足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

マリキール先生の教えの中から学ぶ・・この銘柄の人気は?

2004-12-29 19:00:00 | 株式
31年前に出版されてから、いまなお投資家の間で人気のある株式投資の本がある。バートン・マルキール著「ウォール街のランダム・ウォーカー」(邦訳は日経新聞社刊)だ。プリストン大学で教鞭をとる経済学者である。彼の持論は「株価形成には合理性があり、だれも市場平均のパフォーマンスに打ち勝つことはできない」というもの。市場はすでにあらゆる材料を織り込んでいるので、それを上回る成果を上げても「偶然の結果」であって、いつまでもその成果を続けることは不可能。したがって投資家にはインデックス・ファンドで運用することを進める。ウォーレン・バフェットやピーター・リンチのような天才的な運用者の銘柄選択は、一般には不可能と決め付ける。ウォーレン・バフェットが選ぶような銘柄探しは「枯れ草の中から針を見つけ出そうとする努力と同じ」で、むしろ「枯れ草を買うべし」という。彼自身、これまでの31年間に、この種の考え方で投資してきて成功している。「これからも株式投資は向こう10年間、ヒト桁の上の方の投資成果を上げることは可能」という。日本の評論家や大学の先生と異なって、実践家の言うことだけに説得力がある。
マルキール先生の理諭通りとして、「抜け穴」がいま日本にはある。それは第2部や新興市場の銘柄への投資である。株価形成が合理性を発揮していない分野だ。この点に私はおおいなる魅力を感じる。この本は私の「座右の銘」で何度も読み返した。私にはバフェットやピーター・リンチの真似は到底出来ないが、いまの日本の市場で非合理性の株価形成がみられる分野に、チャンスを見出している。この点にヘッジファンドも、来年は注目するかも知れない。私の意見に賛同する前にマルキール先生の本をご一読されんことをお勧めする。
新興市場は今月公開のフィデック(8423・マ)、ケイブ(3760・HC)、ウェルネット(2428・JQ)が人気のリード役。先月公開されて市場の人気を集つめたGDH(3755・マ)とダイキサウンド(3350・JQ)の役目を肩代わりした。これらの銘柄の人気は新年にも持ち越される。
理由は公開前に「トリトンスクエア通信」で、論じた。