テントを張ってから、街まで下りてみる。下り坂なので楽には違いないが帰りが怖い。街では、お祭りの最中で道路をふさいで色々と催しがあるらしい。港に行き、その後ペシ岬に登る。鴛泊が一望に見渡せる格好の展望所だ。数十年前にも此処に来たことがあるが少し感じが変わっていた。此処に登ったのは、あの時も今日と同じく夕方だった。沢山の魚船が一斉に港を出て行ったのを覚えている。今日もあのときと同じ光景が見えるのだろうかと期待していたが、船は一艘も動く気配は無い。きっと今日は祭り休みなのだろう。
ペシ岬の麓、付け根の辺りに喫茶店があった。入ってびっくりした。入り口に大きく延ばした利尻岳の鮮明な写真が飾ってあった。迫力満点で、これが写真だと言わんばかり。店内には、数多くの利尻の写真が展示してあって、眺めていたら奥から店の御主人が出てこられ中に案内された。こじんまりとした部屋で、窓の外、眼下には海が広がっていた。コーヒーを頂ながら暫しお話をする。此処のご主人は、約40年ほど前、東京からこちらに移住し喫茶店を始められたそうで、本職は、プロのカメラマン。時々、店を閉めて写真撮影に行かれるらしい。樺太の写真もあった。
後がペシ岬。手前がホテル。その横に隠れて喫茶店がある。以前は、何もなかった。
ペシ岬展望台
展望台下にある灯台
鴛泊の港を眼下に 天気は徐々に下り坂
コーヒーを頂いてからコンビニで買い物をし、坂道を帰る。お祭りはまだ続いていた。天気がはっきりしないので明日の予定が立たない。どうしたものかと思いながら眠る。
翌日、やはり天気はパッとしない。利尻岳は雲の中。仕方がないので、利尻島の見物として自転車で走り回る観光に切り替える。海岸沿いの道を鬼脇方向に進み、途中から姫沼による。天気が良くて風がなければ利尻岳が湖面に映るらしいが今日はダメ。ぐるりと一周し、こんどはサイクリングロードを走る。この辺りのサイクリングロードは、山の中を行くのであまり周囲の景色が見えない。
姫 沼 鬼脇方面への道
しばらくしてサイクリングロードも終わり、一般道と合流する。ポツポツと点在する集落と何処までも続く海岸線を進むがきりが鬼脇まではイヤに長い。疲れてきてそう感じたのかもしれない。鬼脇までと思ったのは、以前、利尻岳の頂上から鬼脇へ下ったことがあるので行ってみたかった。この登山道も今では廃道になっている。ちょっと危険な道だったのを覚えている。
バテてくるし、雨が降りそうそうな気配なので引き返すことにした。
引き返す途中にあったラナルド・マグドナルドの記念碑
道路沿いの小石が敷き詰められた中で、ポッンと咲くリシリヒナゲシ。利尻を代表する花。
港まで帰り、例の喫茶店でコーヒーを飲みテントに帰る。明日は、天気にかかわらず利尻登山をすることに決める。