山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

 試練の大山一周

2009年08月28日 | 大山一周マラソン

 2009年8月27日から翌28日にかけて大山環状道路約65㎞を走破。以下にその記録を紹介します。 大山環状道路とは、山陰の名峰大山を一周する自動車道のこと。このたびのコースは、以下の通り。 大山寺~香取~船上山・大父~三本杉~地蔵峠~鏡ヶ成~御机~奥大山スキー場 ~枡水~大山寺  おおよそ65km、長いアップダウンの続くかなりきついコースです。ゆっくり走ってどのくらいの時間がかかるものか挑戦してみました。 一日でやれる自信がなかったので、鏡ヶ成のキャンプ場にテントを張り一日目は大山寺から鏡ヶ成までを、2日目に残りを走ることにしました。  8月27日、朝6時下山キャンプ場をスタート。体慣らしのため中ノ原スキー場まで歩き、ここから走り始める。 気温19℃、風強く、曇り。

            

  香取に伸びるなが~い下り坂。見ただけでいやになるが下りだからまあいいか。

           

 この辺りから望む大山は美しい。道路脇はいつもきれいに手入れされて感心する。葉ケイトウがよく映えて夏の終わりを感じさせる。 

            

 9時50分、船上山展望駐車場着。甲川の橋を過ぎてまもなくアブの群れに追いかけられる。刺されたり噛まれたりでひどい目にあった。大山一周で一番いやな体験だ。ここで小休止をとる。茶園原まで歩き、少年自然の家近くの自販機で水分補給。これから3本杉までの中盤戦の始まり。ながい山越えが始まる。山川木地とか大父(おおふ)木地なの地名が目につく。34号倉敷赤崎中山線。

         入り口                       出 口

          

  大山滝橋から。だいぶやって来たという実感がわく。

             

 三本杉の五輪の塔。大山周辺にはあちこちで見かける。戦乱の悲しい跡か。ここで一休みする。だいぶくたびれた。11時50分。昼食とする。

             

  三本杉を振りかえる。これからが正念場。地蔵峠へのきつい登りが続く。 

              

 地蔵峠にて。ここまでくればしめたものだと思っていたが・・・。13時05分

            

                  野井倉、三本杉を眼下に。

            

     矢筈、小矢筈そして甲              烏ヶ山」も見えてきた

         

 やっと養魚場が・・・。14時05分。                             この辺りから足が痛み出す。走るより歩く方が多い。油切れのような感じだが日頃の鍛錬が足りないからだろう。

             

  新小屋峠を過ぎれば鏡ヶ成。今日の課題は無事達成されたことになる。昨日張っておいたテントが見えてきた。冷たいビールが待っている。ここのキャンプ場は車と単車用だが、ただのテント場もある(あとでわかったのだがテントだけの場所なら無料らしい。わからずに車用のテン場に張ったので3000円かかった。移動すれば良かったのだが、荷物が重かったのでやめた。アホラシイ限りだ)。管理事務所の施設「http://www.qkamura.or.jp/daisen/」にシャワーがあり300円で使えた。近くの国民宿舎では500円でお風呂に入れるとのこと。

 15時20分鏡ヶ成着。9時間30分かかりました。ちょっとゆっくりしすぎか?今の自分的にはこれぐらいが限度。もう少し鍛えたら、1日で抜けられそうだが・・・。

 

             

 食料、水など

 朝車の中でおにぎり1個とジュースを飲む。行動食としてパン1個、大福餅1個、パワーバー1個、ドリンク1個。水300ml1本。途中自販機で300ml4本を飲む。水場はいくらかあるが、自販機の冷たい方が良い。ただし、これは有料です。

 一日目終わり(続き) 

 二日目

 朝6時10分スタート。天気は曇り。午後から雨らしいが午前中には終えられるはずだ。長い緩やかな下りをテコテコ走る。烏ヶ山は全くの雲の中。

          

 途中月見草の群落を見る。ここはかって大根畑だったのだが今は荒れ野だ。御机までは長い下り。下りがあれば登りがある。鍵掛峠までの登りが今日のハイライト。途中、奥大山のスキー場で一休み。自販機でジュースなどを飲むのが唯一の楽しみになった。    

    御机への下り                 奧大山スキー場7時35分

        

 鍵掛峠につきホッとしたのもつかの間。雨が降り始める。ちょっと早い。ものすごい勢いで降る。トムラウシの遭難を思い出した。 

           鍵掛峠 8時15分

           

三の沢にある文殊堂の軒先で雨宿りをする。文殊菩薩は知恵の仏様だから何か良い考えはないものかと思っていたら、ザックの中に雨具があるのを思い出した。軽くて着こごちのよいアウトドアー菊信「http://kikunobu11.exblog.jp/」で買わされた一品。かなり高かった(上下で?万円)しろものだがその価値はある。これを着てスタートしたら雨が止んだ。二の沢、一の沢そして〇沢を過ぎて、いよいよ桝水高原スキー場。少し休んだ後、最後のフィニッシュ。無事下山駐車場に着く。

                   9時45分 到着

       

           

 2日合わせて約13時間かかったことになる。途中歩いたり休んだりしたので走った時間は10時間ぐらいかもしれない。今回は、ゆっくりペースでどれくらい時間がかかるのか、体はどれくらいダメージを受けるのかを知りたかった。これで一応のことは体験できたと思う。長い上り下りのあるコースでの体験だが、平地ではどうだろうか。次回は通して走ってみたい。

 なかなか走りがいのあるコースです。これを読んだ(見た)人はぜひ一度は挑戦してください。Sさん、Fさん、Uさん、そしてもう一人のSさん、いかがですか

 

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北の大地 大雪山系縦走 富良野岳から美瑛まで(その1)

2009年08月02日 | 大雪山系縦走の記録

  1年ぶりの北海道。天気具合を見ながら何時行こうかとだいぶ迷った今年の山行だが2日余りの天気マークを見て決断する。とにもかくにも山は天気が一番である。この日(16日)あんな大遭難が発生していようとは思いもしなかった。                              

   富良野岳からの十勝岳    (17日)     美瑛からのトムラウシ

                  

  いつものように舞鶴港からフェりーに乗る。片道29,500円車ごとの乗船だ。舞鶴港0時45分発、小樽港へは翌20時45分着。長い船旅だが結構楽しい。

小樽港には時間通り着く。この日は高速のSAで泊まる。翌早朝、旭岳登山口の駐車場車を停め、旭川行きのバスを待つ。

 雨模様の天気で、ケーブルカーはまだまだ動きそうにない。それでも、トムラウシまで縦走するというパーティーがいた。雨の中ご苦労さん。旭岳登山口に車を置き、旭川駅へ。ここから汽車で上富良野まで。上富良野からバスで白銀荘までとつなぐ。移動に一日かかった。

    舞鶴港                     凌雲閣前、遙かに富良野の町

         

 富良野岳登山口に一番近い宿は凌雲閣。前日、電話で問い合わせると広い部屋しか無く割高。しかたなく、1時間ほど下の白銀荘に泊まることにする。ここは自炊には快適で露天風呂が良い。すぐ前にテント場もあるが、なにせ登山口までは遠い。後で分かったが、凌雲閣の直ぐ下手に国民宿舎カミホロ荘もあった。 朝4時30分、とりあえず登山口まで歩く。結構長いが仕方ない。1時間と10分ほどかかった。

           

 前日の天気が嘘のよう。朝から素晴らしい晴天に恵まれる。中央左が富良野岳。意外に緩やかな登りが続く。  やっと分岐に到着。 富良野岳頂上は目の前だが・・・。ザックを置き花の富良野に見参。

           

  この辺りからお花畑の中を歩くことになる。中央辺りが頂上。8時40分着。

           

 上富良野岳、カミホロカメトック岳の遙か彼方に十勝岳、その奧に美瑛岳が。今日はどこまで行くのやら?

 

                振りかえると遙かに富良野岳が。

                       

   カミホロ避難小屋。近くに水場もあり良いところだがあまり花は見えない。

            

     カミホロ避難小屋から十勝岳を目指す。途中の稜線。花も見なかった?

            

        十勝岳が近付いてきました。カミホロから意外に近かった。

           

     やっと到着十勝岳(13時30分)       十勝岳から美瑛岳への下り

            

  十勝岳は活火山。周辺は岩と砂。荒涼としているので月の砂漠のようだ。

  美瑛岳は近そうだが、そろそろくたびれてきた。足が重い。写真中央が美瑛岳頂上。美瑛岳周辺からお花畑が広がる。

           

 いよいよトムラウシの登場。手前はオプタテシケか?この辺りの景色は素晴らしい。ゆっくり写真でも撮りたかった。

  美瑛岳近くのお花畑。斜面の浸食が進んでいるが、チングルマ群落が美しい。

        

 美瑛岳の下りで発見。レキのストックと飲み物、それに雨具(ズボン)。昨日の遭難者の物か?岩陰に置き忘れてあった。

           

                      美瑛富士

     

           避難小屋。今朝ほどまでヘリが飛んでいたようだが?

                      

   美瑛のテント場。すぐ前を雪解け水が流れていた。運が良かった。

        

  今日も山は静かに暮れて。            避難小屋の影が映っています

        

  白銀荘を4時30分に出発して、美瑛避難小屋に17時到着。疲れがでたせいか、年のせいか知らないが時折腰痛が発生。瞬間的に痛みが走り体が膠着する。        今までこんなことは無かったのだが・・・。

 テント場の前で水をあつめてふと目を上げると年配のご婦人が立っておられた。昨日の遭難のこともあるのでびっくりしたが、オプタテシケからの帰りだそうだ。「お一人ですかと」聞くと、後から「ダメな旦那」が遅れて来るとのこと。これから3時間かけて下山すると言って姿を消す。一瞬、小屋泊まりの登山者かと期待したのだが当てがはずれる。ここは美しい場所だが、なぜか泊まり客もテントもない。ひっそりと静まりかえるだけ。まあ、天気が良いのが唯一のなぐさめとあきらめる。

 天気は明日から下り坂。あの遭難のニュースを聞かなければ大雪山まで行くつもりだったが、やめることにする。明日は先ほどの二人連れが帰った道をたどることにする。

 翌日、美瑛避難小屋前に伸びている下山道を下る。事前に調べもしていなかったルートだが、たぶん望岳台(十勝岳登山口)へたどり着くだろうと当てずっぽで歩く。今日もまだ天気は良い。途中数名の登山者に出会う。ぬかるみの道を歩くこと2時間あまり。やっと駐車場に着くが見知らぬ所。アスファルトの道をどんどん歩く。道の周辺には巨大なフキが生えているが、コロボックスでも出てきそうな感じだ。ポッポツ雨も降り始める。やっと家並みが現れ、バス停も見える。この道は、望岳台へも通じてはいるのだが、白金温泉の方が近い。白金温泉は昨年十勝岳の帰りに寄ったホテルがある。見覚えのある風景の中にあのホテルが現れる。ここで風呂に入り昼食を摂る。直ぐ近くのバス停から旭川行きのバスに乗り旭川駅まで帰る。この頃から雨も激しくなるが、下山して正解。

 バスを乗り継いで旭岳駐車場に着く。明日は札幌の知人とビールで乾杯だ。大雪山系の縦走は、8月に再度チャレンジしよう。

                    北の妖精たち 

 シナノキンバイ    チングルマ    トカチフウロ     エゾノツガザクラ      

     

  コマクサ    エゾノハクサンイチゲ   イワヒゲ       アズマギク 

    

 

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