NY株は続落した。11月までは8週間の週間ベースでの続騰であったが、12月に入ってからは元気がない。足元の景気指標は好調で先行きに楽観的な見方が出てきてはいる。ゴールドマン・サックスは2004年の世界の景気見通しを+3.4%(本年+3.0%)と発表した。背景には中国、ユーロ圏の復調を上げる。しかし株価が軟調なのは来週17~18日の米連銀FOMCで金融政策の手直しが決められるという見方が有力になってきたからだ。月間850億ドル(8兆7000億円)の資産買上げの金額を減らすという見方が強くなってきた。今回のFOMCはバーナンキ議長にとっては最後の会合になる。
政策変更といっても850億ドルの買上げ金額を削減することで、ゼロになるわけではない。ただ今回の資産買上げ額は、NY市場での1日当たり売買金額を上回る数字で、株高の原動力になってきた。これからの問題は金融政策の中味である。
東京市場では先月下旬から始まったIPO(新規公開)ラッシュで、新興市場の銘柄の連日の高騰が目立ったが、熱気もやや沈静化してきた。11月下旬からすでに11社が公開され、あと年末までに12社を残す。初値形成が2日目というのが常識になっていたが、今週にはいってから初日に寄りつく銘柄が出てきた。これまでの初値買いで損失をした経験を、投資家が反省し始めた。いままでは投資価値を無視したフィーバー(熱狂)に行き過ぎを感じる向きが増えてきたからである。
IPO人気が新興市場の人気に火をつけ、ファンダメンタルを無視した人気はどこかで落ち着くのは当然である。年末までのIPO銘柄の株価形成には合理的な動きが出始めるだろう。
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