ヘッジファンドのアマラス・アドバイザーズが大きな損失を出したことは昨日の本ブロッグで書いた。やや専門的になるが、この種のファンドのことをマルチストラティジーといい個別株、株価指数、金利、為替、商品相場などに分散運用する。機関投資家はニューヨーク株の変動率が小さくなってきているので、期待収益の大きいものに関心をもつ。
今年の変動率の大きかったのは国際商品相場で雁行的に相場は動いた。石油が止まれば金、そして次はニッケルといった動きである。
マルチストラティジーの運用は外からみるとブラックボックスのようで、かつてのLTCMの運用と同じである。誤解していけないのはヘッジファンド全体がこのような運用をしているかのように受け止める向きも多いが、それは間違いである。
オーソドックスに個別株の割安株を買い、先物でヘッジをするというスタイルのヘッジファンドも多い。
手元にアジア株専門のヘッジファンドの8月のレポートがある。ポートフォリオの国別内訳はインド31.71%、日本20.36%、韓国11.75%、香港8.06%、中国6.84%と上位5ヵ国で78.72%となっている。日本よりもインドを多く組み入れているのは注目させられる。そういえばインド株の戻りは早かった。
そして私が注目したのは個別銘柄の組み入れビッグ・ワンは任天堂(7974)でファンド全体の3.17%を占めていることだ。日本株のポートフォリオの15.5%を1社に当てている。よほどの自信があるのだろう。