6月初めNY株が大きく崩れ世界の株価の基調に大きな打撃を与えたが、理由は米雇用統計の数字の予想が大きく下げらたからだ。
金曜日、NY株の寄り前に発表される5月の雇用(民間)は当初は18万人増(前月24万4000人)の予想であったが、水曜日には12万5000人に引き下げられた。民間の調査機関ADPの数字が予想を大きく下回ったからである。
市場は6月末に打ち切られる連銀のQE2(第2次量的緩和)をめぐって、景気の減速につながらないかどうか神経質になっていた。バーナンキ議長は1ヵ月の数字に注目して政策決定をするのではなく、景気の基調のトレンドを様々な数字を駆使して判断しているはずでる。それは投資家が十分に承知のはずだが、先行きに神経質になのは昨年5~8月相場が大きく崩れた先例があるからだ。
金曜日には話題のネットの話題の企業グル―ポン(GRPN)が公開される。商品やサービスの割安購入チケットの販売で急成長している企業だ。ことしの第1四半期の売上が6億4470万ドル(522億円)と昨年の4420万ドル(35億円)に比べ約15倍に急上昇した。インターネットの威力を改めて誇示した。利益は赤字である。ここ1年間で従業員が8000人と5倍増になったからだ。
昨年はグーグルが60億ドル(4800億円)で買収を申し入れたが拒絶した。最近のウォール街ではIPO銘柄を寄り付きで買えばその日のうちに利益が上げられるというケースが多い。
東京市場でも今月は久しぶりに6銘柄の新規公開がある。クロタニコーポレーション(6月9日)、デジタルメデイアプロフェショナル(6月9日)など魅力ある株が出る。
当面の戦略は押し目買いでトクヤマ(4043)、大阪チタニウム(5726)、旭ダイヤモンド(6140)、フェローテック(6890)に注目している。