総選挙にはいって争点の一つがインフレ目標の導入にはいってきた。
自民党の安倍総裁の「官民協調外債ファンド」で円安に歯止めをかけるという政策は目新しい。日銀法の改正も視野にいれるのも久しぶりの問題の提起である。
日本の失われた20年は自民党政権の経済政策の無策がもたらしたものであるが、この際、その失敗を認めめ思い切った経済・金融政策を打ち出したのは評価できる。
なによりも市場が久しぶりに自民党の打ち出した政策に反応したのは政治家も重視しなければならない。
最近の外人投資家の日本株離れは悲惨なものである。
毎年、秋に来日する欧米の投資家のスケジュールが大きく替わってきた。香港、上海、シンガポールをアジア訪問の主眼に置き、東京は昨年から外してしまった。震災の影響が依然と尾を引き日本を素通りするのは大きなショックである。
ごく一部のヨーロッパの外人が日本再評価を打ち出してはいたが、その見方は広がらない。
最近のアジア訪問レポートには「日本は領土問題で中国向けビジネスが停滞し、技術面での優勢を韓国に奪われ、金融、財政政策を転換して円安基調を定着させなければ閉塞感は一段と強くなる」としている。
このような見方には反論もあるが、現実に資金を運用する現場の声としてわれわれ日本人は謙譲に耳を傾けなければならない。
今回の選挙は日本の命運を決める転機になるかどうかに外人投資家は関心を集中する。