AIGショックだ。
昨年9月、リーマンブラザーズ破綻後、市場は「次ぎはAIGだ」と問題の金融機関を浮かび上がらせたが、ポールソン財務長官はAIGには救済に乗り出した。規模がリーマンブラザーズの比ではなく、破綻した場合の金融市場に大きな影響を与えると判断したからである。ガイトナー財務長官も今回で3回目の救済策を発動し、政府の保有する優先株の普通株への転換を図り自己資本の増強を図った。これまでの政府の支援は1625億ドルにのぼる。金融安定化法で用意した7000億ドルの資金の規模の23%に当る。AIGの株価は落ち着いたが、ほかの金融株は売られた。
市場では「次ぎはどこが危ない?」とまるでモグラ叩き現象だ。
先週末、ウォーレン・バフェットが昨年の同社の決算にからんで株主に書簡を送ったが「2008年の金融市場はまるでつるべ落とし」だったが、「2009年は修羅場を迎える」と警告したのを市場は改めて、その意味を考える。
昨日の相場の下落で2007年10月の史上最高値からNYダウは52%、S&P500は55%、ナスダックは53%それぞれ下落した。
ここへきて下値のメドをどこに置くべきかの迷いが市場を支配する。
先週の下落相場のなかでエリオット波動のロバート・プレクターが「S&P500の600台が相場の底の条件」とみたが、相場は600台突入も当たり前という雰囲気になってきた。