NY株はフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁の講演での「QE3は雇用改善には効果はなく、むしろリスクの方が大きい」というコメントに大きく反応し下落した。
同総裁は議決権のないメンバーの一人で金融政策にはタカ派で有名。
内容には新鮮味はなかったが、最近のNY株は100ドル以上の下落がなく、順調に上昇し短期的には過熱感があっただけに、株価は些細な懸念材料にも反応しやすい地合いにあった。ただ相場の方向性には変化はない。これまで人気を集めてきたハイテクの2本柱のアップル、グーグルが大幅安になった。
このような相場のなかで注目されたのがヤフー(YHOO)である。往年のネットの人気株の座をグーグルに奪われてきたが、経営者がメイヤーに代わり、新しい経営戦略を近く打ち出すことが材料になっている。
主軸をPCからモバイルに移し新しい市場での地位の向上をはかる。具体的な戦略の発表はこれからだが、株価は大きく下落した水準にあるだけにヤフーのリバイバルに期待する向きが出てきた。
同じことが東京市場でのヤフー(4689)にもいえる。かつてはソフトバンクの苦境を救う役目を果たし、資金面で大きく貢献してきた。ブロードバンド時代の到来で米国のヤフーとは異なった路線を歩んだが、ここへきて先行きの成長戦略が見えてこない。
日本のヤフーも経営陣が刷新され、新戦略が出てきているが、大きな柱は見えてこない。しかし米国と同じようにグーグルやアップルに先を越されたウェブの技術革新のなかで地盤の回復を目指す動きが散発的だが見えるようになってきた。株価の動きをみていると感じられる。日米とも地盤の奪回への動きが経営陣の交代で見えはじめた。