“嵐の前の静けさ”という言葉がウォール街でささやかれる。
来週月曜日のアルコアを皮切りに、米国企業の第2四半期の決算の発表が始まる。JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、インテル、GEなどが続く。いずれも業界をリードする企業で、それぞれのセクターの人気を代表する。決算内容が相場を動かす可能性がある。
NY株の売買代金は低調だが、底流には動きが出ている。
昨日は金融株指数BKXが+2.2%になったが、なかでも注目されたのが金融株のETF(XLF)のオプション取引だ。コールオプション(買う権利)の売買高が2ヵ月ぶりの大商いになった。来週の銀行株の決算発表を見込んでのヘッジファンドやトレーダーの投機である。なかにはショート(空売り)のヘッジもあるのだろう。
昨年3月に金融危機から脱して相場が大底入れした時も金融株がリード役になった。
今週は大きく売り込まれたMSCIエマージング指数が+4.2%と、週間では今年最大の上げ率になった。ユーロ圏の金融不安と景気のダブルディプを気にして足掛け4ヵ月も低迷を続けた相場の動きには、今週は転機の到来を感じさせる。
注目されるのは韓国の利上げである。日欧米での金融政策に逆行する動きである。
そういえばことし上半期の株価のパフォーマンスは韓国-3.77と相対的には健闘した。
来週のウォール街が世界の株価のトレンドを決定づける。