足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

2万円台の挑戦の条件

2016-12-12 05:46:09 | 投資戦略
先週のNY株は1日も休まず5日間続騰した。
週末はエネルギーが出尽くしたかと思われたが、午後にはダウ平均2万ドルを意識した買いが入り上昇は100ドルを超えた。
この投資家行動をみると、先に書いたアニマルスピリツト(動物的衝動)が出て相場を押し上げた。
根底にはトランプ氏の大統領就任後の政策発動の発言への信頼感の増幅がある。歴代の大統領の就任後の言動に市場が大きく反応することはあまりなかったが、トランプ氏にはこれまで言及してきた政策に多数の信認を得た自信がある。クリントン候補に投じた国民も、これまでの言動に賛同する向きが増加していることもトランプ氏の自信の背景にある。
例えばゴールドマン・サックスの最高経営責任者ブランクファインの発言をみてもわかる。
トランプ氏の選任後、一転してその行動に賛同した。「いま彼を超える大統領は考えられない」と、これまでのクリントン氏への応援を反省する弁を語る。この種の変わり身の速さは投資の世界では当たり前のことだが、その豹変が随所にみられる。
それにしてもの最強の投資銀行の首脳を味方につける吸引力は偉大である。米国の経営者の現実主義には驚くとともに、米資本主義の柔軟性を知らされた。

日経平均には2万円乗せの実現性が高まってきた。
大統領選後の人気銘柄は大きく変わった。銀行、素材、公共投資のほか、東京市場では円安で自動車株が急上昇した。昨年12月の2万円台の奪回には物色銘柄の幅の広がりが必要である。NY市場では週末に銀行と並んでヘルスケアに動きが出始めた。今週はこの動きが本物であるかどうかに注目したい。