足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

バフェットは動いていた

2016-08-17 06:02:23 | 投資戦略
NY株は反落した。
NY連銀のダドリー総裁のほか一部のメンバーが9月のFOMCでの利上げをほのめかした。
一時は円相場が100円を突破し99円台に突入したが、一部の連銀メンバーのタカ派の発言で100円台を回復した。円相場の動向には関心が集まる。
市場では7月の住宅着工高、製造業の好調な指標を見て9月の利上げ説に同調する動きも出てきた。日本の景気の方向性とは異なり米景気には回復の兆しが出てきている。来週末にカンサスシティに世界中央銀行の総裁が集まり、世界経済についての議論が行われる。関心は冒頭のイエレン連銀総裁の講演に集まる。
今週は米SECの45日ルールに沿って大手機関投資家、ヘッジファンドなど影響力のある投資家の最近の投資動向が明らかになった。毎四半期末から45日以内に売買動向がSECへ報告される。大手投資家は不透明な相場環境のなかでも、今後の方向性を検討し積極的に動くのは注目点だ。
バェットは持ち株最大のポジションである銀行株ウェルズ・ファーゴ(WFC)を買いましている。昨年9月末の4億7029万株は3月末には不変であったが、6月末は4億7970万株に増した。筆頭株主で10%の保有比率をごくわずか上回った。相場の押し目をみて買い増す。
注目点はアップル(AAPL)の3月末のポジション981万1747株を6月末には152億2700万株と大幅に増やしたことだ。彼はIBMの大株主で、アップルにも注力をしはじめた。「ハイテクには一切投資しない」という投資の鉄則の変更である。ハイテク嫌いで通っていた投資哲学を大きく変えた。IBMと同じように、現在のアップルは米国企業の象徴的な企業と位置づけ、米国株投資では避けて通れないとみた。君子豹変をするバフェットは珍しい。
引き続き持ち株を増やしているのが石油の川下産業のフィリップス66(PSX)である7755万株から7878万2000株に増やした。2012年に石油大手コノコ・フィリップスから分社化されたが、石油精製、精密化学の分野で付加価値の高い製品に傾斜したメーカーである。バフェットはいずれ自社の傘下にいれるのでないかとさえ見られる力の入れようである。第2四半期の相場の下落局面では押し目買いに徹したことは大きな注目点だ。


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