足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

不安感が大きく後退

2016-07-04 06:21:04 | 投資戦略
6月23日の英国民投票から1週間余が経過した。
世界の株価は大波乱したがNYダウ平均は投票日の1万8011ドルから先週末は1万7929ドル、日経平均は1万6238円から同1万5575円まで戻して終わった。
この間、世界の金融市場はリーマンショックの再来といわれる大騒ぎになり、ジョージ・ソロスは2008年~2009年の金融危機の再来に結びつけた。

先週は後半にかけて回復し、危機の本家本元の英国株をみるとFTSE100指数は5750ポイントへの急落から6570ポイントに急反発し、国民投票前の6300ポイント台を上回って引けた。大騒ぎしたのは日米欧の株価であった。
一体、どうしたことか?

NY株は英国離脱が決まってから4日間で5.1%上昇したが、トム・リー(ファンドストラット・グローバル)はU.S.Ecomomic Policy Uncertainty Indexに注目して次のようにみている。
「指標は最高水準にある。1985年以降、現在のような高い数値は22回あったが、3回の例外を除いて、その後の6ヵ月後の相場は上昇し.最悪は2008年9月のときで議会が金融システム救済のための資金支援を拒否したときだ。6ヵ月後に32%暴落した。今回は政治が金融危機を防ぐために動きはじめ危機の再発は考えられない。離脱は決定的な悪材料とは市場はみていない。その市場の判断は正しい」と語っている。この指数は景気の先行き不透明感をみる指標である。
先週の相場展開をみてウォール街にも余裕が出てきた。

東京市場も1週間前とは雰囲気が大きく変化してきた。先週の月曜日は週末の株価が1286円暴落しての始まりで、大きな不安感に包まれた。
今回の暴落とその後の回復を主要な銘柄の変動率でみてみよう。
大和ハウス-15.4%→+9.2%、三越伊勢丹-15.8%→+2.1%、ツルハH-8.7%→+5.5%、武田薬-8.5%→+8.5%、コマツ-14.8%→+7.0%、日立-15.5%→+1.7%、ソニー―13.6%→+11.3%、村田-17.1%→+7.5%、KDDI-9.6%→+11.3%、トヨタ自-14.5%→+3.8%、HOYA-8.0%→+6.0%、三菱UFJ-16.9%→+5.7%、野村-22.5%→+10.3%、ANA-8.9%→+5.0%、ファーストリテイリング-12.8%→+4.7%、
ソフトバンク-15.5%→+5.0%
この中で光るのはKDDIで下落分を埋めた。傷が浅かったのはドラッグチエーンのツルハHであった。
戻りが鈍いのは輸出関連と金融である。円高と金融不安の直撃を受けた。相場の回復のカギをにぎる。
ここで上げたデータからは反発力の大きい銘柄は先行き人気の強いことが予想でき、銘柄の選択の一つの視点である。
またKDDIの人気が高いのに注目し、投資を考えたい。


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