足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

3ヵ月目のIPO(新規公開)

2009-03-12 21:52:53 | 株式

1219日のpaperboy&co(3633JQ)以来、ストップしていたIPO(新規公開)3ヵ月ぶりに12日に再開された。

大研医機(7775・東2)で手術の時に使われる医療用吸引器(血液を吸収)と麻酔注入器だ。ベンチャー企業ではなく昭和42年に設立された。

IPO価格1150円に対して初値は1150円。高値は1270円、大引けは1251円であった。

公開株式数が110万株(発行株式数323万株)と発行株式数の34%の株式が出たがそれを吸収した。この日の第2部市場の売買代金の46%であった。20061月のライブドア事件が日本の新興市場を打ち壊しIPO市場に大きな打撃を与え第2部市場をも巻き添えにして久しい。

最近の株式市場の悪環境のなかでの公開であったが、初日をみるかぎり久しぶりのIPOは成功であった。医療機器市場でもニッチな分野であるが競争相手には米国のバクスター・インターナショナル(BAX)という巨人が存在する。その市場でもシェア30%強と存在感を示しているのは注目される。医療現場と密着し直接販売するシステムを構築した。

また日本のこれからの「ものづくり」の方向性の一つを地でいく。

IPO価格の1150円は安かった。「トリトンスクエア通信」では一応1500円を目標にしたが、理論株価はその水準よりはるかに上だ。

市場に人気が回帰すれば長期的にも注目される株だ。分析しながら日本の将来に自信を持してくれた。今月、来月はほかにも魅力ある銘柄のIPOが散見される。


中間反騰が始まる

2009-03-12 08:07:31 | 株式

週初めのシティ・グループの「年初来、黒字基調」という社員向けのメモ配布に続いて、この日は大手銀行・JPモルガンのダイモン会長の「第1四半期は順調、景気には回復の兆しがみられる。2009年末には回復」というテレビでの発言を受けてNY株はわずかではあるが2日連騰した。

2日連騰は5週間ぶり。ゴールドマン・サッックスがモルガンス・タンレーを「中立」から「買い」に格上げしたことも金融株の人気持続に影響を与えた。

「相場は底入れしたという確証はないが、中間反騰は期待できる」という見方が出てきた。昨年1120日から、ことし16日までNYダウは+19%の反騰があった。オバマ歓迎相場であったが、今回もこの程度の上昇を見込む。

第一回目の中間反騰はシティ・グループとAIGの予想外の業績の悪化で挫折した。金融不安の再燃である。今回は政府が昨年9~10月のように場当たり的な対応を避け、「国有化は避ける」という方針を貫いた。

現在は民間資金を加えての不良資産の買い上げ計画が検討されているが、それが当面の金融市場の安定の大きなカギをにぎることは確か。

昨日はスイスのUBSが決算で10億ドルの追加損失を発表したが、株価は+2.7%であった。

ウォール街で注目されるのはハイテク株に押し目買いが根強いことだ。アップル、デル、グーグル、Eベイ、アマゾンが買われている。

東京市場も人気面では目先、押し目買いになった。

ヨーロッパの投資銀行と話していて気がついたが、今回の中間反騰は昨年11月よりも投資のチャンスという確信をもつていることだ。昨年11月は動かなかったが、今回は手元資金の3分の1では投資を始める。株価の位置、金融市場の情勢からして底に一段と近づいたとみる。