昨日発表された米国の雇用統計にはウォール街は冷静な反応をした。来週月曜日は独立記念日で休場になるので、一段と様子見気分が広がった。
そんななかで、本欄でも時々、取り上げるヘッジファンドのバートン・ビッグス(トラクシス・パートナーズ)が弱気に転向した。先週初めには「相場は割安」として強気の見通しを語ったところであったのに、一転して弱気に転向したのはどうゆうことか?
彼は「景気はダブルディップ(2番底)に向かう」という。
理由の一つはG20で主要国が2013年までに財政赤字を半減すると決めたことである。米国が雇用統計にも表れているように景気は鈍化に入るとみた。
これまで強気していたハイテク株を全部売却し、ポートフォリオのポジションを40%にした。
随分と思い切った転換である。今週初めには70%のポジションであった。
強気への転換のときには世の中に見方を公表することはあっても、彼のように弱気を堂々と発言するのは珍しい。
彼の見通しの転換の根拠は2010年の業績見通しの弱気への修正がある。これまでS&P500の1株当たり利益を$85~$90とみていたが、$70~$75に引き下げた。
今月は第2四半期の決算発表がある。彼の見方が正しいかどうかが試される。
それにダブルディップいりに米国政府が、まったく動かずに放置することは考えられないと思うのだが・・・