAL初の生え抜きの高木社長は、自分に擦り寄ってくる人間ばかりを重用していた。
側近偏重で派閥抗争を呼び、もともとなってはいけない人が社長になったりしたものだから、人事までも難しくしてしまったのではないか。

JALの代理店政策は、100億円の増収のために100億円の販売手数料を払っていたというから、ずいぶん馬鹿げたことをしていたものだ。
無茶苦茶な話だ。
それと、役所へのご機嫌伺いで、困ったときの神頼みだけは忘れなかった。
福島空港を造ったとき、需要予測の話が出て、担当者は年間20万人しかいないと答えたそうだ。
このとき、人数を80万人にしてもって来いと、上層部から激怒されたという。
すべてが万事で、いま全国に90を超える空港があって、そのうち60は不要な空港だとされる。
関連会社に1社1人から2人が天下って、60の空港で関連企業も含めると、何千人もの天下りを作ったと言われているのだ。

極端な言い方だが、安全で安くて便利なサービスを期待できれば、必ずしも日本航空でなくてもいいのだ。
社会や経済の情勢に応じて、会社経営というのは、適切かつ迅速な改善がなされてしかるべきなのに、残念ながらJALには、身を挺してまで改革を進めようとする気概ある経営者がいなかったのだ。

かくなるからには、経営者や乗員に、これまでいかに甘い汁を吸ってきたかを思い知らせる以外に、JALの再生など考えられない。
JALを見つめる人々は、そう思っている。
許すまじきは、お客に対して「乗せてやってるんだ」という意識である。
法的整理に入って、それでも延命という形で企業の<体質>をそのまま残すようでは、真の再生とはいえない。
不沈艦的で傲慢な発想と、ぶくぶくと肥大化した無責任体質から脱却しない限り、JALの生き残る道はない。
それこそ、一から出直す覚悟が必要だ。
JALは、存亡の危機に陥っている。
しかしいま、ここにいたって新しい局面を迎えた。
甘ったれている場合ではない。


新しい年の初めに―頑張れ、日本!―

2010-01-03 09:15:00 | 雑感

新年おめでとうございます。
今年もよろしくお願い申し上げます。

今年はどんな年になるだろうか。
民主党政権、本格突入だ。
通常国会は、早くも今月18日から開かれる。
当然、政局は年明けから波乱含みである。
政治の世界は、一寸先は闇だから、何が起きるかわからない。

予算案は、年度内に成立するのだろうか。
景気対策の二次補正予算とやらをまず通して、本予算の審議は2月上旬からだろうか。
民主党の小沢幹事長秘書の判決、鳩山偽装献金問題も追求される。

7月参院選では、単独過半数を取れなかったら、鳩山総理は、首相失格の烙印を押される。
もともと、リリーフで民主代表となった鳩山総理の任期は今年の9月までだ。
普通に考えれば、そのあとは無投票で再選の構図だ。
でも、小沢幹事長や小沢チルドレンが代表選を要求すれば、波乱を呼ぶ。
何たって、数を押さえている小沢幹事長の意向で、総理の座も危うい。

それに、沖縄普天間の問題が大きく立ちはだかっている。
県外、国外の移設に、鳩山総理はこだわっているが、候補地が見つからなかったら、追い詰められるばかりだ。
基地問題を先送りしてきた、鳩山政権の責任問題だって生じる。
一体何をやっているんだとばかりに、世論の怒りは頂点に達する。
そうなったら、即辞任しかない。

鳩山総理がまさかの退陣となったら、次の首相は誰がなるのか。
選挙に勝てる、首相でなければならない。
数名の閣僚や、小沢幹事長の名も候補に挙がっている。
代表選となったら、小沢幹事長の圧勝か。
しかし解散、総選挙をやらないで、首相の首をすげ替えれば、政権たらい回しで、政権交代前の内閣と同じだ。
民主党は、しっかりと解散、総選挙で、国民の信を問うべきだ。
え~っと、自民党っていう党は、まだあるんでしたっけ?
あっ、あるんです。そうだ、まだあるんですよね。まだ・・・。
ごめんなさい。妙なこと言っしまって・・・。

ただし、いまの自民党は脳死状態も同然だ。
自民党は、いまなお与党ボケだし、さすがに役人や大企業も離れはじめている。
大いなる危機感があることは、言うまでもない。

通常国会が召集されると、与野党激突の構図だ。
野党は、鳩山総理の偽装献金問題を徹底的に追及する構えだ。
さらに、普天間問題では、首相のブレを徹底的に攻めてくるだろう。
その間にも、連立野党の内輪もめ必死で、相当ギクシャクしてくる。
政局は、参院選に向かって、ますます混迷の度を深めていく。

多くの政界関係者は、夏の参院選で、民主党の単独過半数の確保を予想している。
そう簡単にいくだろうか。
いまの自民党のテイタラクを見ていると、民主圧勝、自民大敗を予想するのが自然だ。
07年の参院選で圧勝したくらいの雪崩現象が必要だが、そんな現象が果たして起きるだろうか。
それは、政権交代を実現させたいという思いが、世論に強くあったからで、あのときの勝利などは勝たせすぎたとの反動もある。
そう見ると、自民党が勝利する要素は皆無だが、民主党の単独過半数というのも難しいのではないか。

絶望的と言っていいのは、万年野党化しつつある(?)自民党と公明党だ。
自民、公明の支持者には申しわけないが、自民党はもはや消滅への道をたどるしかないのではなかろうか。

民主党政権支持率が、急落している。
鳩山総理のリーダーシップのなさ、政策に期待が持てないなど、国民の間に不安が高まりつつある。
有言実行を、強く望みたい。
ただ、政権交代で政治の風景は変わった。
しかし変わったといっても、根っこから変わったわけではない。
ここが問題だ。
完璧なる「チェンジ」は、そう簡単にはいかない。
「コンクリートから人へ」というが、これは総論であって、多くの国民は賛成なのに、各論となると反対なのだからややこしい。
地方分権で主権確立などと騒いでも、結局は国からの交付金に群がろうとするのが、地方自治の姿だ。

驚くべきは、マスコミが変わっていないことだ。
政権交代という新しい時代が来ても、新しい報道のありかたが確立されていない。
55年体制のままの感覚で、いまの政治状況を語るのは、どう考えてもおかしい。
それなのに、新聞もテレビも、そこから脱け出せないでいる。
やっていることは、自民党政権下での報道のままだからだ。
長年の‘洗脳’とは、かくも怖ろしいものなのだ。

米軍基地の問題で、辺野古以外をと言えば、「日米同盟の危機」と叫び、国民があんなに快哉を叫んだはずの事業仕分けは、「たった1時間の議論で何がわかるか」と難くせをつける。
この際、思い切った国債の発行こそ急務だと言えば、「国が破綻する」と喚きちらし、事務次官の記者会見中止にいたっては、「取材の自由が失われる」と拒絶反応を示す有様だ。

すべてが、自民党時代の癒着横行のまま、醜悪な現実だ。
要するに、何か新しいことをやろうとすれば、マスコミがケチをつける。
国民が希望、期待する「変化」を潰しているようなものだ。
こうなってくると、読者、視聴者、つまり国民が賢くなるしか、明るい未来なんてないということだ。

今年、国民の暮らしはどうなるか。
本当によくなるのだろうか。
政権交代から4ヶ月たらずである。
民主政権の本格突入は、まだほんの序章にすぎない。