足立 真一のTriton Blog

株式投資の実践、グローバルな視点での投資戦略。
銘柄選択は、成長株、中・小型株、新興市場株にバイアスを置く。

株価は不安の壁をのぼる

2008-01-09 16:58:02 | 株式

昨日のウォール街の市場の混乱振りは、東京からみていても「弾丸の雨」とメディアが表現するように、次から次へと悪材料が飛び出た。

昨年8月のサブプライム問題の発生の引き金となったカントリーワイド・フィナンシャル倒産のウワサが出たし、通信の最大手AT&Tが「個人部門の不振」を理由に業績の減額修正を示唆した。

テクニカル・アナリストの中には「11月の高値から相場は10%下落し、このままいくと長期の下落相場の始まり」を示唆する向きが増えた。

年初来、5日間の株価の下落は1932年以来の記録というデータが問題にされた。1929年の大恐慌時の数字である。

金相場が$880を超え、$1,000も目前に迫ってきた。当然、市場はインフレと結びつける。

先週末の相場のコンセンサス指数のうちAAII指数(個人投資家協会調べ)では、個人投資家の弱気比率が55.2%と記録的な数字になった。いつも強気の個人投資家が完全に弱気に転向した。

しかし東京市場は意外に下値への抵抗感をみせた。

ウォール街の波乱の裏で、政府の景気対策、連銀の0.5%の利下げの素地が固まってきていることは確かだ。米国の政、財、学界には、日本と異なり市場の怖さを熟知した人たちがいる。NY市場は世界で持つとも自由な取引の場である。

このことを読んだ外人投資家が、本日は東京市場でも動いたのではないか。売買代金の上位ランキングには時価総額の大きい銘柄がはいった。ようやく「株価は不安の壁をのぼる」という諺を口にできるような市場のセンチメントになってきたようだ。

需給面では昨年7月の信用取引の高値の圧迫の呪縛から離れようとしている。

目先は任天堂(7974)の反騰に期待したい。

世界のネット販売の王者アマゾン・コムの話によると昨年の12月のシーズンに、同社のオンライン・ショッピングではWiiが“17秒に1台”の割合で売れたという。