山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

北の大地 その2

2009年10月23日 | 大雪山系縦走の記録

   北の大地 大雪山系縦走 旭岳から美瑛富士(その2)

 先般、富良野岳からスタートし、美瑛岳まで縦走して断念。その続きを今回は逆コースで歩いてみました。 元々の計画は、富良野岳~十勝岳~美瑛岳~オプタテシケ山~トムラウシ岳~旭岳のコースでしたが、途中の荒天やあの「トムラウシ大遭難」などもあり断念しました。

 旭岳ロープウエイで姿見の駅まで。まずまずの天候に恵まれ頂上を目指します。旭岳に登るのは2度目。本当に久しぶりです。

  ロープウエイから。 紅葉も始まりました。

 

 姿見の池へ ロープウエイ駅にて 

 

 煙は水蒸気。近くまで行けそうです。

 下から見た限りでは雪の心配はなかったが・・・。一瞬心配になる。

 旭岳の裏側は積雪あり。初雪は9月の上旬にあったとのこと。北海道の夏は短い。

 裏旭の野営場には誰一人見えない。かなり前のことだが、夏にここで2泊した。当時は水も流れていて快適なキャンプ場だった。

 雪の旭岳を下り、野営場を過ぎた辺りから広大な景色が広がる。人もまばら、草紅葉が雪に映える。写真は、北海岳分岐を白雲岳の方に下った辺り。

 左上方は白雲岳。中央遙かに旭岳が雲間に。

 白雲岳避難小屋が見えてきた。遙か彼方はトムラウシ?

 

 チングルマとウラシマツツジの赤い紅葉は素晴らしい。

 

  

 前日白雲岳避難小屋に泊まる。テントを張ろうとしたら、小屋の管理人が、クマが出るかもしれないと脅かすので小屋泊まりとした。客数名。銀泉台からここまでは近いらしく、大荷物を担ぎ込んでいる者が多い。 ここから先はもう人の姿はない。いよいよ晩秋のトムラウシに踏み込む。

   

 途中温泉の湯煙を見る。こちらから道はあるらしいが、クマの領分らしく通行禁止とあった。(ガイドブック)

 忠別避難小屋との分岐。

 五色岳へと向かう。ちょっとした登りで頂上(尾根)に出る。

 五色岳頂上から化雲岳に寄った辺りで。ものすごい紅葉が始まっていた。スケール、色合いなど本ルート最大の見せ場か?

  化雲岳、ひさご沼は近い。正面にトムラウシが見えてきた。

 

 化雲岳、ひさご沼、トムラウシ分岐。

 遙か彼方の山脈に二ペソッ山、石狩岳が・・・。

 ひさご沼。避難小屋が沼の左に見えるのだが・・・。

 北沼に着く。ここで単独行の若者に出会う。富良野岳から来たという。途中、クマの糞がいっぱいありビビッたそうだ。

 トムラウシ山。下が南沼キャンプ場。水場もある。今日は一人で貸し切り。白雲岳避難小屋を5時30頃出て、3時頃には到着。あまり登りはなかったので意外と楽。遭難事件は嘘のようだ。

 間もなく雨となる。運が良かった。朝起きると薄氷が張り天気も悪い。結局ここで2泊する。雨の中の行進は面白くないし、危険だ。クマでも出たら最悪だろう。

 

 いよいよオプタテシケへ。旭岳をのぞけば今コース最大の登りが待っている。ここから先は、地元の人でも余り歩かないようだ。距離もあるし、水場も不安定だし、クマもでるらしい。道は最近整備されたらしく、はっきりしていた。しかし、美しいところだ。まさに「カムイミンタラ」の言葉がぴったり。

 影法師を連れて赤い絨毯の上を歩く。いい気分だ。

 オプタテシケ遙か。奧は十勝連峰。

 時々ガスが湧く。

 順不同。南沼キャンプ場近くから見た景色。左奧にオプタテシケ山が隠れている。三川台方面の景色。

 少し古いクマの糞。

 新しいクマの糞。黒々としていた。トムラウシからオプタテシケまでの間にはクマの糞を良く見かける。縦走路、特にハイ松帯の中の道に多い。不思議と足跡は見かけなかった。縦走路を交差するように歩いているらしいが・・・?

 いよいよオプタテへの登りが始まる。これを登り切れば美瑛の避難小屋まではほほ下りだ。双子池の野営場(離れて2カ所ある。要注意)は事前調査ではあまり良い場所ではなかったが、テント数張りは大丈夫だ。この日は、水も流れていた。少し離れた場所にもテント場はあったが、ここは藪の中だ。すぐ横に沼があり水は豊富だが飲料にはどうだか?

 この水場は全くの沼だ。このまま飲むのはどうか?すぐ横にテント場はあるが藪を切り開いたような感じであまりよくない。もうしばらく行くとテント場と水がある。

  オプタテ登り口当たり。山からしみ出た水が流れている。写真右下辺りで数張りテントが張れる。 

 

 双子池全景。

  オプタテシケ岳頂上。天気さえ良ければ大雪山系の果てまで見渡せるはずだ。あいにくのガス。目の前の美瑛岳、十勝岳すら見えない。

           

           

 

 オプタテシケの稜線は赤一色。チングルマの草紅葉がものすごい。

 1ヶ月ぶりの美瑛避難小屋。花はすでに終わり晩秋の気配が濃い。今回も誰もいない。雪も無くなり水の心配をしたが、テント場のすぐ下手に細々とではあるが水が流れ、小さい溜まりもあった。これで水の心配は無くなった。ここには、4時頃に到着した。これで一応大雪山系を果てから果てまでつないだことになる。本来なら、明日  美英岳、十勝岳、富良野岳に登って凌雲閣か白銀荘まで降りれば理想的だが、無理をしないで美瑛富士に登って望岳台に下ることとする。    

       今回の風景                      前回1月前

           

                             

 美瑛富士頂上。ここに登ると白金温泉などが見渡せる。下界に戻ったという気になる。

 写真は美瑛富士と美瑛岳との分岐点。

 右下の十字路が望岳台と十勝岳、美瑛岳、白銀荘への分岐。

 望岳台まで下ったものの帰りのバスは出た後。仕方なく白銀荘まで歩くことにする。途中、リンドウが美しかった。

 

 ついに白銀荘前の登(下)山口キャンプ場に着く。これで今日のねぐらを確保できた。

 

 素晴らしいキャンプ場です。白銀荘は自炊のできる宿泊所(1泊2.500円?)。キャンプ場(一張り500円)は芝生できれいに整備してある。露天風呂(500円)あり。翌日バスを富良野駅、旭川駅と乗り継ぎ後、旭岳登山口駐車場に無事帰る。

 

 キタキツネは観光ずれしていた。

 コースなど

 9月14日(日)    7:45 旭岳ロープウエイ姿見駅 ~ 10:02 旭岳頂上

 ~ 12:00北海岳分岐 ~ 14:00白雲岳避難小屋

 15日(月) 曇り

 5:30 白雲岳避難小屋スタート ~ 8:50忠別岳 ~ 9:40忠別避難小屋分

 岐 ~ 11:40ひさご沼分岐 ~ 13:40南沼キャンプ場

 * キャンプ場到着後雨降る。

 16日(火) 天気悪し 停滞

 天気予報では、今日は雨模様。昨夜来、雨風あり。朝は一面のガスで視界はなく

 いやな天気だ。一時的に太陽が顔を覗かせる。

 17日(水) 晴れ

 6:00スタート ~ 7:15三川台 ~ 11:20双子沼 ~ 14:05オプタテシケ頂

 上 ~ 16:10美瑛避難小屋キャンプ場

 18日(木) 晴れ

 7:30スタート ~8:30美瑛富士山頂 ~ 10:10ポンピ沢 ~ 12:05望岳台

 13:50白銀荘キャンプ場

 19日(金) 曇り

 白銀荘前のバス停からバス。 富良野~旭川~旭岳ロープウエイ駅前駐車場

 20日(土) 晴れ

 200名山スタート。暑寒別岳へ向かう

 

 

 

 

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北の大地 大雪山系縦走 富良野岳から美瑛まで(その1)

2009年08月02日 | 大雪山系縦走の記録

  1年ぶりの北海道。天気具合を見ながら何時行こうかとだいぶ迷った今年の山行だが2日余りの天気マークを見て決断する。とにもかくにも山は天気が一番である。この日(16日)あんな大遭難が発生していようとは思いもしなかった。                              

   富良野岳からの十勝岳    (17日)     美瑛からのトムラウシ

                  

  いつものように舞鶴港からフェりーに乗る。片道29,500円車ごとの乗船だ。舞鶴港0時45分発、小樽港へは翌20時45分着。長い船旅だが結構楽しい。

小樽港には時間通り着く。この日は高速のSAで泊まる。翌早朝、旭岳登山口の駐車場車を停め、旭川行きのバスを待つ。

 雨模様の天気で、ケーブルカーはまだまだ動きそうにない。それでも、トムラウシまで縦走するというパーティーがいた。雨の中ご苦労さん。旭岳登山口に車を置き、旭川駅へ。ここから汽車で上富良野まで。上富良野からバスで白銀荘までとつなぐ。移動に一日かかった。

    舞鶴港                     凌雲閣前、遙かに富良野の町

         

 富良野岳登山口に一番近い宿は凌雲閣。前日、電話で問い合わせると広い部屋しか無く割高。しかたなく、1時間ほど下の白銀荘に泊まることにする。ここは自炊には快適で露天風呂が良い。すぐ前にテント場もあるが、なにせ登山口までは遠い。後で分かったが、凌雲閣の直ぐ下手に国民宿舎カミホロ荘もあった。 朝4時30分、とりあえず登山口まで歩く。結構長いが仕方ない。1時間と10分ほどかかった。

           

 前日の天気が嘘のよう。朝から素晴らしい晴天に恵まれる。中央左が富良野岳。意外に緩やかな登りが続く。  やっと分岐に到着。 富良野岳頂上は目の前だが・・・。ザックを置き花の富良野に見参。

           

  この辺りからお花畑の中を歩くことになる。中央辺りが頂上。8時40分着。

           

 上富良野岳、カミホロカメトック岳の遙か彼方に十勝岳、その奧に美瑛岳が。今日はどこまで行くのやら?

 

                振りかえると遙かに富良野岳が。

                       

   カミホロ避難小屋。近くに水場もあり良いところだがあまり花は見えない。

            

     カミホロ避難小屋から十勝岳を目指す。途中の稜線。花も見なかった?

            

        十勝岳が近付いてきました。カミホロから意外に近かった。

           

     やっと到着十勝岳(13時30分)       十勝岳から美瑛岳への下り

            

  十勝岳は活火山。周辺は岩と砂。荒涼としているので月の砂漠のようだ。

  美瑛岳は近そうだが、そろそろくたびれてきた。足が重い。写真中央が美瑛岳頂上。美瑛岳周辺からお花畑が広がる。

           

 いよいよトムラウシの登場。手前はオプタテシケか?この辺りの景色は素晴らしい。ゆっくり写真でも撮りたかった。

  美瑛岳近くのお花畑。斜面の浸食が進んでいるが、チングルマ群落が美しい。

        

 美瑛岳の下りで発見。レキのストックと飲み物、それに雨具(ズボン)。昨日の遭難者の物か?岩陰に置き忘れてあった。

           

                      美瑛富士

     

           避難小屋。今朝ほどまでヘリが飛んでいたようだが?

                      

   美瑛のテント場。すぐ前を雪解け水が流れていた。運が良かった。

        

  今日も山は静かに暮れて。            避難小屋の影が映っています

        

  白銀荘を4時30分に出発して、美瑛避難小屋に17時到着。疲れがでたせいか、年のせいか知らないが時折腰痛が発生。瞬間的に痛みが走り体が膠着する。        今までこんなことは無かったのだが・・・。

 テント場の前で水をあつめてふと目を上げると年配のご婦人が立っておられた。昨日の遭難のこともあるのでびっくりしたが、オプタテシケからの帰りだそうだ。「お一人ですかと」聞くと、後から「ダメな旦那」が遅れて来るとのこと。これから3時間かけて下山すると言って姿を消す。一瞬、小屋泊まりの登山者かと期待したのだが当てがはずれる。ここは美しい場所だが、なぜか泊まり客もテントもない。ひっそりと静まりかえるだけ。まあ、天気が良いのが唯一のなぐさめとあきらめる。

 天気は明日から下り坂。あの遭難のニュースを聞かなければ大雪山まで行くつもりだったが、やめることにする。明日は先ほどの二人連れが帰った道をたどることにする。

 翌日、美瑛避難小屋前に伸びている下山道を下る。事前に調べもしていなかったルートだが、たぶん望岳台(十勝岳登山口)へたどり着くだろうと当てずっぽで歩く。今日もまだ天気は良い。途中数名の登山者に出会う。ぬかるみの道を歩くこと2時間あまり。やっと駐車場に着くが見知らぬ所。アスファルトの道をどんどん歩く。道の周辺には巨大なフキが生えているが、コロボックスでも出てきそうな感じだ。ポッポツ雨も降り始める。やっと家並みが現れ、バス停も見える。この道は、望岳台へも通じてはいるのだが、白金温泉の方が近い。白金温泉は昨年十勝岳の帰りに寄ったホテルがある。見覚えのある風景の中にあのホテルが現れる。ここで風呂に入り昼食を摂る。直ぐ近くのバス停から旭川行きのバスに乗り旭川駅まで帰る。この頃から雨も激しくなるが、下山して正解。

 バスを乗り継いで旭岳駐車場に着く。明日は札幌の知人とビールで乾杯だ。大雪山系の縦走は、8月に再度チャレンジしよう。

                    北の妖精たち 

 シナノキンバイ    チングルマ    トカチフウロ     エゾノツガザクラ      

     

  コマクサ    エゾノハクサンイチゲ   イワヒゲ       アズマギク 

    

 

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