相場指標のひとつとして注目されているのに、シカゴ・オプション取引所のVIX(不安)指数があるが、このころ東京市場でも注目する向きが増えてきた。相場の変動を表す指標であるが、数値が大きくなればウォール街の市場参加者は目先、株価は波乱するとみている。
先週末、VIX指数は反転して小反発した。
何を読んでいたのか?
今週金曜日に発表になる11月の雇用統計である。特に今週の発表数字に関心が集まるのは
11日の連銀のFOMCでの利下げの幅に左右するからである。
金利先物市場の予見では利下げの確率は高いが、問題はその幅である。利下げは0.25%か0.5%か?
いまのところ60%の確率で0.25%だが、0.5%になれば、相場には大きなサブライズドになる。
VIX指数が先週末に上がったのは、今週の相場は利下げ幅をめぐって変動する可能性が高いことを読んだからである。
11日までは景気の指標の動きに相場は大きく反応することになるだろう。
東京市場は新興市場の動向が 個人投資家の投資センチメントを左右する。一部には「外人投資家の消極姿勢」が東京市場の相場の方向性の欠如のようにみているが、われわれが注目しているのは個人投資家の動きである。
外人の消極姿勢の理由は、「いくら買っても上がらないのはなぜか?」ということにある。東京市場の相場の需給分析に当ってはこの点に注目しなければ、相場の先行きは読めない。ファンダメンタル面では、企業業績の予想外の大きな悪化がないかぎり、投資価値は歴史的にみても割安水準にあるからだ。