足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

人民元の影響度

2015-08-12 08:27:19 | 投資戦略
中国が通貨切り下げに踏み切った。これまで中央銀行が毎朝に発表してきた基準値を前日の終値に変更した。日々の動きを実勢に近づける。この政策変更を受けてドル相場は上昇し、円は下落した。NY株は212ドル安(-1.21%)で前日の反騰(+241ドル高)を帳消しにした。前日は米連銀の政策変更が9月でなく、年末になるという観測を好感して7日間の続落に休止符を打っていた。
この日のNY市場の下落を先導したのはアップル(AAPL),キャタビラー(CAT)などの中国関連株で人民元の切り下げの影響に直撃される銘柄であった。中国がとった政策は景気の減速に歯止めをかける狙いで通貨安による輸出のテコ入れである。
想起されるのは1971年8月に米国がドルと金との交換中止を電撃的に決断した通貨安政策である。ニクソン・ショックでドル相場は天井を打ち円相場は長期の円高にはいった。
現在の中国元は当時のドルの地位とは大きく異なり世界通貨ではない。元相場の下落が世界経済に与える影響度は小さく、この日の円相場は対ドル、対ユーロでは小幅安。
今回の中国の為替政策の変更は中国関連銘柄には影響を与えるが、日米の株価には大きな悪影響を与えるものではない。すでに新興諸国の通貨は下落しているので中国の通貨安の波及は考えられない。
引け後のNY株は落ち着いている。米国経済と世界に与える影響度は大きいとはみていない。
中国は経済成長の鈍化に直面し、りーマンショック時にとったような大胆な財政支出というような政策の選択肢がなくなってきた。

一方、日本経済は自律回復の輪が回り始めた。第1四半期の決算発表をみて、銘柄選択の幅が広がってきたことが感じられる。
昨日の決算発表ではマツモトキヨシH(3088)の好決算が注目されるが、インバウンド消費の影響力の強さが目立つ。中国問題で下落した関連株の押し目買いを考えたい。
                         
         

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