知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

地方崩壊論8(崩壊から再生へ)

2010年02月23日 | 国家論
まとめ。

駅前商店街からは、次のことが学べます。

 過去にとらわれて何もしなければ、崩壊する。
 再生のためには、知力と相互の協力が必要。
 そのためには、危機感とリーダーシップが必要。

これを成し遂げたのが、黒川温泉。
他の旅館の温泉作りに協力し、
 温泉街自体の商品価値を高め、客をたくさん呼び込む
ことに成功した。

色彩の統一感を出すために、
 自分の好みの色などを制約
した。

WINWINの関係を築くために協力したからこそ、
客の数が増えた。


商店街も同じ。
客を呼び込むために、
 「何か」を犠牲にする
必要があるわけです。

既得権益を放棄する。財源の負担を受け入れる。
崩壊してしまえば、既得権益など無価値です。



******
中国が成長している理由もここにあります。
中国は、共産国家のように見えますが、
 小平、朱鎔基といった政治家
の力のよって、新たな国家に生まれ変わっています。
(世界史的に見てもかなり優秀な政治家だと言われています。
確かにあの国土と人民と強大な軍をコントロールして成長させていくには、並大抵の能力ではないはず。)

規制を緩和したり、市場経済を導入したり、競争社会を取り入れている。
そして、北京から各省へ権限を委譲し、成果を競わせて、
 次の役職を決める指針
としている。
このシステムは、会社の出世と似ているように思います。
成長率を達成するために、海外企業を誘致したり、経済特区を作ったり、コンサルを入れたり、大学教授と共同で計画を立てたり、まさに、産学連携です。

選挙がない、民主主義でない、言論の自由がない、司法制度が不十分。
確かにそうですが、今の路線が続けば、徐々に民主化し、人権も成熟していくと思います。

日本が衰退しているのは、システムの問題です。
中央集権国家が破たんするときは、いつでも同じです。

効率の悪いシステムにより、負債が巨額になり、重税で対応しようとして、民意が離れる。
その後、革命や異民族に侵入されて崩壊する。

中国が発展しているのは、システムを変えたからです。
眠れる獅子が目を覚ましたのは、システムを変えたことにより、
 春になったんだな
と目が覚めたのです。

日本もシステムが変われば、地方からの再生が図られるはずです。
このことを認識し、じれったい思いをしているのが、橋下知事だと思います。
 大阪の「シンガポール化」
というのは、そういう思いからの発言だと思います。

ただ、時機(国家の財政破綻)が来れば、そのアイデアを実現できるかもしれないので、
それまでは、知事を続けなければならないと思います。

商店街で言うと、長老集団が倒産しまくって、みんなシャッターで閉めてしまったとき。
口うるさい店主が破産して意気消沈し、土地が競売にかかるときです。

 国が、もう、地方に払うお金がないから、自分たちで何とかして。
といってくるはずです。

このときには、既得権益も効果がなくなっています。


*****
若手官僚は、天下りなんて期待していません。
支出のチェックが厳しくなっていることも実感しているはずです。

若手の社員も、「今のやり方では、この会社は先細っていくだけだな。」と思っている人も多いはず。
「無駄が多いな。これをこうすれば、良いのにな。」とか。

地方の商工会などは、
プライドが高くや見栄っぱりな高齢者の事業主が、この不況によって、
 業績が苦しくなって事業をたたんでいる
ようです。

古株の頭の固い長老が去って行ったときに、
 改革ができる下地がそろう
ことになります。

若手社員も若手議員も若手官僚も、そのときまで、
 知的に成長して、力を蓄えておくべき
だと思います。

歴史的にも、次世代のリーダーがじっと待つケースは例が多い。
徳川家康もそのうちの一人。

 グローバル化の流れ、中国などアジアとのパートナーシップ、ネットの威力

よほど勉強好きで、頭の柔軟な経営者でない限り、こういったことを
 理解して戦略に取り込むことは難しい
と思います。
いまだに、中国を蔑視したり敵視している経営者も多い。
こういう人たちの頭の中国は、いまだに毛沢東。

そのくせ、春節だといって、買ってもらおうとは考える。
 パートナーシップを築かずに、いいとこどりで、都合のよいことを言っていても、信頼はされない。


*****
 若い人ほど、柔軟に考えられる
というのは、いつの時代でも当てはまります。

ネットで商品を買うのに、抵抗がある人もそんなにいない。
不快な思いをして、わざわざ、
 狭くて汚く、接客の基本もなっていない店主のいる商店
に商品を見に行く必要もない。

行くとすれば、
 何か別の目的があってそのついでによるとか、
 緊急性があって、すぐ欲しいとか(食事なども含む)。
という程度。

駅前商店街が崩壊するのは、
 不況だからではなく、お金を使う世代が見向きしない
から。

見向きするようにするためには、戦略が必要。

その戦略を実行するには、古い考えを捨てる必要がある。
古い考えを捨てるには、その人自身が変わるか、世代交代が必要。

ただし、人はなかなか考えを変えることはできない。
そのため、強制的に去ってもらう必要がある。

その手段が、不況による自然淘汰。
対応しなければ、いずれ、淘汰される。

駅前商店街も、地方自治体も、国家も同じ。

若い世代は、その時のために、
 知的に成長して準備をしておく。

困難な経済状況の中で、
 自分で自分を経営していかなければならない
からです。

今は、失業保険だ、年金だ、生活保護だ、福祉主義だ、
なんて言っていますが、
 本当に追い込まれた時には、国民全体が気づくはずです。

 そんなカネがどこにあるんだ。
と。

そうなると、日本の国民性は恐ろしい。
全体主義的思想が、一気に国家を襲います。
 自己責任。自助努力。

某紛争地帯で、
 危険を承知でそこに行ったお前が悪い
的な自己責任論が一斉に起こりました。

冷静に考えてみると、いかにおかしいかが分かると思います。
理由はともあれ、国家が国民を救うために努力をするのは当然です。
消防士が、
 お前が寝たばこをしたから、火は消さないよ。
とは、言わない。
 理由はともあれ、火を消すのが仕事だから
です。
消防士は、尊い人命を守るために、火を消すという職務をもっているわけです。

国家は、国民の尊い命を救うという使命をもっています。
 自己責任だから何もしないよ。
というのは、その使命の放棄です。

それが、通用する国なので、おそらく、そのころになると
 準備してこなかったお前が悪い。自己責任だ。
という議論が起こるはずです。

最低限度の生活は、
 「本当に最低限度」
となります。

そして、怖いのは何かというと、
 敗者復活の可能性がない
ということです。

その場合、貧乏人は一生貧乏のままです。

知力をつけようにも、
 知力をつける方法がない
からです。

だからこそ、まだ、余力がある今のうちに
 知力をつけて、自分の身を守る方法
を習得しておく必要があるわけです。

自己責任論が日本国中を覆ったときに、
 力をもっていれば、自分や家族のみならず、周りの大切な人も守れる
かもしれないからです。
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地方崩壊論7(駅前商店街の復活2 テレビ東京戦略)

2010年02月23日 | 国家論
繰り返しますが、あくまでも、考えるトレーニングとしてです。
 お金をもらわず、考える。


テレビ東京戦略(ターゲット戦略)。
朝  子供向け番組。
午前 年金投資家向け株価ニュース。
夜  ビジネスマン(知的レベルが高めで収入も比較的高い層)向け経済ニュース。

時間帯とターゲットを絞り込むことで、
CM枠を買い取る企業のニーズとマッチしやすくする。
ビジネスマン向けの製品については、
フジのクイズ番組のスポンサーになっても効果は薄いわけです。

 朝  子供向け商品
 午前 高齢者向け保険
 夜  ビジネスマン向け商品


これを駅前商店街で生かす。
 朝 出勤時の学生、サラリーマン向け。
  喫茶店・・朝食。新聞。ビジネス誌。資格試験の勉強。テスト勉強。
  ファーストフード。  
  お弁当屋さん。
  果物(バナナ)。
 商店街の欠点は、そこで食べるということを想定していないということ。
   →商店街で買った商品は、フードコートで食べることができる。

 午前 託児所に子供を預けた主婦向け。
    ゆっくりしたい高齢者向け。
    必要なサービスの一元化。
     図書室
     証券会社
     銀行 
     郵貯
    喫茶店。
    洋服店。高齢者向け。
       若い人向け。ネットでも取り寄せ化。
    雑貨屋。
    お弁当屋さん。

お昼 ランチ。

午後 カルチャースクール。
   おいしい焼き立てケーキ。今日のパティシエのブログつき。
   電車に乗って、街に行かなくても、一流パティシエのケーキが食べられる。
    (ケーキ屋のおやじさんも勉強できる。)
   その後、八百屋、魚屋、総菜屋で夕食の材料を買って、託児所へ。

夕方 学生。
    図書室。
    ファーストフード。たこ焼き。ケーキ。

夜  帰宅サラリーマン。
    居酒屋。
   独身サラリーマン。
    定食屋。
    図書室。資格取得のための勉強。


人が商店街にいないのは、
 商店街に行く目的がない
からです。

そうであれば、
 目的を作ればよい。

これが、再生のコンセプト。
そのためには、世代に応じた目的を提示する。

ここに来れば、便利ですよ。あなたの幸せにつながりますよ。
ここでは、朝食。→ファーストフード。喫茶店。
     子育てからの解放。→託児所。
     株のチェックなど(資産運用)。
     おばあさん同士の会話。
     勉強。

人が集まれば、その人がついでに、物を買ったりサービスを受ける。
図書室で、隣の人が使っていた参考書を見て、いいじゃん。
 商店街の本屋へ。
ちょっと、小腹がすいたな。
 おまんじゅうや。フードコート。

こういったことを実現するためには、
 EU同様、主権の制限
が必要となります。

各商店がバラバラにやっていたのでは、実現できないからです。

バラバラでやっていた場合、効率が非常に悪くなります。
ショッピングモールにフードコートがある理由は、
 そこで、すべてのお店の食べ物を食べてよい
ということにして、
 はやる店の席が足りない
 はやらない店の席は余る
という問題を解決するためです。

こういったプランは、実は、実現は不可能です。
若手のコンサルタントが一番苦労するのは、こういった点です。

 アイデアを会社に持っていっても、それを実行することは不可能である
という現実。

昔の考えに凝り固まった人々、既得権益、利己主義。
おそらく、シャッターを閉めた店主はこういうでしょう。
 これは、おれの家だ。なんで立ち退かなければいかんのだ。

商店街全体としての価値という発想がないからです。

個人が利己的になればなるほど、全体としての価値は減っていく。
WINWINの関係を築いていこうという発想がないと、結局は魅力がなくなる。

これは、マンションの住人のところで述べたのと同じです。
マンションの住民一人ひとりが、マナーを守っていたり、
管理費や修繕積立金をきちんと納めているところは、
 資産価値が減らずにすむ。

マナーを守らない人や、管理費を納めない人が増えれば、汚くなったり、環境が悪くなって、
 資産価値が下がる。

結論としては、
 みんなが協力して、お金を出し合ったり、プランを練って、自由を制約しても頑張る。
それにより、集合体の価値が高まる。
それにより、一人ひとりの分け前も増える。
みんながハッピー。WINWINの関係。

 黒川温泉に学ぶ駅前商店街復活プラン。
まぁ、実現は不可能でしょうが、考えるトレーニングにはなると思います。 
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