山の記憶 (百名山・二百名山・三百名山)

山スキー、その他の山行もあります。

200名山北海道編(その1)

2009年11月28日 | 200名山・300名山

 北海道編(その1) 樽前山、暑寒別岳

   *未完成ですが、順次写真や文章を入れていきます

 
 200名山は北の山々から始める。北の山ー北海道には10座ある。今回は敦賀港からフェリーで苫小牧を目指す。もちろんマイカーを乗せて。  

 09.9.12日(土) 長いようで意外に短い船旅は、苫小牧港で終わる。20時30分、暗くなった日高自動車道を苫小牧市に入り、市役所手前より国道276号線の樽前国道に車を走らせる。 21時50分、モーラップ樽前荘前の駐車場に到着。近くにキャンパー用の駐車場もあったが、夜も遅いのでこの駐車場隅に車を停める。きちんとしたトイレもあり車中泊にはいい場所だ。この山荘はなぜかライダーが多い。
                                                                                                     樽前山1041m 

        中央左が樽前山 右が風不死岳(支笏湖畔より)
      

       恵  庭  岳

 

                                                          翌13日(日)、早々に登山口へ移動。登山口は、樽前山7合ヒュッテ前にあった。この山小屋前にも駐車場とトイレはあるのだが、7号目と言うだけあって山の中だ。夜遅いと道を間違えやすいので要注意だろう。 7時スタート。頂上はいわゆるてっぺんにあるのではなく、外輪山の最高地点にあるので時間的には問題ない。ガイドブックによれば50分ほどの登りである。 小雨とガスを気にしながら登る。途中、イワブクロ(樽前草)を見る。

                  イワブクロ(樽前草)

                     

                      シラタマノキ

            

 外輪山に立つと景色は一変。目の前、カルデラの中に黒く不気味な溶岩ドームが現れる。そのドームから白い噴気が風にあおられ狂ったように流れている。こんな迫力のある山の光景は今までお目にかかったことはない。恐ろしや恐ろしやだ。

 樽前神社

  

  西峯

  

 東山が一応の頂上だが、遠くに見える西山まで行く。今日は天気が悪く風も強いので外輪山を周遊する人はいない。風の強さに加えて手が冷たくなってきた。手袋を持ってこなかったのがいけなかったのだがしょうがない。ストックを持っているのでズボンのポケットに片方ずつ交互に手を突っ込み暖めながら歩く。 

 8時10分、西山頂上。風も強く天気も良くないので風不死岳への道に未練を残し来た道をすぐに帰る。風はますます強まり、体ごと持って行かれそうになるのに耐えながら何とか西山分岐までたどり着く。今日はちょっと危険な山歩きだった。この風の強さは、富士山以来かもしれない。樽前山は小さな山だが恐ろしい山だった。今度登るときは天気の良い日にしよう。そして、風不死岳まで縦走しようと思う。

 樽前山を終え、支笏湖畔で一休み。ここから先ほど登った樽前山が見える。湖を隔てて風不死岳、その奧に樽前山、右手のとがった山は恵庭岳。 少し暇があったので後ろの紋別岳866mに登ってみる。北の方角の山々はよく分からないが、南の方角風不死岳と恵庭岳の間遙かに見えるのは駒ヶ岳だろう。これも200名山だが、登るのは後になりそうだ。 20日(日)、大雪山系の縦走を終え暑寒別岳に向かう。   

                 暑寒別岳1491m


 


 20日(日)、大雪山系の縦走を終え、一路暑寒別岳に向かう。昼前、南暑寒荘登山口駐車場着。 テント場は明るく清潔。芝の上にテントを張れるので快適に過ごせそうだ。時間があるので下見がてらに雨竜沼湿原まで歩く。

                  右手奥に暑寒別岳が
  

季節が季節なら、雲上の別天地かもしれないが、今はもう枯れ果てた草地の中に果てもなく木道が延びているだけ。尾瀬沼を思わせるがそこまでの広さはない。 
 目指す山頂は遙か彼方に見るゆったりとしたあの山だろうか。湿原展望台当たりから引き返す。秋色濃い湿原だが、よく見ると隠れるように秋の花が咲いていた。春のあの華やかさには遠く及ばないが、「そこはかとない美しさ」が漂っている。そういえば、昨年訪れた尾瀬沼によく似ている。
 

21日(月)、5時キャンプ場をスタートする。まだ薄暗く天気ははっきりしない。クマ出没の立て看板を横目に、昨日歩いたコースを急ぐ。なにせこのコース、案内によるとかなりの時間を要するようだ。明るい内に帰るには早立ちが一番。
 湿原に延びる木道には、霜が降り白っぽく光る。その上に足跡を残しながら歩く。

 

 

誰もいない早朝の大気の中、ポクポクと足音だけが響きわたる。天気は良さそうだ。
 昨日やってきた展望台には7時に着く。ここから南暑寒別岳頂上までがやけに長く感じられたのはどうしてだろう。だらだらとした登りで、何度も期待を裏切られながらよれよれになって展望の効くピークに立つ。ここで朝食。やれやれだが遙かに見えるのは利尻富士のようだ。しばらく休んだ後出発する。なんと、南暑寒別頂上は、ここから数分歩いたところだった。深田久弥はこの登りを「急なのか、ゆるいのか、なんだか要領の得ない長い登りであった」と書いている。 

 南暑寒別岳                               

 雨竜沼湿原を一望に

 湿原の彼方、大雪山系の山々が・・・

 南暑寒別から暑寒別岳を望む


 登りが終われば下りとなるのは必定。ロープの固定された急な坂道を慎重に降りる。最近整備されたような、よく刈り払われたネマガリザサの中を行くと、いよいよ暑寒別岳への最後の登りだ。右手遙かに、手つかずの湿原が美しい広がりを見せている。あそこへいく道はなさそうだからきっとクマたちの楽園なのだろう。人の踏み込まない土地があることは良いことだと思った。

 手つかずの湿原 右手は南暑寒別

 


 途中単独の登山者とすれ違う。奥方が下山口に車を回して待っているとのこと。うらやましい限りだ。
 10時40分、暑寒別岳(1491m)頂上に立つ。360度の大パノラマだ。目立つのは山形の整った羊蹄山・シリベシだ。樽前山らしき山も見える。
 日本海白っぽくややかすみがちだが、視界ぎりぎりの海上遙かにぼんやりとではあるが利尻富士が浮かんでいる。その手前の島影は天売、焼尻島らしい。
 北から東に目を移すと、幾重にも重なる山脈が延々と延びている。大雪山系を中心とした山々だろうか。これから向かう天塩岳や石狩岳、そしてニペソツ山等もあの中にあるのだろう。
 程なく反対側の登山口から一人二人と登山者が姿を現す。しばし山のお話をしてから下山とする。登りに5時間40分掛かったから下りは5時間程度と予測する。
 途中、遅れて登って来た2人連れとすれ違い、話し好きの男性としばし情報交換をする。彼らも200名山に挑戦中なのだが、驚いたことに300名山もついでに登っているとのこと。上には上がいるものだと感心して別れる。13時10分、南暑寒別岳まで帰り一安心。ここで遅い昼食とする。途中、水の流れもあったので補給の心配が無かったのはよかった。
 14時30分、雨竜沼湿原に降り立つ。長い木道を歩く。まだ日も高いので人影を見る。16時05分、南暑寒荘キャンプ場に着く。結局、休み時間も入れて11時間05分掛かったことになる。ガイドブックでは、登り7時間40分、下り7時間計14時間40分となっている。これはよほどゆっくりとしたペースだと思う。
 今日はここでもう一泊するつもりだったが、予定より早く降りたのでテントをたたむ。温泉にでも入ってビールを飲みたいのだ。
 車で雨竜町まで下り、温泉を探す。運良くサンフラワーという温泉着きの道の駅にぶつかる。風呂に入り汗を流し、雰囲気の良いレストランで食事をする。明日は手塩岳だ。 

   北竜町 道の駅 サンフラワー北竜 温泉もあり車泊には良いところ

 


 22日(火)、道の駅サンフラワーで朝を迎える。昨夜、雨が降ったらしい。ナビに導かれて手塩岳に向かうが、洗濯物もたまったので旭川のコインランドリーに入る。
 北海道に来て、第一回目の洗濯だ。午後4時、天塩岳登山口着。立派な山小屋があるが無人。中はきれいに整頓され、たき火もできる。