湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

雨上がりの空を眺めて思ったこと

2006年05月20日 | 日常生活
当時の多くのサイクリストたちと同様に、学生の頃は夏になるとテントや寝袋をランドナーに積んで、東北や北海道を走った。重い荷物を積んだ自転車のペダルを一日中漕いで、そろそろどこかテントを張れる場所をさがさないとまずいなと少し心細くなった夕暮れ時に、激しい夕立にあったりすることがあった。そんなときはとりあえず、どこかの小さな商店の軒下や大きな木立の下に自転車と一緒に避難して雨宿りをした。突然降ってきた大粒の雨を眺めながら、地図を開いてどこで寝るか考えながら火照った体を冷やした。そして雨が降り止むとまた走り出した。そんなときの景色がとてもきれいだったことを今日の夕方の強い雨を見ながらふと思い出した。



雨がやみ、だんだんと厚い雲の隙間から陽が射してくる。傾いた夕方の太陽が、濡れた道路から湧き上がったうっすらとした靄のなかに斜めの光を注ぎ込む。そして気づいてみると、いつのまにか空をおおっていた厚い雲がすっかりとなくなって、ちぎったような白い雲がすっきりとした夕暮れの空に浮かんでいる。そんな感じの風景が見れるのではないかと外に出て、少し歩いて写真を撮ってみた。



あの頃は輪行袋に加えて、テントや寝袋それから自炊道具などなど一式を持って旅に出ることをほとんど面倒に思わなかった。いまははっきり言って、キャンプ道具など持たなくても、自転車の輪行だけで面倒に感じたりしてしまう。でも今年の夏は、日帰りでも構わないので輪行でどこか少し遠いところに出かけたいなと思った。別に夕立に遭いたいというわけではないのだけれども、今日の夕方の雨上がりの空を眺めながらそんなことを少し思った。