昨日の東京市場は日経平均が7682円と11月20日の7703円を下回り、今回の下落相場の安値を記録した。この日の益利回りは前期基準で10.3%になった。益利回りはPERの逆数で、現在の株価収益率は9倍ま出落ち込んだ。
もっとも今期の予想ベースの益利回りは5.87%だ。企業業績の減少で半分になる。
株式相場には先行きの材料を織り込むメカニズムがあるといわれるが、まさに現在はそのメカにズが活発に働き始めた。
日経平均の次の安値は7607円で資産バブル崩壊相場の底値であった2003年4月の株価だ。
同じように動いてきたNYダウ平均は8000ドル台の攻防戦で、先週初めに7949ドルをつけたあと昨日は8116ドルで引けた。
ウォール街では昨年第4四半期の決算発表の真最中だ。昨日の集計ではS&P500のうち84社が公表され‐47%になった。1ヵ月前には‐10%という予想であったが、大幅な見込み違いである。これだけ予想と現実に差が出ると先行き不透明感が増幅する。材料を織り込むメカニズムに狂いが出てきたかと疑問を持ちたくなる。
マクロ面では前向きの動きが出てきてはいる。
現在用意されている金融安定法による7000億ドルの資金のうち、半分の3500億ドルの支出先の検討が始まったが、増額される可能性が出てきた。中途半端なことは排除するというオバマ政権の政策が、この分野でも動きはじめる。