今度は、受け取るのか、受け取らないのかの論戦だ。
所得制限をめぐって迷走した、「定額給付金」・・・。
政府、与党の見解はバラバラだ。
国民に一人当たり1万2000円、高齢者の加算も含めて、総額2兆円だ。
家計支援だ、消費刺激だと騒がれている。
閣僚の過半数は、喜んで受け取るらしい。
態度を明言しない人もいる。
麻生総理は、その時になって考えるのだそうだ。
自分の意志もはっきり示せないで、国民に「給付金」の説明が出来るわけがない。
政府の、統一見解のようなものはない。
個人の判断に委ねる考えだ。
バラバラ容認である。
「定額給付金」を盛り込んだ、第二次補正予算と関連法案は、13日に衆議院を通過する予定だ。
しかし、「定額給付金」の主旨を論ずるどころか、もらう、もらわないの、子供だましのような食い違うチグハグな結果で、こんなことに連日国会が時間を浪費していていいのだろうか。
矜持(?)のある方々は、低レベルのさもしい(?)議論はなさらぬ方がよろしいのではないか。
思いつきから始まった、「定額給付金」だが、こんなことで新年早々から国会が迷走している。
まことに情けない限りだ。
いつ支払われるのかも、関連法案もまだ決まっていない。
国会というところは、何をしているのだ。
さらに、この2兆円の「定額給付金」が支給されるとなると、事務経費にそれこそ巨額のカネがかかることになる。
業務に忙殺される自治体だって、大混乱におちいるのは必至だ。
支給のために、いくら位かかるのか。
必要な経費は、人件費、発送費、事務経費を含めて、総額825億円に上ると言われる。
民生委員の協力手当てと称して、19億円とかよく分からない手当てまで含まれているのだ。
これは、あくまでも民主党の質問主意書に対する、政府答弁だ。
ところが、実際には、支給総額の1割程度2000億円の経費がかかるだろうと見られている。
・・・ということは、支給額と支給のための経費全部合わせて、2兆2000億円だ。
これだけの経費を、予算がどんどん削られている、病院や学校、社会福祉に十分生かすことも出来るのに・・・!
嗚呼!
窓口業務を考えてみる。
世帯主1人に対応する時間を1分として、1時間に60人に対応するのが精いっぱいだ。
職員10人で対応して処理できるのは600人、8時間ブッ通しで対処したとしても、1日4800人だから、東京23区のように、20万から30万世帯に対応するのは大変なことだ。
区役所に、何万人もの人たちが殺到することになる。
給付の時期は、年度末か新年度だ。
臨時や非常勤の職員の人件費もかかってくる。
都道府県で2万4000時間分、市町村で1180万時間分の賃金が必要となりそうなのだ。
計算していないが、天文学的な(?)数字になるだろう。(!)
いやはや、もう何をか言わんやだ。
これが、自民党の言う「最もふさわしい、迅速かつ公平な措置」なのだそうである。
しかも、政府期待の個人消費に回るのは、たったの3割足らずだから、GDP効果など知れたものなのだ。
「定額給付金」は、莫大なカネと時間を浪費する、とんでもない(!)制度だ。
嗚呼!
「定額給付金」が実施されたら、世紀最大の愚策、それもその場限りの究極の大愚策として、麻生太郎という希代の宰相の名とともに、いつまでも日本の政治史上に、記念すべき(?!)大きな汚点として残ることになるだろう。
どうも、そんな気がしてならない。
冗談ではない。いや、本当に。
今だから、言いたい。
過ちを改むるに憚ること勿れ、である・・・。
「派遣切り」で失職した、非正規労働者や労組のメンバーが、日本経団連など経済三団体主催の新年祝賀会の会場に現れ、御手洗会長に公開質問状を提出しようとして断られた。
「アポなし」との突然の訪問とあって、主催者の拒否は当然のことかも知れない。
今回の一連の「派遣切り」について、
「経営トップからの謝罪」
「解雇や寮追い出しの中止」
「企業の内部留保金の使用」などを求めた、質問状を用意していたのだった。
参加者たちは、門前払いにあって、
「酒を飲んでいる場合か。紙切れ一枚受け取れないのか」と、不満を露わにしていた・・・。
企業が困ったときの、非正規社員切りである。
寒空の下、日比谷公園のテントで年を越した人たち・・・。
その一方で、億単位の法外な報酬を手にしている経営者らは、自らの責任をとることなく、ひたすら企業防衛のみに汲々としている。
弱者の首切り(解雇)は、罪にならないのか。
想像以上の急激な景気の悪化で、トヨタの神話は崩壊したのか。
自動車生産台数世界一に目がくらんで、舞い上がってしまったトヨタは、謙虚さをも失い、ついに傲慢不遜な驕りの猛者の正体を現した。
その口火は、他のメーカー各社にも、またたく間に波及した。
期間従業員、派遣社員の使い捨てで、全国規模の企業不安を引き起こした。
このトヨタの責任は、とてつもなく重いはずだ。
1999年10月、雑誌文芸春秋に、「経営者よ、クビ切りするなら切腹せよ」と題する記事が掲載されたことがあった。
記事中の発言の主は、当時のトヨタ自動車と日本経団連の会長を務めていた奥田碩氏だ。
早いもので、あれからもう10年がたった。
日本を代表する、大手企業16社(キャノン、シャープ、ソニー、東芝、パナソニック、日立、富士通、リコー、NEC、いすゞ自動車、すずき、デンソー、トヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ)の、去年9月末現在の内部留保額は、02年3月期から倍増して、空前の約33兆6000円にも達しているそうだ。
そして、16社の人員削減数は、4万に上り、リストラは今後さらに加速していくだろう。
日比谷公園の派遣村で、ボランティア活動に従事した人は、1700人に及ぶ。
民間人の努力で、生活保護の斡旋、立会いまで行い、資金カンパを受け、移転先に至るまで、細やかな対応で感謝されている。
人の、善意の温かさを感じさせる活動だった。
本当にご苦労様と言いたい。
これに呼応するように、市や町は迅速な対応を見せた。
東京都の千代田区役所では、病気の生活保護申請者については、直ちに認可した。
一般人が、ここまで果敢に動き、そのことが市や町を動かした。
しかし、待ったなしのリストラを敢行した、大企業の経営トップは何をしたか。
今回の派遣村の実体を見て、何を感じたか。
彼らは、企業として何をしたか。
どっちを向いても、家臣の首を切っても、自分の腹を切る経営者はいない。
余談になりますが・・・。
NHK大河ドラマ「天地人」が、スタート早々から好評らしい。
妻夫木聡演じる主人公の直江兼続は、上杉家筆頭家老として、上杉景勝を支えた人物だ。
関が原合戦後に、上杉家は、徳川家康によって会津120万石から米沢30万石に減封された。
このとき兼続は、家臣たち6000人を召し放ちにしないよう、景勝に進言し、景勝は自ら蓄えていた金を家臣に配り、石高こそ4分の1になったが、家臣の俸禄は3分の1を守ったと言われる。
要するに、この時に及んで、一人のリストラもしなかったのだ。
兼続という人物は、クビ切りをした結果、残った家臣の士気が低下するのを恐れたのだ。
実際に家臣たちは、一致団結して、上から下まで新領地の開拓に乗り出した。
その結果、30万石を60万石まで高めたというではないか。
ここに、人間の見事な忠誠心を見ることが出来る。
忠誠心がなくなれば、企業内の士気は落ちるばかりだ。
直江兼続の、‘義’と‘愛’に学ぶところはないだろうか。
企業が困ると、まず人を切ってしまい、株主の顔色ばかりをうかがうようになる。
リストラに耐えた会社は、評価が高まる。
いつの時代も、人を大切にしない企業は滅んでいく・・・。
この世のならいである。
33兆円の内部留保があっても、正社員の首まで大胆に切ってしまう。
雇用より、株主優先がまかり通る。
「派遣法」には、もともと問題があった。
厚労省の広島労働局長は、労働者派遣法について、「派遣法は間違いだった」と謝罪しているのだ。
行政実行のトップが、現行制度の誤りを認めたのだ。
このような発言は、異例中の異例だそうだ。
いま、日本中を蔽っている暗雲のもとで、リストラの大嵐が吹き荒れている。
企業の責任は問われないのか。
非正規のみならず、正規社員の大量解雇が現実となってきたいま、その罪と罰は何処に・・・?
経団連は、雇用の安定を最優先目標に掲げていながら、これを努力目標へと格下げした。
その結果、今多くの労働者が苦しんでいるのだ。
苦界からの脱出は容易なことではない。
A級戦犯は、誰なのだ?
あの狂ったような小泉劇場から久しく、いま、麻生マンガ劇場が連日大賑わい(?!)とは、困った驚きだ。
もう、どうにも止まらない。山本リンダの元気な歌声が聞こえてくるような・・・。
失策、失言、妄言・・・、毎日がバカ騒ぎの日々だ。
軽佻浮薄というが、麻生総理の迷走、暴走が止まらない。
「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」といきまき、怪我を「かいが」と読んで失笑を買い、党内からも、連日の総理の醜態に苦言が続出している。
日本の社会保障制度を、否定するかのごとき言葉まで飛び出した。
支え合う仕組みがあって、それがあるから安心できるという共生の理念が分かっているのか、いないのか。
国のトップの言葉と言えるか。
自分が損をしていると言うが、目の前のことしか視野に入っていないのか。
漢字が読めないどころではない。
まるで、低俗な麻生マンガ劇場だ。
テレビまでが、特設コーナーを設けたりしている。
一体どうなっているのだろう。
麻生総理のKYは、いまや、空気が読めない、漢字が読めない、解散をやれないの、三つの方程式だそうである。
そういう人が、日本のトップなのだ。
官邸では、官房副長官や首相秘書官までもが、漢字の読めない総理のために、その都度間違いを指摘して、大きくマスコミに報道されないようにすることを決めたそうだ。
それで、国内でも、彼らは麻生総理の“お直し係り”として、つきっきりで“お世話”をしているというではないか。
どうも肝心の経済政策は中ぶらりんだし、解散はどんどん先送りで、遠のいた。
中学生レベルの漢字は読めない。
スピードを売り物にしていた総理が、人の書いた原稿に振り仮名を振ってもらって読み始めた。
そして、ただひたすらに解散を回避し、政権の延命だけに執心している。
政局の混迷は当分続くだろう。
もう、どうにも止まらない。うんざりだ。
世論調査で、国民の60%が経済政策より解散優先だと答えている。
それも、無視か。
このノーリターン政権のおかげで、世相の荒廃はどんどん進む。
失業率と犯罪発生率の増減は一致するのだそうだ。
日本では、さらに自殺率も高まる。
ワーキングプアは、1700万人にも達していると言われる。
明日を見失った若者の不満や不安が、社会への復讐に走る。
犯罪や自殺が急増する事態は、そのこととあながち無縁ではない。
混迷と狂気が怖ろしい。
この国の、この荒廃は何が原因か。
天下の宰相が、その場その場で、へらへら軽口を叩く。
チンピラみたいだと言われる。
悲しきは、伴食宰相の軽佻浮薄、ここに極まれり、である。
誤読、失言を指摘されて、ぶっきらぼうな言葉で謝罪と撤回を繰り返している。
口は災いのもとだ。
マンガ読み総理のマンガ劇場は、一日も早く終わらせて頂きたい。
口から出た言葉は、もう取り返しがきかないことを銘記すべきだ。
せめて、常識ある指導者はいないのか。
綸言、汗の如し。
・・・え~っ、それ、何のこと・・・?
(・・・嗚呼!)
景気対策の一環として、二転三転、いや四転五転も迷走を続けた定額給付金・・・。
打ち上げ花火は、具体策がまとまらないまま見切り発車だ。
支給条件だけをとっても、与党内ですら異論続出で、大臣によってまちまちといった有様だ。
国会の審議もしないで、「オレももらえるんだよな」と、当初、麻生総理自身そう言って、たいそうご機嫌だった。
しかし、世論調査では、給付金など不要だと答えた人が60%を超えた。
国民の大半は、バラ撒き給付金はムダだと考えている。
それに閣僚たちの、勝手な発言ばかり目立って、もうシッチャカメッチャカだ。
二兆円のバラ撒きを、天下の愚策、いや世紀の愚策だと断じた知事さんもいる。
給付賛成派は、頂けるものは頂きたいという気持ちはあっても、これで麻生内閣の人気が上がるというものではない。
しかも、財政の裏づけや細部の詰めを怠ったから、混乱を招いた。
バラ撒きで、選挙の票を一票でもという策はみえみえで、そんなことで効を奏するというのだろうか。
言い出し放しで、あとは市町村任せの丸投げだ。
この大ざっぱさ、このい加減さ・・・!
与党の姑息な魂胆、ここに見えたりだ。
票をカネで買おうというバラ撒きなら、これはもう買収ではないか。
・・・となると、犯罪性も問題になってくる。
そうですよ。見方を変えれば、一歩間違えば国家犯罪(?)の可能性だって・・・。
まあ、これは少し言いすぎかもれないが・・・。
定額給付金は、どう考えても目的も効果もあいまいで、ほころびばかりが目立つ。
ターゲットもはっきりしない。
経済効果なんて、大いに疑問だ。
麻生政権は、経済効果より“選挙効果”にねらいをつけているいるようだし、カネさえバラ撒けばオレたちの天下だと思っているのかも知れない。
これが、日本の「政治」なのだ。
でも、すったもんだの末に、一応決まったかに見えるこの定額給付金、さて期待できるのだろうか。
国民の信も得ない麻生内閣は、この政策を目玉とした第二次補正予算なるものを、今国会に提出せず、来年の通常国会に先送りすることにした。
政局(解散)よりも、「景気対策」と言っていた筈なのに・・・。
これでは、な~んだということになる。
定額給付金を実現させるには、埋蔵金を、国の借金返済とかではなく、景気対策に回すようにするための法改正が必要なのだから、野党が反対すれば、年度内の給付の公約が守れないことだってありうる。
麻生政権が、どこまで持つか。
マスコミの調査で、内閣支持率が30%を切って、急落した。
こんな危険水域で、惜しげもなく(!)醜悪な姿をさらして、国民不在の政権がまだ続いている。
何もかも波乱含みの展開の中で、解散に追い込まれたときは、衆議院差し戻しでの法案成立も危うくなる。
そのときは、定額給付金は、実現不可能な幻に終わるかも知れない(?!)
それに、埋蔵金って、どこまで頼みに出来るのだろうか。
頼みにしたツケは、あるいは増税というかたちで、後から国民に跳ね返ってくるようなことはないだろうか。
何やら怪しげな、“選挙買収資金”など、あまり当てにしない方がいいかも・・・。
先行きは、あくまでもまだ不透明だ。
早いもので、今年もだんだん押しつまってきた。
北国から、雪の便りが届いている。
落ち葉の季節が終わりに近づき、肌を刺す風も冷たい。
そればかりではない。
いま日本列島が、がたがたと震えている・・・。
そんなことはないだろう。
逸脱した、合否判定の基準が問題だ。
金髪やスカート丈など、見た目で受験生を不合格にしていた。
入試の選考基準にも定めていなかった。
高校の、内部告発で分かった。
いい学校にしたかった。
真面目な生徒を採用したかった。
それが理由だ。
分からないではない。
それにしても、学力試験では合格圏内だった22人の受験生が、不合格になった。
教育委員会の選考基準は、調査書と面接、学力検査だということで、身なりや態度は基準には含まれていない。
それなのに、この学校では、受験生の態度は勿論、服装など少しでもだらしなかったり、化粧していたり、胸ボタンがはずれている、ズボンを引きずっている、爪が長いなどの理由で、合否を判定していたようだ。
とんでもない話です。
校長は、不適正とは認識しながら、合否判定を行っていた。
生徒指導の先生への負担軽減が目的で、学力よりも、真面目な生徒を採っていきたいとの思いが強かったそうだ。
このことについて、教員の間でも異論は出なかったらしい。
この学校は、偏差値が30台後半で、中退する生徒が年間100人を超える、いわゆる“課題校”だそうで・・・。
まあ、不良マンガさながらに、教員は生徒による校内暴力や不登校、バイクの暴走行為に悩まされてきていた。
だから、性格や品性を外見に頼ったのか。
生徒には、命の大切さも教えている。
かつては、定員割れの不人気校だったそうだが、近隣校との編統合が決まった04年以降、受験志願者が増え、何と今年は3.5倍の高倍率だった。
学校が、生徒を選べるようになって、驕りのようなものが出たのかも知れない。
だからといって、勝手に、事前の相談もなく、こうしたことが行われていい筈はない。
タレント・山瀬まみが、かって在籍していた高校だそうだ。
当然のことながら、このことで、校長は更迭された。
今春不合格になった10人を含む、合計22人については、入学希望者がいれば、受け入れる方針だ。
これも当然の話だ。
ルールも明示しないで、外見だけで選ぶのはおかしい。
茶髪や、身なりのだらしない高校生をよく見かけるが、とくに問題児とも思えない。
身なりがしっかりした子でも、問題を抱えた子はいる。
様々な問題を抱えた生徒を受け入れることに、学校教育の課題があるのではないだろうか。
ただし、人は誰でも、見た目は身なりがよくないよりはよい方がいいのでは?
これ、一般論ですが・・・。
どうやら、本当らしい。
国会でも、「新聞は努めて読まないようにしている」と、大威張りで答弁した。
一国のトップが、恥も外聞もなく(?)言い切ったのだ。
実際、麻生総理は、ほとんど新聞を読んでいないと言われる。
それでも、マンガとなると、週に10冊以上も軽く読んでいるいるそうだ。
そんなことで、社会や経済の動きがよく理解できるのだろうか。
新聞は、情報の宝庫だ。
その行間からは、世間の動き、空気、におい、ため息を嗅ぎ取ることが出来る。
新聞を読まないで、国民の暮らしや、世情をどうして解るのだろうか。
庶民派をアピールするために、商店街のスーパーを視察するパフォーマンス・・・。
かたや、夜になれば、一流ホテルで、豪華ディナーにバーのはしごを満喫する。
選挙より景気対策が大事と、「冒頭解散」を豪語しながら、総理の座を離れる気配もない。
国民を無視して、一日でも長く権力の座にありたいという魂胆がみえみえだ。
国民の信を問わぬ内閣・・・、いつまで続くのか。
新聞を読まないのではでなくて、読めないのではないかという声がある。
そうかも知れない。(?!)
読むというのは、記事を読むこともそうだが、記事の行間、背景(裏)を読み解くことだ。
当然、読解力、理解力がなくては出来ない。
それでなくて、どうして庶民の生活が解るだろうか。
幼い子供に、新聞記事を読み聞かせ、やさしく解説しているという母親の記事を読んだ。
ああ、とても、いいことだと感じ入った。
子供は、「新聞を読まないし、読まないようにしている」という総理大臣の言葉を、どうとらえるだろうか。
そんなことを豪語していて、よほど己の美徳とでも思っているのだろうか。
庶民感覚とかけ離れていると言われて、セレブ飲食の総理は逆にブチ切れて、記者団の前でイライラを爆発させた。
あまりみっともいいものではない。
公明党の幹部議員でさえも、「はしゃぎすぎだ。あれでは、まるで悪がきが調子に乗っている」と非難した。
金持ちだから、つかの間庶民派を気取ったところで、そういう化けの皮はすぐにはがれる。
この景気の悪いときに、一国のトップの言動は、反感を買わない方がおかしいのだ。
吉田茂の孫で、麻生セメントの御曹司として生まれて来て、自分は一般庶民とは違うのだという帝王学を受けてきたこの方に、庶民を演じきることなど容易ではない。
庶民なんか、実は大嫌いなのではないか。
マンガ好きの、大衆的な男だからと、一体誰が持ち上げたのだろう。
本人が「安い」と豪語(?)する一流ホテルの会員制バーは、何と入会金52万5000円、年会費12万6000円、それにセクシー系美女が給仕をする・・・、のだそうだ。
会員制といっても、選ばれしごく一部のセレブだけで、誰でもというわけにはいかないようだ。
この「安い」は、とても庶民の感覚ではない。ケタが違うのだ。
庶民など、まず足を踏み入れことも出来ない。
高価な酒に加えて、サービス料もつくから、2、3人で連れ立って飲めば軽く10万円は下らないという。
「飲む」だけの会員になるのに、初年度で65万円はかかる。
庶民派バーとはえらい違いだ。
「お金はあるから、自分で払っている」と言うが、庶民派をアピールする説得力は全くない。
マンガ読みでは人後に落ちない総理大臣、庶民の「空気」はどこまで読み込むことが出来るというのか。
景気は、すぐにはよくはならないだろうし、まだまだ最悪にまで落ちて、未曾有の事態が到来するのではないか。
これからの、国民生活が心配だ。
世界的にも、大不況の様相を呈しているおり、解散風もそっちのけで、毎晩のように、夜の豪遊で高い酒をあおっている総理大臣の姿を、庶民はますます覚めた目で見ている・・・。
自民総裁選がにぎやかだ。
参戦に、立候補を表明した候補者は7人もいる。
乱戦状態ではないか。
20人の推薦人のメドさえたっていないのに、出馬宣言をした人もいる。
総裁に選ばれそうな人は、大体決まっているようなものだから、面白くも何ともない。
まあ、もっともらしく政策論争だとか、国民のためだとか言って、3人、4人ならいざ知らず、7人も立候補を表明するなんて、一体どうなっているんだろう。
当然、目前に迫った解散・総選挙のための売名行為でしかない。
何か、国民を愚弄してはいないか。
総選挙をド派手に演出して、国民の目をひきつけ、かくなるうえはそのままの勢いで解散・総選挙になだれこむしか残された道はないのかも知れない。
完全に末期的症状だ。
だから、五つもの政党を渡り歩いて、政治哲学もないと言われている女性候補がいたり、とにかく売名というか、ドタバタに乗じて右往左往している自民の姿を見ていると、もう嫌気がさしてくる。
毎日毎日、大新聞やテレビまでが見飽きた顔を並べて、ああでもない、こうでもないと、言いたいことを言って、まったくひどいものだ。
まるで、マスコミがこれでもかこれでもかと煽って、垂れ流ししているかのような印象で悪質だ。
マスコミが、はしゃぎたてればたてるほど、自民党の思う壺なのに・・・。
まことに情けない。
顔が売れていれば、いいというものではない。
この人ならばという、期待の持てる候補者がいるだろうか。
7人もの乱立というのは、これぞというエースがいないからだ。
いたずらに「露出効果」だけをねらった、醜い三文芝居か。
しかも、国民不在で・・・。
しかし、懸命な国民は、こんなどんちゃん騒ぎ、いい加減なパフォーマンスに惑わされることはない。
今度の自民党にとって、首相を選ぶ最後の総裁選になるかも知れない。
そのあとに行われる、総選挙の結果こそ注目である。
どのみち、総裁選など、党友はいざ知らず、一般庶民にとっては関係ない。
こんなものは、自民党内の三文芝居だ。
それも、かつて三角大福中という五人の首相とは資質とてこんなものではない。
いろいろあったが、何だかんだ言ったって、三十代の頃から首相を目指し、研鑽を積み、権力闘争を勝ち抜いてきたのだった。
二世三世のやわなお坊ちゃまとは、わけがちがうのだ。
一国の首相の重み、責任をよく理解していたはずだ。
戦争の苦労も知っていた。
荒廃した国家と国民のために、情熱を傾けて働いた。
その過程で、金を懐に入れる政治家もいたが、頭のレベルは今より数段高かった。
自民党の総裁選は、適任者のいない、今の自民党の断末魔だ。
ある政治評論家が、こんな風に揶揄している。
「オンナ子供まで総出演させて、いよいよお笑い劇場にするしかなくなった」
北朝鮮拉致問題の解決もままならない。
誰か、命がけで北朝鮮にのり込んでいくくらいの、勇気ある政治家はいないものだろうか。
事務所経費をちょろまかしたり、うす汚い献金(?)を受けたり、セコい金儲けしか考えない政治家は国民のため何もしない。
悲しいかな、いまや国民のために、一身を投げ出すような立派な政治家はいないということだ。
もはや、一日も早く、総選挙で民意を問い、新しい政治の出直しをすべき時だ。
マスコミ・ジャーナリズムは、政権を平気で投げ出すような自民党の責任を徹底的に追及し、与党をもっともっと叩くべきなのにそれをしない。
何故なのだ。何故しないのだ。
マスコミだって、どこかおかしい。
正しいものを見抜くことも、堂々と主張することも出来ないでいる。
これでは、世の中までが、狂ってくるというものだ。
マスコミの責任も大きいと言わねばならない。
夫は72歳、妻は68歳だ。
夫は、年金生活をしながら、警備員として働いていた。
給料は7万円で、そこから半分も税金を天引きされたと言って、怒っている。
「ふざけた話だよなあ。こんなに少ない給料から半分も持っていかれてるんだぜ」
「収入が多いわけでもないのに、税金てそんなに高いの?どうして?」
「どうしてなんだか・・・」
生活が立ちゆかなくなったので、夫はさらに別の会社でも雑役として働き始めた。
年金だけでは、暮らしてゆけない。
いまだに、住宅ローンを抱えていた。
それに、持病があって病院にも通っているし、いろいろとかかる。
最近になって、妻も2ヵ所をパートでかけもち、働き始めた。
「あたしたちみたいの、ワーキングプアっていうのね」
「そうだ」
夫婦は、顔を見合わせると悲しそうに笑った。
国民健康保険料は、月々18000円を支払っていた。
妻は吐き捨てるように言った。
「それがね、先月末に通知が来たのよ。区役所から」
「何て?」
「あなたの保険料は、この次から36000円になりますって」
「何だい、それ?」
「ほら、見て頂戴」
と言って、妻は区役所から届いた青い封筒を夫に見せた。
翌日、勝気な妻は区役所の窓口へ出かけていった。
どうしてこんなことになるのか、問い合わせた。
簡単な答えが返ってきた。
担当の職員は、まともに妻の方も見ずにぶっきらぼうに言った。
「あなたの収入が増えたからです」
「えっ!収入が増えたって、いくらでもないわ」
「ええ。たとえいくらでも、増えた分が新たに加算されるんです」
「何ですって?あたし、何も好き好んで働いてるんではないんです」
「・・・」
「この年で、まだ住宅ローンも残っているし、借金もあるんです」
「・・・はあ?」
「でも、わたしは幸い病院にはかかっていないわ。保険証をどこかに失くしてしまったくらいなのよ」
「・・・」
「それで、この前には、住民税だったかしらね、一期分、6万7500円を6月中に払えなんて、通知もきたわ」
「はい。そういうご通知を差し上げました」
と担当の職員は、涼しい顔をして平気で言うのだ。
「だって、あなた、年度全額で26万2500円もですよ!」
妻は声を荒げ、ワナワナしながら、職員にたてついた。
これには、一緒について来ていた夫もびっくりした。
「そうですね。5%から10%に税率が上がったから、そうなったんです」
「それじゃあ、あんまりにもべらぼうすぎやしませんか?」
「いいえ。ちゃんと計算して、皆さんに平等に納めて頂いてるんですよ」
「働かずに、病院通いをしろと言うんですか!」
思わず、大声になっていた。
「それは・・・、ご自由にどうぞ」
「・・・」
妻はあきれて物も言えず、夫の顔を見た。
帰り道で、妻は夫に言った。
「どうぞご自由にですって。何でしょう、あの言い草!・・・聞いてたでしょう?」
「ああ。いやな役所だな」
「まったくだわ。それにね、あなた、次から二人分の介護保険料がまた大幅に上がるのよ」
「何だって?!この間も上がったばかりじゃないか!」
「そうよ。もう滅茶苦茶よ」
「う~む」と、夫の顔が険しくなった。
「年寄りは、早く死ねと言ってるのね」
「そうだ、そうだな」
そう言って夫は空を見上げた。
冷たいものが、顔に落ちて来た。
大きな雨粒であった。
夫は、妻の方を向いて、苦虫をかみつぶしたような顔になって、ぽつりと言った。
「涙雨だ。天も泣いてるんだ・・・」
「いやな世の中ね。税金の無い国に逃げ出したいわね。無人島でもどこでも・・・」
「ああ。だけど、そんなに、どうせ俺たち生きていやしないよ」
「それもそうね。・・・となると、やっぱり我慢しかないのね、あと少し・・・」
夫は黙ってうなずき、妻はため息をついた。
夫は自分の痩せた手を、妻の痩せた肩にあてると、
「さあ、早く姥捨て山へ帰って、安い焼酎でもやろう」
聞こえてくるのは、降りしきる蝉時雨ばかりである。
中国北京では、この世の様々な火種をかかえたまま、祝宴の幕が開いた。
そのことに、水を差すつもりなど毛頭ない。
しかし・・・。
長い間、真相の究明があいまいなままになっていた、中国の冷凍餃子の中毒事件について、ここにきて、驚くような事実が明らかになった。
いったん回収した、冷凍餃子を食べた中国人が、6月中旬に中毒症状を訴えていたのだ。
中国はこのことを認め、その事実を、7月の洞爺湖サミット直前に日本政府に伝えていたのだった。
しかし、報道で明らかになるついこの間まで、国民には一切知らされてはいなかった。
政府は知っていたが、中国側から公表しないでくれと言われ、公表しなかったのだ。
中国は、北京五輪への悪影響を恐れ、餃子事件の事実の公表を遅らせようとしたのか。
だからそうしたのだと言っても、それを日本の中国への「外交配慮」などと讃えていいものかどうか。
日本の国民には、知らせる必要がなかったのか。
臭いものにふたをしたと受け取られても仕方がない。
公表しないでくれと言われて、はい分かりましたで済ませてしまっていいことだろうか。
国民の健康と安全よりも、外交を重視したということか。
それで、「国民の目線」で政治を行う内閣と言えるのだろうか。
中毒の原因をめぐって、今度こそ、有機リン系農薬成分メタミドホスが、中国国内で混入された疑いが濃厚となったわけだ。
言ってみれば、中国は加害者ではないか。
それが、はっきり分かった以上、「俺たちのしたことを、国民に言わないでくれ」と言うのは、如何なものだろうか。
日本の国民を、馬鹿にしてはいないだろうか。
言うべきは言い、主張すべきは主張し、拒否するものは拒否する。
日本は、アメリカや中国の言いなりになる必要はない。
福田改造内閣は、「安全」実現内閣を謳ったばかりではなかったのか?
現実に、この毒入り餃子を食べて、死にかけた人がいるのだ。
総理大臣も外務大臣も、目線をどこに置いているのか。
国民の食生活にとって、かかる大事なことを公表しなければ、何の意味もない。
ある人は、国民に対する重大な冒涜だとまで言っている。
関係者は、事件の捜査に配慮したと言うが、中国で被害があったという情報程度は公表すべきではなかったか。
国民には、知る権利もある。
いまだに、都合の悪い(?)ことには、秘密主義、隠蔽主義が抜け切れていない。
福田改造内閣は、繰り返し言うが、「国民目線の安心実現内閣」が旗印ではなかったのか。
これでは、消費者庁の創設まで見据えた内閣のあり方に、不信感は拭えない。
消費者に目線を置くと言っておきながら、口止めされれば何も言わない。
政府は、どっちを向いて政治を行おうとしているのか。
報道で発覚するまで、公表しなかったと言う事実に対して、あちらこちらから批判の声が上がっている。
当然のことである。
だって、事実を事実として明らかにして、日本の国民を納得させ、中国産の食品離れを解消することが出来れば、それこそが両国の国益なのであって、それを隠蔽するなど全くの逆効果ではなかったろうか。
・・・中国産は、にせもの、毒入りばかり、靴下は二回履いたら穴だらけ・・・。
中国人自身が、ネットにこんな自嘲的な書き込みまでしているそうだ。
~閑 話 休 題~
本旨とは関係ないのですが・・・。
インド洋での、海上自衛隊による給油活動を延長する対テロ新法の改正案を、政府はまたも「再可決」のはら構えなのか。
他国に油を配るくらいなら、ここは民主党の言っているように、国内の農魚業者たちにこそ配るべきではないだろうか。
いずれにしても、圧倒的多数の民意は、一日も早い解散、総選挙を望んでいることを忘れないで欲しいものです。
防衛省の前事務次官の摘発から、早いもので8ヶ月が経っていた。
そして今度は、政界と日米の軍需産業を結ぶパイプ役が逮捕された。
人呼んで、“防衛フィクサー”またの名は“チンピラ・ブローカー”とか言うのだそうだ。
脱税容疑である。
防衛関連企業から集めたコンサルタント料のうち、2億3200万円を隠していて、所得税7400万円を脱税したと言うのだ。
日米のパイプ役が、聞いてあきれる話だ。
防衛省汚職の捜査では、前防衛次官と軍需商社山田洋行の癒着が明らかになっている。
今度は、政界との関わりを持つと言われる、キーマンの逮捕だ。
防衛利権の根は、どうもこの辺にあるように思えてならない。
その張本人は、「日米平和・文化交流協会」なるものの秋山専務理事だ。
この協会を活動拠点に、久間章生、額賀福志郎、石破茂、瓦力と言った大物国防族議員が理事としてずらりと名を並べ、族議員でない福田康夫総理の名前までも・・・。
久間元防衛相のことを、秋山理事はウチの「先生」と呼んでいたそうだ。
他の政治家のことは、皆呼び捨てにしていたと言うから、政治家をあごで使っていたのか。
この秋山なる男が専務理事を務める、「日米平和・文化交流協会」の会員には、日本を代表する重工メーカーや商社など20社が加盟していたそうだ。
年会費とか部会費とかと称して、秋山理事の懐には、毎年‘表’(おもて)だけで、1億数千万円の大金が入っていたというのは事実らしい。
政官界と軍需産業をつなぐ舞台で、何があったのだろうか。
大物政治家たちは、誰もが、自分たちに金が入るなんてあり得ないと、不正への関与を否定している。
しかし、それで何もなかったということになるのだろうか。
国会での疑惑の追及から半年余り、操作は難航したが、ようやくここまで来たという感じだ。
理事と政界との関わりは、どんなものだったのか。
防衛利権の構造は、どんなものだったのか。
それが知りたい。
防衛フィクサー、あるいはブローカーと呼ばれるようになった男の軌跡は、政治評論家戸川猪佐武氏の書生から始まって、金丸信・元自民党副総裁と親しい女性の運転手を務めたことから、当時の竹下派を中心に、人脈を広げていったと言われるのだが・・・。
何~だ。そうなのか。
もともと、防衛問題の専門家でも何でもなかったのか。
アメリカの要人をつないで、カネにするブローカーだったのか。
彼は、沢山の民事訴訟の被告人でもあるという。
自身、いろいろな事件にまみれているようだ。
普段は、サングラスと黒いシャツ、相手を威圧する姿で、アメリカからの兵器調達について実権を握っていたのだ。
勿論、これという専門知識も教養もない。(そういう風評だ)
そんな軍事のプロなんているのだろうか。
防衛省と外務省は、そんな男に、腫れ物にでも触れるような扱いだったそうだ。
もう、驚きである・・・。
それで、一部でチンピラ上がりとも言われている。
そんな男に、日本の防衛行政が舐められていたということか。
世の中には、何者とも、得体の知れない人間はいるものだ。
小説や映画の世界だけではなさそうだ。
そんな怪しげなブローカーが暗躍できるのは、日本に、確たる防衛政策がないからだろう。
本当の、軍事のプロはいないのか。
日本の軍事とか防衛政策は、大体アメリカの言いなりではないか。
何でもあちらの言いなりなら、その道のプロもいらないし、勉強する必要もない(?!)
日本の政治家の関心は、年間予算5兆円という防衛利権だけだ。
この利権にどう食い込むのか。
そういう族議員から見れば、たとえチンピラだろうが、何だろうが、こうした軍事ブローカーのような男の存在はなくてはならないわけだ。
防衛予算といったら、それこそ聖域扱いで、闇の世界だ。
兵器と言ったって、値段があってないようなものだ。
だから、日本の防衛行政は不透明なのだ。
戦争するわけでもない。
なのに、防衛省・自衛隊には、毎年、黙っていても5兆円の国防予算が転がり込むのである。
それも機密扱いだという。使い道も、ほとんどチェックされない。
族議員、防衛官僚、防衛産業の甘い甘い蜜だ。
彼らは、蟻のように集まってきて、それを食い物にする・・・。
・・・だから、ブローカーが暗躍する。
防衛省の改革はないのだろうか。
石破防衛相はやっているのか。
いやいや、防衛省、自衛隊の体質が簡単に直るとはとても思われない。
だから、装備品納入をめぐる汚職事件だって後を絶たない。
・・・自民党の国防族議員は、防衛利権を操る、チンピラ上がりのブローカーを排斥することも出来ず、ひたすらおこぼれにあずかろうという魂胆が透けて見えてくるではないか。
いずれにしても、日本の防衛行政があまりにも無能でお粗末ゆえに、防衛の知識も教養もない(?)一介の男に、浅はかにも操られていたという構図が浮かんでくる。
政治家も官僚も、恥ずかしくないのか。
あまりにも、情けない話である。
もう、防衛省自体、一度解体しては如何だろうか。