さすがにウォール街だと感心させられるのは、米国の個人資産運用のアドバイザーの規模である。
証券会社に外務員として登録するのではなく、独立して個人向けの資産運用に携わる。
その規模が実に2兆5000億ドル(275兆円)と、証券会社のこの種の投資顧問の資産6兆8000億ドル(750兆円)の3分の1を超えた。米バロンズ誌の最近の調査である。
独立系の個人資産運用会社の資産額が昨年の増加率は+19%、証券系は+9.7%の伸びであった。
米国では個人の富裕層の金融資産は、投資銀行や証券会社よりも、この種の独立系の顧問会社を選好する傾向が強まってきている。
資産家の運用に対しての最大の目標は資産を減らさないことにある。
それに理想はインフレによる目減り分だけでも、資産を増やして欲しいということにある。
これらの要望に応えるために、攻撃的な分野として代替投資(オータナティブ資産運用)のウエィトを増やしている。ヘッジファンド、ファンド・オブ・ファンズや商品関連への投資である。
いまやその比率が全体の25%にのぼるようになってきた。
ベスト10の一人であるチェリー・ホーランド(アバカス・プラニング・グループ)は「顧客を増やすチャンスだ。付き合っている証券会社が果たして、現在の環境を乗り切っていけるかどうかに疑問をもつ資産家が多い。現在のような嵐の中では、われわれには格好のチャンスである」と語っている。
注目株として金融株と建設株をあげる向きがみられた。逆張りである。