山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

北海道の山旅 まとめ(その2)

2016年08月26日 | ぶらり

 知床半島は、先端部も含めてまだまだ魅力のある自然が多い。季節にもよるが、これから秋にかけて秋アジ(サケ)等の遡上が始まる。熊たちはこれを待ち構えていて、食うだけ食って冬に備える。多分、この頃の熊はただひたすらサケを食うことに専念しているから、人間などには見向きもしないらしい。邪魔をすれば怒るかも知れないが・・・。春から夏場にかけての熊は、やせ細っていて見るに堪えないらしい。熊の写真を専門に撮るカメラマン達は、この時期の熊は狙わないそうで、秋から冬にかけてまるまる太ってきた奴を撮るそうです。

 知床半島には、基部に斜里岳があり、先端部にウイヌプリがある。その間にある山が羅臼岳、硫黄岳、知床岳などだ。最近注目を集め出している山は、硫黄岳らしい。かなり以前では、地元の人たちによって登られていたらしいが、その後規制がかかってきたらしい。知床岳とウイヌプリは、まさにヒグマの生息地帯のど真ん中といった所か。無理をして行く価値はあまり感じられないが、冒険心のある人向きの山だろう。

                     

 知床の魅了は尽きない。冬の流氷はぜひ体験しておきたい。2月頃だそうです。

 羅臼岳登山は、岩尾別温泉側から登り、羅臼の熊の湯キャンプ場へ抜けるコースがいい。バスも利用出来るし、何より羅臼側に残る雪渓(上端部)に咲くお花畑はぜひ進めたい。但し、アイゼン必携の事(ここを下るなら絶対必要)。

 オプタテシケ山は、春か秋が良い。北海道の花の山としては3本の指に入るのではないだろうか。季節季節によって、大雪山系は、花(春)と紅葉(秋)で埋め尽くされる。そして、どちらの季節も趣がある。

                        オプタテシケ方向から見る美瑛富士と美瑛岳(後ろ)

                        

 オプタテシケ日帰りもあるが、小屋泊まりかテント泊を進めたい。体力のある人には、旭岳、黒岳方面から白雲岳(ここで泊)を経由し、トムラウシ(ここでテント泊ひさご沼には避難小屋有り)とオプタテシケに登り、美瑛富士避難小屋に出るコースを進めたい。最近、ポツポツと歩く人が増えたみたいです。雄大なカムイミンタラ(神々の庭)を独歩する気分は、北アなどでは到底味わえない。

           「  富士に登って山の高さを知り、大雪に登り山の広さを知れ 」 と古人の名言を思い出す。

 大雪山系は、コースの取り方にもよるが途中途中に避難小屋があるからテントはなくても良いと思う。白雲岳避難小屋、忠別岳避難小屋、ひさご沼避難小屋、美瑛富士避難小屋、上ホロカメトック避難小屋など。水も何とかなりそうです。特に、白雲岳から美瑛富士間は人も少なく荒涼とした感もあるが、その分野生のただ中にいる様な気分になる。知床先端部を歩くより良い。

 9月に入り、急に秋の気配が濃くなりました。我が家の「かんぼくの木」の実が色付きはじめました。山々の紅葉便りも間もなくでしょうか。今年は、涸沢、北穂、北尾根五・六のコルあたりにテントを張って穂高の紅葉を撮るつもりです。20日過ぎあたりには出掛ける予定。天気がどうやら・・・。

 7月から8月にかけて、体の調子が良くなくありません。風邪をこじらせたのは最悪で未だグズッています。海水浴では、クラゲに刺されて来れもまだ治らない。その他色々と思わしくないことがある。

                北海道の山旅のまとめが、まとめになっていないようで恐縮しています。ゴメンナサイ 

  

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北海道の山旅 まとめ

2016年08月12日 | ぶらり

 島根から北海道は遠い。しかし、その苦労より北海道の魅力は上回る。しばらくは北志向が続きそうだ。今回の収穫は、知床半島先端部 、知床岬に立てたことだが、長年トラウマになっていた熊への考え方(感じ方)が大きく変わったこともあげられるだろう

 熊に対して色々な事が言われているが、それらは大体に正しい。ただ、知識として知っているだけでは本能的な恐怖感はぬぐえないから、結局は現場で体験するしかない。知床では、一度しか熊を見なかったがそれでも大変良い経験になった。出来れば会いたくない熊だが、熊の方もあまり人間には会いたくないようだ。ここら辺の事は、知床に暮らす漁師さん達はよく知っている。

 熊が漁場近くに出没するのは、やむを得ない理由があってのことで、人間の近くには行きたくないのが本音だと思う。動物の場合は、食べ物の確保が即生きることにつながるから、そういうものがあると分かれば危険を冒してでも出て来ることになる。今の季節熊が海岸部に出て来るのは、はじめはコンブなどの海藻を食べるためかと思っていた。いくらかは食べるかもしれないが、主たる目当ては、打ち上げられたコンブや海藻の中(下)にいるエビの様な虫だそうです。他には、時折打ち上げられる鯨やトドなどの腐肉。この時は、凄い数の熊が群がりむさぼるそうです。遠くの山の中から臭いに釣られ集まるわけで野生のすごさを感じさせられます。

 「文藝春秋」9月号に、最後の熊撃ちと言われる久保俊治さんが最近の熊の行動について書いておられます(老ハンターの願い)。熊は非常に警戒心が強い動物であり、人里に現れることはほとんどないそうです。ただ、時々おかしくなる事(久保さんは狂気と呼んでおられる)はあるとも言っておられる。ただ、知床半島先端部は、人里などないに等しいから熊の領分か人の領分か分からない。人と熊、熊と人の共生地帯といった特殊な環境が成立しているのかも知れない。

                          斜里町「道の駅」で展示されていた新聞記事

                     

 北海道から帰ったら、友人が「NHKで知床半島の特集をやる」というので見ようと思っていたら見損じてしまい、それでお願いをして録画したものを頂きました。

 山岳ライター高橋正太郎さんが、相泊から3泊4日で知床岬に向かう記録です。「にっぽんトレッキング 100」というタイトルでした。空撮もあり、改めて知床の奥深さを知ることが出来ました。高橋さんは、潮のタイミングをうまく図って濡れずに移動しておられた。様子が分かる人は、潮位や高巻き場所などをよく知っているから「ドボン」しないで行けるのかも知れない。そんな、彼も1カ所だけ変な所を苦労して歩いている。「やらせ」もあるような気がした。

 放映が7月?日だったから、6月頃に行っているはずだが、どうもそうではない。出掛ける前にルサフィールドで職員の方と話している場面が出ていて、その時の後ろ壁に熊目撃情報というのが写っていて、見ると6月29日の情報が見えた。と言うことは、出掛けたのは、6月29日以後と言うことになり、放映まではあまり日数がない。

 私が訪れたのは、7月12日(火)で岬の先端付近の番屋の方から、「今年は貴方が初めてだ」と聞いたから7月に入ってからの収録とは思えない。大勢のスタッフを引き連れての移動だから、番屋の方が知らないと言うことはおかしい。

 思うに、収録は何度かに分けていて、さらに船をチャーターしたり、ドローンを利用したりして影像を集めているのではないか?そして、帰りは船を利用しているようですね。

 あの映像を参考にして出掛ける人もいるだろうから、日時(季節、月、時間帯)、ルートなどは正確さが欲しいと思いました。

 収穫のもう一つは、期間限定で「硫黄山~羅臼岳」感の縦走が出来ると分かったこと。世界遺産ではあるけど、申請すればかなりの山歩きが出来そうです。もう少し調べる必要を感じました。

                                                                     ( つづき ) 

 

 

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オプタテシケ山 (その2)

2016年08月11日 | ぶらり

 朝早めに起きる。小屋の中はまだ靜かである。外に出てみるにどのテントも仲良く皆眠っているようで自分一人が早出で気分が良かったが・・・。露の降りている道を歩く。昨日歩いた道だが、朝はまた気分が違う。

                                      手前が美瑛富士 後ろが美瑛岳

                    

                美瑛岳が染まる                                昨日引き返したあたり   

                        

 天気は良いので、眺めはいい。オプタテシケも美瑛も美瑛富士も目の前に姿を現している、彼方に旭岳が見えてくる。昨日無理をしてオプタテシケに登っていたら今日は止めていたかも知れない。

 花の密集しているあたりで、女性が2名しきりに写真を撮っていた。どこからやってきたのかと思ったら、日の出を見るために早くテントを出たとのこと。これにはまいった。多分、美しい日の出が見られたことだろう。

 オプタテシケ最後の登りを終えて頂上に立つ。

  

                                             

 頂上は狭いが、眺望は最高。ここに立つのも何年ぶりかな? 年は忘れたが、季節は秋だった。チングルマは紅葉して一面絨緞を敷いたように真っ赤だった。それが、夕陽に染まって強烈なインパクトを与えてくれた。それが、日本の山々の中でも、もう一度登る価値のある山となったのだろう。

                         オプタテシケ山の向こう側へ下りて見る。 遙かに見える山はトムラウシだ。

                      

                 振り返れば、ホロカメットク山が見える。十勝岳、富良野岳等は山に隠れて見えない・・・。

                       

                                  とにかく素晴らしいの一言に尽きる

           

  

                   イワヒゲ                                  シオガマの仲間

                 

                                            コマクサ

                               

                         北海道らしい風景です。チングルマの群れ中にエゾコザクラが咲いている

             

 怪我をおして何とやって来た甲斐があった。これで、何とか北海道の山旅は終わる。当初の計画とは幾分ズレたが、また来年がある。

  しばらく休養して、秋に備えたい。秋は、北アの涸沢にテントで北穂高あたりから紅葉の山々を撮る予定だ。

   

        

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オプタテシケ山 (その1)

2016年08月10日 | ぶらり

 網走から石北峠を越えて天人峡を見て、美瑛岳・十勝岳への登山基地ともいえる白金温泉キャンプ場へ。ここで北海道に住む大学時代の学友、落合君と落ち合う。彼は、北海道で人気のあるパークゴルフをしながら旅を楽しんでいる最中で、近くにいた。

                                                   後ろのテント二張りが我々のもの。久しぶりにゆっくりと安心して眠れた。

                                               

 翌日、オプタテシケ山へスタート。この日は美瑛富士小屋まで行けばいいのでゆっくりする。約4時間は掛かるけど・・・。登山口にあるゲートのキイの番号は、既に教えてもらっている。2478と偶数が続くので覚えやすい。ここの門を開けて、しばらく車で進むことが出来る。以前は、富良野岳から十勝岳、美瑛岳と縦走してここに下りて来た。あの時トムラウシの大遭難があった。

 駐車場まで入り車を置く。10台くらい車が止めてあってびっくり。人気コースなのだと思ったが、以前は誰もいなかったので変な気がした。いい山なので有名になったのだろうか?

 歩き始めて2時間は良かった。次の1時間も何とかクリヤー出来たが、残りの1時間がきっかった。ザックの重さもあるけど、体が動かない。あと500mの標識が出てきたが、えらい時間がかかった。本当にくたびれて美瑛富士避難小屋へ着いた。テントを張るのも良いけど、小屋が空いているので小屋泊まりにした。以前来た時には、すぐ前を雪解け水が流れていて助かったが、今日は枯れ果てていて水を確保しなければいけない。仕方がないので、荷物を置いてから今来た道を後戻り。10分ほどで雪渓に着き水を汲む。10分ほどだが、歩くのがきつい。

 小屋で寝場所の確保をして、だいぶ時間的な余裕もあるのでオプタテシケ山の下見に出掛ける。荷もないからポツポツ歩けばいい。以前来た時は、小屋のすぐ近くまで花が咲き乱れていた。今回はあまり見ないから時期が悪かったかと思った。しかし、少しはなれてチングルマの大合唱に大感激。

                   

 天気は下り坂なのか、ガスだ出てきた。ガスの向こうにオプタテシケ山が見えるはずだが今日はダメそうで、ここまでと引き返す。オプタテシケ山へは、日帰りができるが行きで6時間、帰り4時間位は覚悟しておかないといけない。

                      

                                    ここのあたりは、花の量が圧倒的に多い。

                        

 小屋には地元登山クラブのボランティアの方達がおられた。登山者の携帯トイレを回収して持ち帰るという大変な仕事をしておられる。他に、携帯トイレについてのアンケートを集めている人もいた。この小屋やテン場を利用する人が増えて、トイレ問題が深刻化して来たらしい。知床の話をしたら、「あそこはまだ人が入らないから」と言っておられた。私は、知床では海岸の波打ち際で済ませた。波が海に運んでくれた。

                       

 夕方、トムラウシ方面から縦走して来たお客が3名ほど到着。2人は男女の外人で、黒岳の方から来たといっていた。黒岳~白雲岳~トムラウシ~美瑛富士のルートだ。長いがいいコースだ。女性の方が、私の隣になったので「頭と足の方向を代えて」寝ることした。以前、富士山で、ギュウギュウ詰めになったことがある。横を向くと目と鼻の先におばさんの顔があってイヤだったのを覚えている。富士さんではあんな異常な状態がまだ続いているようだが、もう少し何とかならないものか? 早めにホー帯を替え、食事を済ませていたので暗くなると同時に寝る。明日は早めに出発だ。

      

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さらば知床 羅臼より斜里、網走そして美瑛・オプタテシケ山へ

2016年08月08日 | ぶらり

 

           知床旅情  (森繁久彌作詞)

知床の岬にハマナスの咲く頃

   思い出しておくれ 俺たちのことを

飲んで騒いで 丘に登れば

 遙かクナシリニ 白夜は明ける

 知床峠

                    

                                     北方領土が見えるはずだが・・・

                               

 

  知床の峠は、今日も霧に包まれて・・・。クナシリは見えない。  峠を越えると斜里町。

           斜里から見る知床半島                           斜里の道の駅で見た切り抜き 熊との共生?                           

                 

 斜里には、北のアルプ美術館がある。                                                            

         山の雑誌「アルプ」に関わった人々の資料、写真、絵等々がずらりと展示されている。すべて、ハイセンスな感じがする。

                     

                               今は無き、串田孫一氏の仕事場等もここに移されています。

                                 

  斜里のキャンプ場・駐車場で車中泊をして網走に向かう。

                           

 網走で思い出すのは、網走刑務所。高倉健主演「網走番外地」はかって一世を風靡した。道の駅の商品に、「網走監獄」の文字が見えます。

                「網走監獄見るにはいいが、入っちゃいけねい」と書いてあります。旧網走刑務所は、今は観光名所です。

                

 網走市は、大きな町で色々見る所もありそうだが、オホーツクの見える能取岬に行くことにした。

                               能取岬灯台                                   ここは放牧地にもなっている

                        

                                       オホーツクに沈む夕陽

                     

   2月頃、この海は流氷に被われる。流氷と一緒に色々な生き物がやってくるという。一度、流氷の上を歩いて見たい。

                             

                 

                  網走番外地 (歌 高倉 健)

                               遙か遙か彼方にゃオホーツク

                            赤い真っ赤なハマナスが

                            海を見てます鳴いてます

                            その名も網走番外地 

 

                                

 

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羅臼岳 羅臼町側からの登山

2016年08月06日 | ぶらり

 知床岬から帰って熊の湯キャンプ場で休養を兼ねてブラブラする。右足は痛むが何とか歩けるので足慣らしに羅臼岳に登って見ようと思った。ここが登れないようなら北海道にいてもしょうがない。2日ほど休養した。この間、島根県出身のカヌーイストに会う。彼も若い頃に知床岬に行ったことがあり、大変だったと言っていた。私が、この歳で行ってきたことにひどく感心していた。カヌーの出発日のタイミングを、仲間と連絡しながら待っているところで、斜里側のウトロ港から出発するそうです。

 レンタルのカヌーで知床岬を回り、相泊まで3泊4日くらいかかるといっていた。相泊には業者がカヌーを引き取りに来て、その車に乗せてもらいウトロまで帰るそうです。明日、羅臼岳に登ると言ったら大変心配をしてくれて、自分の持っていた薬をくれた。いよいよの時に使う薬で、友達の医者にもらったと言いながら手渡してくれた。痛み止めの薬と、もう一つはいよいよ動けなくなったときに使う薬で、この薬を尻の穴につつ込むといいそうです。

 その日は、足湯の場所なども教えてもらって別れた。

 羅臼岳へは、以前斜里側から登ったことがあるので今回は羅臼側から登る。途中雪渓があり、センターの注意書にはアイゼンとピッケルが必要とあった。アイゼンを持ってきているつもりだったが、車の中にないのでアイゼン無しで行く。これが、事故のもとになってしまった 

                        7月17日(日) 4時40分スタート まだ誰もおきていない

                         

 キャンプ場受付の横手を少し行くと登山届けのボックスがある。届け出をのぞいて見ると、毎日1~2名程度の登山者がいるようだ。しばらく沢沿いの道を進み、その内に登りとなる。息が切れ出す頃展望が開けて、そこが里見台。更に泊場へと続く。

                 下界が見える里見台                            テント場でもある泊場  

                               

 羅臼側からの登山は時間が掛かるから泊場でテントを張る人もいるのだろう。テント場は、ここと、羅臼平にもある。足の痛みはそう感じないが体が重い。疲れがとれていないのだろうが登りが続くからだろう。

                また沢が現れる                            開けてきた.右手は硫黄岳方向で、左手奥が羅臼岳。

                           

 幾分藪となっている道を進むと、雪渓が現れる。ルートは、この雪渓沿いにあるのだが、所々雪に埋もれていた。

                   

 斜度のきつい雪渓ではないけどなるべく土の部分を歩くようにした。

                          帰り道で滑落したのは、この上の方だろうか?

                   

 雪啓が終わると、羅臼平と羅臼岳との間に出る。斜里側からは、登山者の行列があり驚いた。

                  雪渓の終わるあたりからちょっとしたお花畑になるが、斜里側から登る人には見えない。

                      

 

                   頂上です。 ここに立つのも何年ぶりだろう。ウトロ港らしき港がかすかに見えた。クナシリは雲の中。

                          

                     早々に下山する人                           硫黄岳方面。その手前が羅臼平。

                         

  8月に入ると、硫黄岳方面の登山が解禁されてカムイワッカの滝~硫黄岳~羅臼岳の縦走(1泊)が出来るそうです。

                                    羅臼平のキャンプ場が見えます

                  

                       エゾツガザクラ                                   チングルマ

                           

               イワブクロ (タルマエソウ)                                      エゾツツジ

                           

                      イワウメ                                          エゾコザクラ

                      

                   チシマノキンバエソウ(?)                                   ウコンウツギ

                            

    

 羅臼側は誰もいないのでゆっくりと写真が撮れた。この後、雪渓下りで滑落する。ストックにプロテクターを付けていたのがいけなくて、うまく雪面に刺さらずし

ばらく流された。ストックを使っての滑落停止は、プロテクターがあるとうまくいかないことが身に染みて分かった。また、今回はニッカーズボンを履いていたの

摩擦が出来て滑りにくかったような気がする。おかげで足の方は何ともなかった。ニッカーズンは、最近あまりはやらないが、やはり登山には良い。

 

                        両ヒジの皮がむけた。2週間も立つのに治らない。毎日医者通い。(我が家にて)

                        

  それにしても、今回は怪我が多い。体力も落ちているからだろう。

  羅臼側からの登山は、大体7時間はかかる。斜里側からだと4時間ぐらいか?私は、往復で12時間かかった。

 薬局でガーゼなど色々と買い、応急処置をして休む。翌日から2日間、羅臼の病院通いをする。水道水で患部を洗い流しながらごしごしこすられて痛かった。化膿止めの軟膏を塗ってガーゼで被い包帯を巻く。翌日、この包帯を外し、ガーゼを剥がされるのだが、ガーゼが傷口こひっついて剥がすのに苦労する。痛い痛い。

  病院通いは、2日間だったが毎日ガーゼを取り替えないとけない。痛いがしょうがない。 足の調子はよいが怪我のこともあるので化雲岳、トムラウシ、ひょうたん池あたりの登山をあきらめオプタテシケ山へ向かう事にする。

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知床半島先端部 トレッキング 知床岬(その5)

2016年08月06日 | ぶらり

 装備など、気づいたこと

          装備等については以下の通り。
       ( 書き落としもあるかもしれないが )

 

    装備等

 

      ザック(60㍑) テント一式(MSRメッシュ・フライ) マット   防水用の荷物入れ(45㍑用)ビニール袋(45㍑)等 

      食料入れのコンテナ ジェットボイル、ガスコンロ(ジェットボイルに収まる)、ガスボンベ(小1コ)   ヘッドランプ ナイフ 

      クマ避けスプレー 笛  ザイル(20m) 浮き袋   予備の電池 タオル トレペ 細紐 イボ着き軍手  地図(途中で濡れ

     て判読不 可)   携帯(濡れて使用不能 もともと圏外?)   コンパス(海岸を歩くので要らない) 手帳類  

   カメラ  ライター                    
                             
   

  服 装                                             
     

     沢登り用のウエアー(上着) 沢用の靴  長靴下 着替え無し  水切れの良いズボン(濡れても歩いていると乾く)

 

  食 料 
   

   乾燥食料(米6食) 乾燥みそ汁(3)同カレー(2) 振りかけ 梅干し ラー メン(1袋 半分にして2回) 酒のつまみ(バタピー 

   など少々)    行動食兼昼食(3日分)パン(2)、チョコレート(1)、キャラメル(2) ゲル状の飲物(2) 水は500cc 1本(途中

   一度補給) ウイスキー少々。

                  * 臭いの出る料理はなるべくしない。
                    * 生水は使わない方が良いです。携帯用の濾過器を持って行けば良かった。                                 

 

  ◎  救急用具は持って行かなかったが・・・。

 

 「  気がついたこと 」 

    ・クマはいるが、笛などを吹いて人間がいることを知らせてやるといい。  彼らはいつも腹が減っている。臭いに敏感。 

  ・高巻き用に漁師がロープを張っている。地元の人や小学生の鍛錬など利用するらしい。ルサフィールドの説明書には、

  これらのロープは信用が置けなくて危険とあるが、実際は頑丈で大丈夫だった。ルサは、立場上そういう表現をしていると思う。   

     従って、ザイルは必要ない。海で、荷物を引っ張る程度の紐があれば良い。   

   ・泳ぐといっても2~3mほど。沢歩きなどで鍛えておれば、高巻きは必要ない。海に入って回り込んだ方が早い(海の状態

   にもよるが・・・)。
   

   ・パッキングがしっかりしていれば浮き輪は要らない。ザックが浮くから・・。
   

  ・体力のある人なら1泊でやれると思う。ルサでは、3泊を進められたが、潮位などを考慮に入れれば、スタート時間が制限(昼か

   ら) されるから3泊となるのでは?。    ・天気が崩れれば大変なことになるので、最低3日の平穏な好天が欲しい。
   

   ・食料を入れる容器は借りたが、かさばる。臭いを閉じ込められるしっかりしたビニール袋などを準備すれば良いと思う。
   

  ・高巻きでは、握力・腕力は使う。しっかりした摩擦の効く手袋が必要。
   

  ・ヘルメットもあった方が良い。岩場歩きが多いからこけて頭でも打ったら終わりだ。
   

   ・地図・コンパスは使わなかったが一応の事は頭に入れておいた。高巻き地点が、場所を確認するのに最適だ。(観音岩 モイ

    レウシ ペキンノ鼻 念仏岩 カブト岩 など )
   

   ・トッカリ瀬は、陸地側が歩けた(帰り)。

 

   * 漁師さんや、番屋の人に出会ったら挨拶をする。人様の庭先を歩かせてもらうわけだから。それに、いよいよの場合は助け

   てもらうことになる。
    

           最後の番屋にいた男性から苦情を聞かされた。マナーの悪い非常識なトレッカー  もいるらしい。

                 ハマナス 念仏岩で                           エゾスカシユリ

                 

                               知床岬の海岸に咲くハマナス

                 

                                     知床岬にて

                                                        (  知床岬 その5 )

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知床半島先端部 トレッキング 知床岬(その4) 

2016年08月04日 | ぶらり

 テントまで帰ったが暗くなるまですこし間がある。明日は早朝の出発だから帰りの準備だ。といっても、ゴミの始末くらい。足の様子を見るため靴下を脱いでみたが何とも哀れな有様です。

         右 足 : 足裏は、親指の付け根にマメ。中指はツメが内出血。薬指と小指は擦れて皮がむけている。

         左 足 : 足裏は、右足に同じで親指の付け根にマメ。中指と小指のツメが内出血。  

 歩いているときはあまり感じないが、こうして休んだりしていると痛くなる。水を汲みに行くのも難儀だ。残りのウイスキーをチビリチビリとやりながら番屋でもらった食料を食べる。おかげで食料はあまった。残飯はビニール袋に入れて少し離れた所に置き、コンテナーに残りの食料を入れ別の所に置く。ルサフィールドでは、コンテナーは、100m以上は慣れたところに置けと指導を受けた。

                    

 テントの中から海が見える。昨日と同じ所に船が2艘いる。漁なのか網の点検なのかよく分からない。クナシリは今日も霞んで見える。7時過ぎに酒もなくなり、いよいよ何もすることがないので寝ることにする。潮騒の音がイヤに大きく聞こえる。夜半星が出ていたが、北の方は雲に被われて何も見えなかった。そろそろ天気も下り坂になるはずなのですこし心配する。疲れているのでよく眠れる。クマ避けスプレーを近くに置いて寝た。

 朝、海の向こうはやはり雲に被われているが、西は青空が・・・。太陽が雲間から出たのが4時20分頃。昨日置いておいた残飯を入れたビニール袋が食い破られていた。足跡から狐の仕業らしい。コンテナも、すこしばかり移動していたが、中身は大丈夫。

 5時過ぎにスタートする。来た道を引き返す訳だから気分的には楽だが体はだいぶ参っている。荷物もそう軽くなってはいない。潮位は来たときよりもすこし高いし、風がある。しかし、気にするほどではない。今日も笛を吹きながら歩く。ルートは、来たときと帰りとではほほ同じだが、大きな岩を回り込んだり、登ったりする箇所は若干違っていたように思う。鹿の角を何箇所かで見つけるが持ち帰れそうにない。頭蓋骨付きは重い。

 1回目の徒渉点に到着。岸辺をへつりながら慎重に進む。胸まで浸かりながらへつり間単にクリヤーする。あまり大きな登り下りはないが、足下の変化は激しい。砂、小石、大石、崖、壁等々。歩く動作に時折飛ぶ動作が入る。中程度の大きさの石と石との間は飛ぶことになる。それで、二番目の徒渉点に来た。かまわず海に入り、ここも胸あたりまで浸かりながら回り込む。濡れて体が重いことと、少し波がある事などで陸の上になかなか這い上がれない。とりあえず、すぐ側にある瀬に這い上がり向こう側へ飛び移った。その時、右膝の後ろあたりが「グギ」と音を立てて、激痛が走る。

 瞬間、頭が真っ白くなった。痛いのと同時に、歩けなくなったのではないかという不安が頭をよぎる。しばらくしゃがみ込んでから、そっとたちあがってみる。痛いが何とか歩けそうだ。

                        無人の番屋までやって来てしばらく休む。右足のつま先に力が入らない。

                    

  流木の中から、杖になりそうなものをさがす。手頃なものはなかなか見つからないけどあるもので済ませるしかない。まだ半分も帰っていない。つま先に力が入らないのでかかとで歩く。まあ、歩けるだけでも良いとしなければいけない。足のまめの痛さなんかはもう全然気にならなくなった。 

 遙か彼方に見えていペキンの岬が、すこしづつ近づき、そして目の前にある。 ちょっとした登りに手(足)を焼いたが、何とか乗り越し反対側に下りる。同じような海岸線をひたすら歩く。間もなくモイレウシ湾ではないだろうかと期待が膨らむ。モウレウシ湾まで着けば観音岩まで2時間くらいで、観音岩まで帰ればもう帰ったようなものだろう。

                         

 足下を濡らしながらまだかまだかと同じような岩壁を何度も回り込むと、ついに着きました。モイレウシ湾へ。漁師さん達が仕事をしている横を、邪魔にならないように行くと、「クマはどうだった」と声を掛けられた。漁師さんから声を掛けられるパターンは決まっていて、行く時は大体「クマがいるぞ」で、帰りは「クマはどうだった」だ。やはり漁師さん達もクマを気にしているらしい。

                                   観音岬が見えてくるがまだまだ遠い

                      

 モイレウシ湾の南側に高巻き用のロープが設置されていて、ここを抜ければ次なる目標は観音岬となる。痛めた右足は麻痺でもしてきたのかあまり痛みは感じなくなった。とにかく、あまり考え事はしないで、早くもなく遅くもないペースで歩く。女滝のキャンプ地を出てからほとんど休んでいないが何とか歩き続けられそうだ。

 観音岬のすぐ手前に、砂浜があり小さな港がある。岩場を回り込むとその港が現れる。砂地に下りると向こうから誰かやってくる。漁師でもないし、トレッカーとも違う。制服を着ていて巾広の帽子がかっこいい。足下は、長めのブーツでかためている。「様子を見にきました」と言われたとき一瞬戸惑ったが、よく見るとルサフィールドの職員さんだった。「元気そうですね」とも言われた。年寄りの一人歩きだから心配を掛けたようだ。

「もう問題の箇所はありません」、「私は、もう少し先まで行ってきます」と言われて別れた。観音岬の高巻き箇所に着く前に川が流れていて、その周囲はちょっとした草むらになっている。ここで、道を間違えてウロウロしたがすぐに正しい道(橋)を見つけて渡る。ロープをたよりに急な崖を登り、急な泥の壁をこれまたロープをたよりに下ると観音岬は終わる。

                           来たときと同じような風景がひろがる。カモメの集会所 

                         

 ついに帰った。何かホットした。しかし、ここから相泊の港までが長く感じられた。流木をダブルストック代わりにポツポツと歩く。くたびれ果てているのは自分でもよく分かるのだが、休む気はしない。しばらくすると、前方に2人ずれが、これまたくたびれ果てたような格好で歩いているのを見つける。最初は、ご夫婦かと思った。私に追いつかれるようだからよほどくたびれているのだろう。そのうちに座り込んでしまった。追いついてお話を伺うと、知床岳からの帰りだそうで3泊4日かかったといわれた。後で分かったことだが、一人は地元ガイド、一人はルサフィールドの女性職員さんでした。

              知床岳とは、魅力的な響きがするが展望もなくあまりおもしろくないそうです。名前にひかれて登るようです。 

 お話をしてから、最後のがんばりと歩き出すがなかなか終点はやってこない。行く手にチラホラ民家が見えて来た。犬が吠える。漁師さんがチラチラこちらを見ている。15時30分くらいか、やっと帰着。やれやれの知床探検が何とか終わりました。

                              ルサフィールドへコンテナを返しに行く。

                  

 この後、相泊の温泉に入り熊の湯キャンプ場へ。

                   

 テントは使わずに、車で寝る。

                                                                              (知床岬 その4)

                      

 

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知床半島先端部 トレッキング 知床岬 (その3)

2016年08月03日 | ぶらり

 今日は、知床岬に立つ日だ。5時に出発する。昨日調べておいた念仏岩を高巻きして反対側に下りる。ここは、20~30m位の高度の崖をトラバースし、最後はほぼ垂直な壁を下る事になるのだが、頑丈なロープがセットされているのでなんにも心配はなかった。スタンスをよく確かめて足を置きロープをしっかり握りながら確実に下りる。ただ、握力を使うから、手袋がしっかりしていないといけない。私は、イボイボ付きの軍手を使つていたがこれで充分だった。ルサフィールドでは、2束ぐらい用意しておいた方が良いといわれていたけど1束で間に合った。

                               念仏岩から見るカブト岩

                 

 念仏岩を巻いて反対側の海岸に下りる。ここもちょっとした湾で小さな港になっている。船が3艘ほど浮かんでいて、テトラポットで海からの波を防でいる。建物があるが人影は見えないかった。そして、最後の難所といわれるカブト岩の高巻きが始まる。取り付き点がはっきりしないのですこし迷ったが、イタドリの生い茂った中に踏み跡を見つける。ロープもあった。ここの高巻きは今までよりちょっと長いが今日は荷物は軽いので特に問題は無い。尾根まで上がり、今度は下降点をさがす。説明書には、ここの下降点にはロープ張られていないとあった。確かにロープは見当たらないが、よく見ると踏み跡というより、水のながれる泥の溝が下の方に向かっている。帰りに気がついたが、このような道(溝)は2本あって、カブト岩に近い方が下り易いし、登り易いようだ。

                          この辺りから下りる。知床岬の先端が見える。

 

                     

 慎重に下りる。道の両脇には巨大なフキが生えているので時々それをつかんでバランスをとる。いよいよ知床岬地帯に入ることになったが、最先端は何処なのかまだ分からなかった。今見えている岬がそうなのか、まだあの向こうがあるのか・・・。

 すこし様子が変わってきたように感じがした。海辺には、さきの尖った岩塔が立ち並び、青い海をバックにちょっとした景色が広がる。突然、犬の吠え声がした。番屋で飼われている犬が私を見つけて吠えだしたらしい。その内の1匹が尾を振りながら近寄ってきた。人なっつこい犬なので頭をな出てやる。他に2匹いたが、これらは遠巻きに吠えるだけで近寄らない。単独行だと、犬でも相手をしてくれるとうれしいものだ。この海岸には、3軒の番屋があり、1軒目は人影がない。2軒目に犬がいて、3軒目でやっと人に出会うことが出来た。

                     知床半島(羅臼側)最後の番屋が見える。右手の建物は廃屋。

                   

 番屋から一人の男性が出てきて「知床岬まで自分も一緒に行く」というので冗談かと思ったがどうも本気らしい。さらに女性が出てきて「一緒に行ってきなさいと」けしかける。私も、連れが出来れば心強いので一緒に行く事にする。歩きながら、いろいろお話を聞いて納得。男性は、毎年この時期に九州からコンブ漁の手伝いに来ていて、今年でもう10年近くになるということだった。九州ではボランテアのガイドをやっているので歩くのは慣れているといいながら急な坂道を先に歩く。76歳にしては元気だ。おかげで知床岬のガイドをしてもらえてすごく助かった。今年ははまだ灯台まで行っていないので連れが現れるのを待っていた。一人では危険(怖い)なのだそうです。

                                     知床灯台

                            

 海岸線を歩き、しばらくすると台地への登りになる。登り切るとそこが知床岬の突端だった。一面の草むらで奥の方に灯台が見える。知床岬灯台だ。「ついに来た」と思った。本当は、ここまで来れるかどうか自信はなかったのだが・・・。

 岬は海に突き出たちょっとした台地のようで、もうしばらくするとお花畑になると説明を受けた。ただし、その頃になると草の背丈も伸びて向こうが見えないらしい。クマがいても分からないから危険だともいわれた。「灯台まで行ってみよう」と男性は歩き始める。こちらはここまでで充分な気もしていたけど行くことにした。草むらの中にわずかだけれど踏み跡らしきものが見える。クマ避けの笛を吹いたり、声を出したりしながら灯台下の階段に到着。「何段あるか数えながら登ろう」と言って登り始めたが、200段近くまで数えた覚えはあるが、途中から分からなくなってしまった。

                               灯台より                            向こうに煙るのがカブト岩あたり

 

                             

 灯台で一休みしてから番屋まで帰る。番屋の女性(ここの奥方らしい。旦那さんは漁なのかな・・・。)から、ジュースやバナナそれにパンを頂いた。16日からコンブ漁が始まるらしい。

 「今朝ほど、家の近くにクマが出ていました。大きなクマが2頭ほどこの近くに棲みついているようです。しかし、お互いあまり干渉しないことにしています。知床のクマは大変おとなしいですね。お互いの存在が事前に分かれば問題ありません。」と言っておられたが、漁師さん達はやはり気になるらしい。

                                     番屋前にて

                  

 漁が始まっていれば、すこし手伝っても良いと思った。しかし、長居は無用なので早々に失礼する。隣の番屋の前では、またあの犬が出てきて寄ってきたが、「もう帰るから、お前の相手は出来ないよ」と言ったら、何か分かったような顔をしていた・・・。

 カブト岩を越え、念仏岩を巻いてテントに帰る。時間的に早かったので、テントをたたんでこのまま帰ろうかと思ったが自信がなかったのでここでもう1泊する。

                       

                                テントがかすかに見えるが・・・。

          

 夜、波の音に混じって石ころが転がってぶつかる音が聞こえる。波にもてあそばれているのだろう。

                         知床の岬にハマナスの咲く頃・・・・・。

     これは、知床旅情の出だし。

                          最果ての番屋に いのちの火ちろちろ

                          トドの鳴く夜は いとし娘(こ)がまぶたに               

                          誰に語らん この寂しさ

                          ランプの火影に 海鳴りばかり

     これは、オホーツクの舟唄(知床旅情の元歌)。いずれも、森繁久彌作詞・作曲。

                                                                   知床岬 その3

 

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知床半島先端部  トレッキング 知床岬 (その2)

2016年08月01日 | ぶらり

 北の夜明けは早い。特に知床半島は、かなり北東寄りだから夜明けも早いのは当然のことか。朝の3時頃、車がやってきてしばらくすると男性が海岸に向かった。持ち物からするに写真を写しにやって来たようだ。

 4時、いよいよスタート。漁師さん達ももう仕事を始めている。番屋から出てきた漁師さんとすこしばかり話したがすぐに歩き出すことにした。車を停めたあたりが人の住む最後の場所かと思いきや、まだ家が数軒、軒を連ねている。観音岩までは石ころゴロゴロの単調な海岸歩きが続く。

                                            観音岩の手前 カモメが集まつている

            

 観音岩は、最初の高巻きポイントだが、何故か海側から回り込むことにした。すこし水に浸かって回り込むと小さな砂地があり、崖のような壁を登り切ると観音様が祀ってある裏手に出た。本当は、このコースは間違っていたのだが、強行突破したことになる。荷を担いで壁を登る自身がなかったので、荷はザイルで引き揚げることにした。高巻きをした方が早かったと思う。 しばらく草地を進む。向こうに砂浜が見えて来て漁師達が網の手入れをしている。邪魔にならないように通過する。たくましく日焼けした若者が数名こちらを見ていた。砂浜が尽きると海にせり出した崖の下あたり、波打ち際を歩く。そして、二番目のポイントとなるトッカリ瀬に到着。干潮の時には歩けるそうだが、どうも今は歩けそうにないので泳ぐことにする。泳ぐといっても3mくらいか?一蹴りで向こう岸に着く。こう書けば何事も無かったように思えるが、実は、ちょっとトラブった。ザックを担いで海に入ったのはいいが、バランスが悪かったらしく泳ぎ始めたらザックが浮きすぎて腰が上がり、逆に顔が水に押し込まれた状態になった。頭を上げようとしてもヘルメットとザックが邪魔をしてうまく上がらないから水から顔を出せない状態になる。すこし慌てた。その内、ヘルメットがずれてきて目を塞ぐ。お先真っ暗の状態でしばらくばたついたが、コンブが手に触り対岸に着いていることが分かった。 水で重たくなった体を引き揚げてホットする。

 その後は、ただ歩く。砂地あり大小の石ころ道あり、奇岩、巨岩は回り込んだりくぐったりしてひたすら進む。海辺のハング気味な岩場をまわり込むと男性に出会う。知床岬の途中まで行き大体の様子も分かったので引き返す所だそうで、今回は下見だそうな。「胸くらいまでは浸かる所はあるがたいしたことはない。要所要所には、漁師さんの太いつながある。」と話してくれてすこし気分も楽になる。海岸から離れ、ロープのある急な坂を登り切ると向こうに家が1軒見えた。ちょったした砂浜があり、船が止めてある。小さな小さな漁港らしい。モウレウシ湾に着いた。ここまで約5時間近くかかったことになる。川があり、水を採って湧かす。今日は、水は500ccのペットボトル1本だから飲んだぶんだけ水を補給する。知床半島のには、あちこちに革があり水が流れている。季節になると鮭・鱒の遡上が見られる事だろう。 

                      モウレウシ湾につく。向こうの岩の基部が回り込める。

              

 ザックを下ろし行食をかじる、ふと見ると、ビニールの中に水が入っているではないか。携帯もヘッドランプも地図も濡れている。携帯は全く使えず(ここは圏外なのだから持ってくる必要はなかった)地図も濡れて読めなくなっていた。かろうじてヘッドランプはついたが調子は良くない。もう少し防水に気をつけておけばよかった・・・。気を取り直して歩き始める。家の前を通ると、中からお年寄りがこちらを見ておられた。湾の浜が尽きるとまた崖に突き当たるが、ここも水際を周り込む。

                           立派な鹿の角。よく見かけた。

                 

 だいぶくたびれ来た頃、顕著な突端が見えて来た。ペギンの岬らしい。その根っこ部分に踏み跡らしきものが遠目にもよく見える。ちょっとした登りで、登り切ると景色が広がる。遠くに人家が見えて、これも漁港らしい。そのすこし向こうに、滝が見えた。あそこがが今日のキャンプ地だ。それにしても遠い。行き着くまでに、4つか5つくらいの出っ張りのような地形がある。そこは越すのか回り込むのか、あるいは泳ぐのか?

               

 海岸まで下りて歩き始める。砂浜には、コンブ等の海藻が打ち上げられている。クマはコンブをエサとしているのだろうかなどどと思ったりしながら進む。ちょっとだけだが海に入る箇所もあり、濡れたまま歩くのはあまり良い気分ではない。体は重くなるし、靴の中はぐちゃぐちゃだ。ただし、靴は沢用だから水のきれは良い。小さな岩の出っ張りを越したり巻いたりしながらただ歩く。結局、今日はクマの姿は見なかったなあなどと考えながら笛を吹きながら歩いていたら、急に小鳥のけたたましい鳴き声が聞こえ、振り返るとクマが・・・。 崖下に生い茂るイタドリの林の中へ逃げて行くクマの後ろ姿・お尻が見えた。

 クマは、慌てて逃げ出したといった感じだったがやっとクマに出会えたことになる。何だかすこし安心した。2~3時間も歩いただろうか。やっと港に着く。ここでも数名の漁師達が網の手入れに余念がない。漁師の一人が、「ここのあたりはクマが出るからな」と冗談交じりに言うが、本当のことなのだ。1日でここまで来たと言ったら「早い」と感心していた。キャンプ地の場所をたずねると「もうすぐそこだ」と教えてくれた。体力的には限界に来ているがもう少し頑張るしかない。キタキツネが物欲しそうな顔をしてこちらを見ていた。毛が抜け替わる時期らしい。

                 

 やっと2本の滝がある砂地のキャンプ地らしき地点に到着した。15時を過ぎていた。明日のことを考えれば、もう少し歩いた方が良いのだけれど無理はしないことにしてテントを張る。

             コンテナはかさばる。もっと良い方法は無いものか?1日2,000円もとられる。

                 

                              女 滝  静かに流れ落ちる。

               

             念仏岩は近い。向こうにカブト岩が見える。夕刻、下見がてらに念仏岩まで行ってみる。

              

    巻くも良し、泳ぐも良しといった感じだが巻くことに決める。明日、朝から水に浸かるのはいあやだからな~。

                 白い漁船が寂しさを紛らわせてくれる。彼方にはクナシリが・・・。

              

 潮騒の音にかすかな滝の音。他には何もない。持ってきたウイスキーをチビリ、チビリ。明日の分を残しておかないといけないからわびしくなる。 

                                                                  (知床岬 その2)                                                                                                                                                             

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