昨日のNY株は暴落、11月20日を底に反騰してきたS&P500は上昇分+19%の半分を1日で打ち消した。
S&P500の安値は11月20日の752.44であった。
先週の感謝祭で始まったショッピング・シーズン明けに期待がされたが、小売店の足元の売上げは好調であったが、NBEリサーチが「昨年12月からリセッションいりしていた」と不況の時期の認定を正式に発表し、市場のセンチメントに大きな打撃を与えた。
またバーナンキ議長が講演で「金利政策が限界にきている。足元は国債の買い入れに注力する」と語ったことで、10年国債の金利が2.76%に急低下した。1ヵ月前の11月1日の金利は3.91%であったので、1ヵ月の下落率は大幅だ。
11月下旬はオバマ新大統領の経済閣僚の人事を好感して5連騰してきた市場の雰囲気は一転して、「恐怖感」に転換した。
石油相場も急落し$49.28と安値、金相場も42.20ドル下げ$776になった。
金相場は不安のバロメーターといわれ、今回のような相場の波乱期には見直されケースが多かったが、今回は不況の深刻さに関心が向き、資金の金市場への逃避はおこらない。
リセッション入りが正式に認定されたが、今後はリセッションと株価の底いれが、さまざまな視点から議論されるだろう。
今回のリセッションは、単なる景気循環によるものではなく、世界の金融市場の危機という構造問題を抱えるだけに、議論が錯綜する。