9月6日(水)、台風接近の情報がある中、毛勝山へ向かう。8時松江発、17時30分片貝山荘前着。片貝山荘をのぞいたら宿泊者1名。明日早朝に毛勝山を目指すとのこと。登山口の様子を聞いて下見に出かける。川沿いに2~3分で僧ヶ岳登山口に着く。その斜め前に橋があり、この橋を渡るとすぐに毛勝山登山口なのだが夕暮れも迫っていてこの日はよく分からなかった。よせばいいのにどんどん奥に入ってしまい、挙げ句の果てにまたまた車の腹をこすり、排気管が壊れる。何とか片貝山荘対岸の駐車場に車を停め車中泊。
翌7日(金)5時頃、山荘泊まりの男性に起こされる。薄くらいなか今から出発とのこと。車で登山口まで行くという。私は頂上でテント泊の予定なので後から行くことにする。それに、車のマフラーが気になる。間もなく明るくなったので車の下に潜り込んで見たら、やはりマフラーが外れていた。押さえたらスポットはまるので捨て縄で縛り付けて応急処置をする。しばらくは持ちそうなので登山口まで行く。僧ヶ岳登山口の斜め前の橋を渡ると通行止めの標示がありクサリが張ってあるのだが、先行者が外してくれていた。昨日分からなかった登山口はここからすぐで、車が停めてあったので分かった。
6時10分スタート。すぐに急な登り。ザックが重いのでゆっくり登る。9時45分、三角点到着。朝飯を食わずに歩いていたのでエネルギー不足らしい。とにかく休むことが多くなる。12時45分、クワガタ池着。ここで大休憩。ついでに水を作る。
三角点はひっそりと
クワガタ池と今登って来た北西尾根
疲労困憊の末にやっと着いた頂上です。14時35分頂上着。
テントを張り終えて写真撮影の準備。剣が・・・。
夕暮れ迫る鹿島槍と五龍岳
月と剣と。最高のロケーションです。
落 日
夕刻、しばらくの間ではあったが素晴らしい天気となる。どこの山小屋か、夕陽を受けて窓ガラスがきらきらと光った。南に剣岳、東に後ろ立山連連峰が見渡せた。そのうち陽も陰ると今度は、日本海側からしきりに雲が流れはじめて、それは毛勝山と剣岳の空間を埋め尽くして後ろ立山連峰に広がっていった。久しぶりに山と出会ったような気がした。
9月8日(木)、日の出を見ようとテントの中から外をうかがう。雲の多い朝だったが、東の空がドス黒い赤に染まり始めた。どんな光景が展開するのかと期待したが、ドラマはほんの一瞬で終わった。赤い柱のような光が東の空に立ち上がったと思ったらすぐに消えて、後は何かボ~ッとした気の抜けたような光のなか、これまたボ~ッとした太陽が眠たげに現れて朝の儀式は終わった。朝食を摂り、テントをたたむ。6時50分、下山開始。7時25分クワガタ池まで下りる。この頃になつて太陽が顔を出す。
秋の風 秋の雲 チングルマの綿毛をつまんでみる
ここまで下りて来て急に疲れが出てきた。ヤッケを脱ぎしばらく寝転んで秋の雲を眺める。降り注ぐ光の中で何時までも居たいと思った。閑かに時が流れているのが分かる。少しうとうとしたが、車の修理という現実が待ち構えているのを思い出し起きる。下山途中、4名の登山者に出会った。それぞれ皆さん単独で、最初に出会った方は、朝3時にスタートしたとのこと。4番目の方は、地元の方らしくゆっくりされていた。今日は、クワガタ池の前でテント泊とのことでした。毛勝山について色々聞く。水のこと、花のこと、春スキーのことなど・・・。クワガタ池の水が飲めることをこの方から聞いた。(しかし、一応濾過するか煮沸しておいた方が良いようだ)
毛勝谷と北西尾根 奥は僧ヶ岳か?
登山口まで下り、恐る恐る車を動かす。ゲートにクサリが張ってあるので車から降りて外す。今朝ほどは先行者が外しておいてくれたものだ。しかし、ここでドキリとした。クサリは間単に外れるようになっていたはずなのだが、今は頑丈な鍵が着いていてとうてい外れそうにない。多分、作業をしている人のいやがらせだろう? 確かに、ここは車の進入は禁止としてあるから文句はいえまい。困って反対側(左側)のクサリはどうかと見たらクサリは単に巻いてあるだけで外れそうだ。ドキドキしながら外して外に出る。橋を渡るとすぐに僧ヶ岳登山口前に出るのだが、ここの駐車場に車が一台停めてあった。横着をせずにここに停めればよかった。
この後、車の修理工場に行くが、修理には部品を注文しないといけないということで今日は無理。一応注文のお願いをして応急処置のまま青海黒姫山の登山口までいってみる。青海から青海川沿いに155号線をしばらく進むと標識があり、産廃処理場の裏手に狭いがきちんとした登山駐車場がある。確認後、道の駅「親不知ピアパーク」まで引き返すが途中、変な音がしだした。とにかく道の駅まで我慢するが気が気ではない。道の駅まで着いて下をのぞくと、固定していた紐が熱で溶けている。再度、新しい紐で結んだが長距離走行は無理なようだ。針金でもあれば良いのだが・・・。
9月9日(金)曇り。7時に青海黒姫山登山口着。軽が一台止まっていた。歩いていたら雨がポツリ。引き返す気にはならないので進む。大分登った辺りで先行者と出会う。雨が降り危険なので引き返すそうだ。かなり高齢の女性で、70歳台だろうか?。それも単独。しかし、年齢や体力それに動作から見ていい判断だと思った。結局、雨はポッリで終わった。
青海黒姫山山頂より 眼下にはヒスイで有名な姫川が。
青海黒姫山へは、7時スタートして10時20分頂上。12時50分下山。頂上へはしばらく石灰岩の尾根を歩く。
この後、焼山登山口へ移動する。焼山へは、国道8号線で姫川(糸魚川)を渡り、しばらく行くと右手に標識がある。笹倉温泉方向だ。コメリで針金とペンチを買ってとりあえず笹倉温泉まで。ここで汗を流し、焼山ゲート口まで行く。登山口はゲートから2時間掛かる。奥で砂防ダムの工事中らしい。
このキャンプ場は、笹倉温泉と焼山ゲートの間にあった。管理人はいない。今日はここで泊まる。明日、車の修理があるので魚津まで引き返し代車を借りることになっている。
9月10日(土)曇り 代車にて焼山を目指す。ゲート前に着いたら、丁度年配のご夫婦が下りてこられたので山の様子を聞く。ここから2時間で登山口で、そこにシエルターがあり、テントは要らないとのこと。今日は、登山口にテントを張り翌日登る予定だった。シエルターのことを聞いたのでテントは車において出発する。2時間近く歩くと工事事務所があり、外からのぞいて見たら男性が机に足をのせて寝ていた。起こして登山口とシエルターのことを聞く。シエルターの説明が要領を得なかったが泊まれそうなので安心する。しばらく進むと妙なものが現れました。
これがシエルターだ 雨も降り出して何かわびしい
発砲スチロールが置いてありました。ベッドがわりになります。
シエルターに溜まった雨水が、イラクサの葉っぱの上にポタポタポタ。風はない。閑かな夕暮れが間もなくやってくる。酒を飲んで気分を紛らす。
「 明日は晴れるか 雨 雨 雨 よ 」 だ。
9月11日(日)晴れ 6時20分スタート。道は良く整備されている。赤いテープの目印もあちこちに。しばらく歩くと展望が開け、焼山の全貌が。
どんどん進んで涸れ沢へ下りる。ここで道を間違える。沢へ下りたら少し下手に目印があったのだが、なぜか上手ばかりをさがす。目印らしきものが見当たらないので上流に向かってどんどん進む。
逆方向に2~3m下がればよかったものを・・・。
沢の両側は泥壁のようでもろそうだ。雨でも降ったら土石流が怖そう。だんだん不安になる。ついにどん詰まりまで来てしまった。引き返す気にもならず、草木をつかんで強引に登る。いよいよ本格的な藪こぎが始まった。滑りそうな急斜面もあり、もう引き返そうにない。必死で上を目指すと、大きな岩の壁に突き当たった。壁は到底登れそうにないので、左に回り込んでみるがこちらはダメ。右手もダメならもうアウトだ。細引きでもあれば引き返すことは可能だが、そんな準備はいっさいなし。遭難でもするのかなと思いながら右手に回り込むと何とか抜けられそうだ。強烈な藪こぎの末に・・・。
やった~。ついに尾根に出ました。ガスっていて何処がどこやらさっぱり分かりません。
ガスが晴れると人の姿が・・・。
どうやら正規の登山道に出た模様です。そして、焼山の頂上に着きました。焼山は、最近までは入山禁止でした。100名山登山の折り、火打岳から眺めた記憶があります。今回焼山の頂上で出会った方の幾人かは、火打から縦走してきた人でした。道はよいそうです。雲がなければ、写真の奥に火打、妙高の山々が見えるはずです。
11時20分、道に迷うも頂上に立つ。
向こうは火打岳への縦走路
14時30分、シエルター着。ゲート着は16時丁度。ちょっと軽率な登山でした。そういえば、残雪の高妻山でも似たようなことがあったっけな~。帰りは忠実に登山道をたどる。道を間違えた所まで降りる。ここで、落ち着いてよく観察しておれば間違えることはなかったものを。
おかしいと思ったら、ストップして周囲をよく観察すること。面倒くさがらないことが大事です。大いに反省しました。(その1終わり)