昨日のウォール街では金融株が上昇した。
先頭を切ったのは、6月以来、金融株の悪役であったファニメィ(FNM)とフレディマック(FRE)で、株価が上昇した。
きっかけはフレディマックが今週はじめに、オークションした債券20億ドルの消化が順調であったことだ。
米国の住宅融資市場5兆ドルの40%以上のシエアを占める住宅公社2社の動向が、今年の6月以来、世界の投資家の最大の関心事であった。
金融株はS&P500の構成の御三家でありハイテク、エネルギーに並ぶ存在である。
20世紀が生んだ偉大な投資家ビル・ミラーは、ここ3年間、市場の人気株であったエネルギー株への投資には一切手を出さず、金融株とハイテクをポートフォリオの主軸に据えてきた。
同じようにウォーレン・バフェットも金融株には注力している。
7月に金融公社2社の経営問題が浮上したときには、政府が短期間に救済策を出すことが期待されたが、ポールソン財務長官の行動は慎重である。
問題の解決は国有化が最終案であるが、その場合は両社の株価の評価が限りなくゼロになるというのが、コンセンサスである。
ウォール街出身のポールソン財務長官は、この種の政策は絶対に取りたくないところである。
今週のフレディマックの資金調達の成功を見ても、国有化の可能性は薄れてきているようだ。