バートン・ビッグスがマスコミの前から姿を消したのは2003年のことだ。モルガンスタンレーの名物ストラティジストとして世界の機関投資家の間だけではなく、その文章の巧みな表現でマスコミの間でも人気が高かった。
投資銀行を辞めてからヘッジファンドのトラクシス・パートナーズを設立した。私の知人のヘッジファンドの運用者も、彼の独立を祝ってそのファンドに資金を投じた。
2007年に始まった金融危機は予想できなかったが、2009年3月の相場の底入れは的確に当てた。
そして昨年の運用成果は+60%以上とS&P500を3倍も上回る成果をあげた。
株式相場は昨年3月の底値からは大きく反騰し昨日のS&P500は18ヵ月ぶりの高値になった。昨年3月からは+70%である。
バートン・ビッグスが久しぶりにメディアに登場し「ウォール街では向こう2年間のS&P500の採用銘柄の業績は50%増益を予想している。1994年以来の大幅な増益である。私は相場には強気だ。2009年の暴落で世界は大きく転換した。世界経済は回復の軌道に乗った」と目先、長期とも強気である。
かつてのように相場を予想する立場から、今度は実践に回り大きな実績を上げてきただけに、その見方には重みがある。
それにしてもウォール街がつくづく“すごい”と思わせるのは、この種の人材がストラティジストとして活躍し、古巣を離れても過去の経験を生かして大成功していることだ。
バートン・ビックスの運用資産は1000億円を超えただろう。
本日の日経新聞では、東京電力が2010年からスマートグリッド(次世代送電網)の双方向通信機能を備えたスマートメーター(次世代電力計)の実証実験の乗り出すことを報じた。
大崎電気(6644)の出番がきた。