とりあえず、頂上まで登る。
皆さんは、雪に覆われた夏の道をたどって頂上まで歩いておられたが、この日はまだキャラボク林の上に積もっている雪は固く締まっているのでどこを歩いてもはまることはない。もう少し後になればここは歩けなくなります。キャラボク林の下に空洞ができそこに落ち込んで大変なことになる。ここでの経験はないが、かって、立山~薬師~黒部五郎~三俣蓮華~双六~槍ケ岳~上高地とつなげるオートルートに挑戦の折、双六岳手前の雪原で大変な目に遭ったことが思い出される。
あれは、夕闇も迫り間もなく双六の避難小屋が近くなって来たころです。スキーが突然雪に埋まって身動きができなくなった。春の雪解けでできたらしい空洞に胸まではまり込み、身動きができなくなったことがあります。太陽は間もなく沈もうとしているのに体を動かすことができず、大変に焦った。とにかくスキー板を外さないとどうにもならない。それで、ザックの中に携帯用のスコップがあることを思い出して、苦労してザックを背中から外し、やっとのことでスコップを出す。そして、少しずつ雪を掻きだしてスキー板を外し体が自由になってから板を回収した。
もう、暗くなっていたが、なんとか双六岳を回り込み眼下に避難小屋が見えたときはほっとしたものだ。
皆さんお弁当を開いて幸せそうです。天気は最高にいい。
縦走路を少し入ると剣ケ峰から槍尾根など身近に一望できるが、縦走者は見当たらなかった。
大体、今日のような条件なら、縦走も楽しいだろうがそんな冒険者(?)は見かけない。
それにしても、一人のスキーヤーもいないし、ボーダーも見かけない。6号小屋前でボーダーを見かけたが、途中から滑り始めたらしい。
この足跡は、自分が歩いてきたもの。頂上からほぼ、この足跡をたどるようにして目指す沢に滑り込む。
頂上からしばらく続くキャラボク林は気持ちの良い滑降ができた。滑り出しでは、観客もたくさんいた。下の写真の左側の沢に入り、途中から板は外してトラバースするとやせた雪が現れる。そこから板を着けていよいよ本格的な滑りが始まる。
ただ、場所が場所だけに板を着けるのに手間を摂とる。ゲレンデスキーの板のように簡単にセットできない。下手をすれば、板を流しかねない。この写真では分からないがかなりの斜度があり、板を着けられるような平坦なところはない。雪を踏み固めて板が安全置けるような場所を確保しないといけない。かなり神経を使う作業が続く。
いつも思うことだけど、山スキーのビンディングはもっと簡単にセットげきる工夫、開発はできないものか?????
かなりの時間をかけてセット完了。快適な滑りが始まると思いきや、雪の沢はやせて幅が狭いから思い切り滑れない。それに年のせいか思い切りがなかなかつかない。途中で休まないと足の疲れがとれないし、休むと次をスタートするのが怖くなる。それだけ斜度もあり、危険がいっぱいなのだが、なぜかグズグズしている時間が長かった。おまけに、途中バランスを崩して転倒。ずるずると沢を滑り落ち始めたときはギョッとなった。この沢で、滑落して加速ででも着いたら地獄の底まで一直線だ。ストックを使い何とか止まった。
兎にも角にも、横手道までたどり着く。地蔵さんのお世話にならなくてよかった。
雪の重みで倒れた地蔵があったので、起こしてあげようかと思い持ち上げかけたが重すぎてびくともしないのでやめた。
山々は、雪解けに根開けが進む。これは地蔵の根開け?面白い写真だが・・・・・。
大山に見える雪の沢で、この日滑った沢が見える。もう今年はだめでしょう。