ソロス父子の政治的立場はほとんど同じだが、最近、子息アレックス氏はWSJ(ウォールストリート・ジャーナル紙に対し、自分は父親よりも「より政治的」で、ドナルド・トランプ前大統領が2024年大統領選に出馬していることに、対抗する運動を実施すると運動をはじめた。
「政治資金を減らしたいのは当然だが、向こう側が動く(大金をつぎこんだ活動を)以上、当方も対抗する」と、アレックス氏は言う。
オープン・ソサエティ財団については、父親の采配のもとでも、言論の自由、刑事司法改正、少数者や難民の権利、リベラル派の政治家の支援などをテーマに、活動を続ける方針。
一方で、アメリカの国内課題をこれまで以上に重視しながら、投票権や人工妊娠中絶、ジェンダー平等への取り組みなども、活動対象に入れるつもりだという。
ジョージ・ソロスはハンガリーで生まれ、1944~45年はナチス・ドイツの占領下で過ごした。一家はユダヤ人であることを巧みに隠して生き延びた。(多くの同僚が死刑になった)
戦後はハンガリーからロンドン、そしてニューヨークに渡り、ヘッジファンドで大きな財産を築いた。イギリスでは、1992年にポンド下落を的確に予想し、10億ドルの利益を上げ通貨を動かし有名になった。
ベルリンの壁崩壊後は、旧ソ連圏の諸国で民主主義政権を樹立することに注力し、オープン・ソサエティ財団を設立。
同財団は現在も年間15億ドルを投じて、各国のリベラル活動や教育団体、人権団体を支援している。
ソロスの一族として活躍する。