昨日も書いたようにわれわれの最大の関心事は今夜、発表になる米雇用統計(6月)である。月間では景気の現状を見るのに一番に関心が持たれている指標である。5月は農業を除く雇用増は7万5000人であった。エコノミストの6月の事前の予想は16万人。この水準が問題になる。これより大きくなるようなら景気の現状がコンセンサスより良いということで8月の連銀FOMCでの再利上げが問題につながる。「悪いニュースが好材料」という、投資家にとっては全く逆のレトリックが受け入れられる市場のセンチメントである。
いまひとつは原油価格の上昇が気になる。本稿を執筆している現在、早朝の取引で$75.42と、一昨日の$45.40を上回った。世界の株式市場には北朝鮮のミサイル問題の影響は1日で消化したが、原油相場には火がついた。世界的な過剰流動性が収縮しているのに商品相場の世界には大きな影響は出ていない。
この2つの材料からいえることは来週のNY株は雇用統計の結果にかかっていえる。