今週のウォール街は予想に反して住宅市場の相次ぐ悪材料に大きく下げた。
本欄ではこれまでS&P500の1326ポイントを下値の支持線とみるテクニカル分析に同調してきたが、昨日は強固とみていたこの支持線を割り込んだ。S&P500の引け値は1304ポイントであった。
前日のウォール街で注目されたのは住宅融資が、担保を下回ったこと。1945年以来の現象である。
昨年第4四半期の担保不足は880万人となり、住宅の10.3%にのぼる。借り入れして住宅を所有している人の10人に1人が住まいを失うことになる。
日本の1990年代を想起する。銀行は不動産の時価の100%まで資金を融資した。日本の場合はそれで株式投資をした向きが多く、ダブルパンチを食らった。
このあたりの事情はポールソン財務長官と連銀のバーナンキ議長は十分に承知のはず。
これまでは貸し手の金融機関に対しての対策が中心であったが、借り手にも目が向けられるだろう。
今夜の2月の雇用統計が利下げ発表のカギを握るが、昨日の金利先物市場では0.75%の確率が98%になった。1週間前の2月29日は38%であった。数字は急上昇した。
ウォール街のセンチメントの悪化の推移が読みとれる。