今月の日米の株価のパフォーマンスは逆転し東京市場が大きくアウトパフォームした。日経平均は+10%、NYダウは-0.6%である。
これまでの出遅れを取り戻しにはいったと言ってしまえばそれまでだが、外人投資家の日本株への見方の変化には注目したい。
最近、アジア諸国を訪問した外人投資家は日本株について次のような視点に注目し始めた。
① ほかのアジア諸国の株価の水準が高くなり過ぎた。日本株は割安。
② 円高にもかかわらず日本企業の業績の回復の目覚ましいのは驚き。
③ 日銀の積極的な緩和策はデフレ対策として評価できる。
④ 新興諸国の台頭とそのインフラ投資の活発化の恩恵を受けている。
⑤ 国内の不動産市場に回復の兆し。中国の日本での不動産買いが注目される。
いずれもいままでわれわれには既知のことであるが、外人投資家がまとめてみると新鮮な材料としての響きを持つ。
外人投資家の買い越しが基調として定着してきた背景にはこのような見方がある。
企業経営者は中間決算の発表時には下期の落ち込みを見込んでいたが、円高の反転もあって、第3四半期の業績にも自信を持ち始めた。12月は業績の見直しのシーズンにはいる。
中堅企業であるがわれわれが注目してきた半導体商社のマクニカ(7631)の株価が最近は急騰を始めた。中間期の決算時にはいち早く下期の減速を見込んだが、足元はそんなに悪くないことを株価は織り込み始めた。
外人投資家の目にはこれも日本株買いの材料として映る。