ウォール街は期待通り次期連銀議長にイエレン氏が決まったことを好感し上昇した。
問題は5月以来、市場の行く手に問題になってきた金融緩和政策の転換が年内にも行われるのかどうかにあるが、来年3月までは現状のままという見方も出てきた。イエレン連銀副議長は指名後に「金融政策で失業問題は解決できる」と言い切った。バーナンキ議長の任期は来年1月末で新議長の誕生は来年2月。同時に連銀FOMCの大幅な入れ替えがあり、新しい顔ぶれによる政策会合は3月に始まるからだ。
足元の債務上限問題はようやく共和党が支配する下院に動きが出始めた。オバマ大統領が下院の首脳と接触をはじめたのは事態が解決に向けて動きはじめたと見る向きが出てきた。解決の道筋は2001年8月の「財政の崖」の時に似てきた。
直近の日米の株価の動きをみると東京市場の方が米国の問題に敏感であるのが特徴だ。イエレン就任の報道は一歩早かったし、米議会の新しい動きも先取りしている。日本経済の先行きへ投資家の自信の強さがにじみでてきた。
海運株が強い。9月から反騰に転じた海運市況が10月に入って一時は下落したが、今週は再び上昇トレンドを取り戻した。海運株の戻り相場の強さを感じさせる。
海運株の人気はNSユナイト(9110)、乾汽船(9113)が大手に比べて強い。今回の海運市況の回復の先頭を切っているのがバラ積み船であるからだ。海運株の相場の持続性が本物になってきた。