知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

経営者(経営陣)の能力が一番重要。

2021年12月16日 | 国家論
ボーナスがある企業とない企業。

その差は、その会社が儲かっているかどうか。
そして、儲かっている会社は、経営が上手くいっている。

経営が上手くっている理由は、
 運
というのが、サンデル理論。

ただ、それを言い出すと元も子もないので、
 色々考えていく
と、
 やはり、経営者の能力が重要である
ということになります。

さらに、行き着く先は、運になったとしても・・・
 コロナで影響を受ける事業かどうかは、運だよね
といわれれば、そうなります。
どんなに優秀な経営者でも、旅行業は厳しいため。

出版業界は苦境に立たされる。
若者の本離れが叫ばれたとき、そう言われていました。

そのため、少子化もあり、
 集英社、小学館、講談社は、
 ジャンプ、サンデー、マガジンの売上げが落ち込み、もうだめだろう
と言われていました。

ところが、
 ワンピース、コナン、進撃の巨人
などのコンテンツビジネスによって、大きな利益を上げています。

 雑誌を売る→単行本を売る
というビジネスモデルから、
 雑誌を売る→単行本を売る→アニメを制作する・キャラクターのライセンスを売る→映画を制作する
などの複合的なコンテンツ、ライセンスビジネスを展開し、
 収入源を劇的に増やしている
わけです。

さらに、アマゾンプライム、Netflixなどによって、
 収入源が全世界に増える
ことになります。

この展開は、
 TV業界からすると、既得権益の喪失を意味する
ことになります。

今までは、TV局が中心となって、コンテンツを制作し、放映し、視聴率を取り、CMの枠を売っていました。

ところが、
 これからは、作家(漫画家)と出版社が著作権を独占し、制作会社に政策を委託し、アニメを制作し、
 アニメというコンテンツを放送する権利をTV局に売る
ということになります。
「鬼滅の刃」がこのスタイルです。
そのため、鬼滅の刃は、放送後すぐに配信されるため、視聴率が正しく反映されない(低くなる)わけです。

このスタイルは、
 今後はドラマでも起きてくる可能性があります。

今の日本のドラマがつまらないのは、
 テレビ局が少ない予算で量産している
からです。

そのため、あまり面白いドラマがなく、海外では見向きもされない。
配信サービスでは、海外で日本のアニメは人気ですが、ドラマはあまり売れていない。
日本のドラマは、つまらないからです。

韓国は、人口が6000万人と日本の半分であるため、
 制作段階でアジアに販売することを想定し、予算を組み、プロモーションをかけている。

最近では、タイのドラマが、アジアで人気が出ています。
タイの場合、
 タレントが所属する芸能事務所が中心となって、タレントを育て、ドラマを作る。
 番組内で使うジュースなどをスポンサーとタイアップして、制作費を捻出する。

 「主人公が乗る車の権利を買いませんか」
これがよいのは、TVのCMだと、見ない人が多いのに対し、
 番組内で使われる道具の場合、自然と目に付く。

 ドラマで着ていた服が人気になる
という場合、
 勝手に宣伝することになる
ので、
 漁夫の利を与え、制作側にはお金が入ってこない
ことになってしまいます。

また、
 明らかなロゴなどは、商標権などの関係から、
 動画配信の際にモザイクがかかったり、
 ロゴがないように、番組側で商品を作ったりする
必要が出てきます。
ドラマで、車のエンブレムにモザイクがかかっている場合は、タイアップしていないケース。
モザイクがかかっていない場合は、スポンサー契約や使用許可など、制作に協力しているケース。

海外のドラマでは、あまり意識して制作していないこともあり、
 動画配信の際に修正する
ということもあります。


経営者の仕事は、
 お金を引っ張ってくること
です。

優秀な経営者は、
 ビジネスチャンスを早期に発見し、次の時代にもお金を生み出し、従業員にボーナスが支払えるようにする。

同じことを漫然と繰り返している企業では、
 売上げが徐々に減っていき、ボーナスも徐々に減っていき、あるとき無くなり、先輩がリストラされ、次は自分も
ということになりかねません。


スマホやインターネット回線の高速化は、
 とてつもない変化を生み出しています。

日本は、豊かだった分、IT化が遅れています。

ジリ貧になっていくスピードが緩やかだと、危機感が起こりにくいので、
 もう少し後でもいいかな
という感じで、先送りになりがちです。

 明日までにやらないと、会社が潰れるかも
ということになれば、
 すぐに行動に移す
はず。

これは、
 茹でがえるの理論
と言われています。

徐々に温度が上がっていると変化に気がつかず、
 熱湯に入れられたときの飛び上がって逃げるような行動がとれず、
 徐々に茹でられて死んでしまう。

本当かどうかは、知りませんが、面白いたとえです。

そして、
 今一番茹でられているのが、政治家
です。

国債を発行してもインフレにならないうちは、危機感が沸かないので、
 このままでいいや
と、
 行財政改革をあえて行わない。
抵抗勢力と戦うのは疲れるから、なあなあで済ましてしまう。

会社が銀行借入ができるうちは、借入によって経費を捻出し、
 リストラや将来への投資を行わない
のと同じ。

日本は、現在、
 惰性で生き残っている分野への補助金
 役に立たない、役目を終えた組織を潰す改革

 IT、ロボット、製薬、バイオ開発、エネルギー開発などへの大規模投資
を行う必要があるにもかかわらず、
 縦割り行政のもと、例年通りの予算配分が各省庁で行われている
ため、
 新規事業への大規模な予算は、つけにくい。

 来年から、○○省の関連事業への補助金は、無くします
と言おうものなら、
 抵抗勢力や族議員が騒ぎたて、政権を潰しにかかる
からです。

そのため、
 国難への対応であるコロナ対策ですら、縦割り行政化で割り振られている
わけです。

 国土交通省は、コロナ利権はもらえないだろうな
と思っていたら、
 GO TO トラベル
を打ち出し、大きな財源を確保していきました。

皮肉ですが、本当に頭が良いと思います。
こういったアイデアを、本当の意味で国益に適うように使えないものかと思いますが・・・
劇場型オレオレ詐欺の仕組みを作り出すインテリヤクザと共通するような「知の悪用」の例です。



経営者(経営陣)の能力が一番重要。
ボーナスがない企業と同じように、
 経営者(経営陣)が無能だと、そのシワ寄せは国民が被ることになります。
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大きな政府によるモラルハザードのリスク。

2021年12月10日 | 国家論
格差是正とコロナ対策によって、
 日本は大きな政府へと一気に向かっています。

大きな政府とは、
 国が国民の権利を制限する強大な権力を有する政府
をいいます。

逆に、小さな政府とは、
 国民の自由に委ね、国は軍事(警察)、外交、安全保障など国民ができないことを行うという限られた権限を有する政府
をいいます。

個人的には、
 小さな政府を原則としつつ、例外的に国民が幸せのために、国家権力を行使する
という政府の形態が理想だと思っています。

そして、
 中央政府は、全国一律でなければならない軍事、外交、司法、経済政策などに限定し、
 地方政府が、福祉を含め、国民生活に密接に関連する事務を行っていく。

つまり、
 中央政府は、小さな政府に徹すべき
だと思います。

予算配分も、中央より、地方の方が多いというのが本来あるべき姿です。

クーポン券の配布事務などは地方が行わなければならないため、
 地方の職員がかり出させる
ことになるなど、
 本来、地方の方がお金がかかる
わけです。

今回のような国民にお金をばらまくことは、
 そもそも、政策の目的がはっきりしないため(そのため、検証もできない)、
 おかしいと思います
が、
 仮にばらまくにしても、地方にお金を渡して、自由に配分して下さい
でよいわけです。

地方の判断で、
 現金のばらまき方、クーポンや電子クーポンの利用、児童手当に上乗せして振込み
など自由に決めさせれば良いというわけです。

大阪の松井市長の見解はこういうものですが、
 官僚は、自分の権限を手放したくない
ので、
 あくまでも、手下のように地方(知事、市長、公務員)を利用したい。

そのため、ルールを中央政府が決め、従わせる仕組みを作ろうとします。

このような
 大きな政府の最大のリスクは、中央政府が権力を握ることで、歯止めがきかなくなる
ということです。

権力は拡大の方向に進む。
そして、権力は必ず腐敗する。



 小さな政府の場合、税金の徴収権には大きな制限がある
ため、
 結果として、国民の税金の負担が少なくてすみます。

そうなると、
 お金がないので、中央政府は、権力を暴走したくてもできない。

これが、
 自由に増税できますよ、国債をバンバン発行できますよ
ということになると、
 権力の暴走が始まる。

色々なことに、中央政府が関与できるようにして、
 税金の一部が自分たちの再就職先企業に落ちるようにする。


 民主主義だから、選挙で暴走を止められる
と考える人もいますが、
 知的な国民が少ないと、ばらまき政党に投票します
という国民によって、
 むしろ、暴走が加速することになる。


過大な福祉で手厚く保護される。
その財源は、国債と一部のお金持ちの負担。

今は、まさにそんな感じです。

これが、加速すると、モラルハザードが起きます。
モラルハザードは、
 保険業界の用語ですが、保険をかけると、事故しても修理代が出るからいいや
と安全運転をしなくなり、
 事故率が上がる
ことをいいます。

 人をはねたら、人生が終わる
となれば、
 慎重に運転する。
この原則が、保険によって、崩れてしまうということです。

 福祉主義の充実は、働かなくても、生活保護をもらえばいい
というモラルハザードを生み出す。

 多くの人は、豊かな暮らしがしたい
と考え、
 コツコツ努力し、嫌な上司や客に対しても笑顔で対応している。

これが、原則。

病気や怪我、生まれながらの障害などで働けない人に対しては、
 パラリンピックのようにカテゴライズし、できる作業を細分化し、仕事を割り振る。
最低の生活ができない場合、事情に応じて、金銭やサービスでサポートする。

例えば、障害がある人には、
 保育園や市営住宅を優先的に利用できる措置
 足の不自由な人へブログラミングなど手に職を付ける費用の支援
 対人関係のメンタルに問題がある人には、一人で黙々と作業ができる仕事の紹介
など、
 少ない予算で、ハンディを負った人が幸せに暮らせるシステムを整備する方法を考える。

このようなきめ細かい政策は、中央政府では無理です。
 地方の事情を考慮する必要があるからです。

中央政府がやろうとすると、
 障害年金はいくら
 1世帯の生活保護費はいくら
と決めて実施せざるをえないことになります。

 現金5万円、クーポンは何月に5万円分と決め、全国一律に公平に行うことにした
のも、地方の実情に合わせた政策などできないからです。

そのため、
 例外的にクーポンでなくても、国が認めればいい
と、権力を握りつつ、 
 特別な事情がある場合は、地方の実情を考慮し、例外を認めるという方法にしたようです。

ただ、ルールが明確でないので、
 中央の恣意的な判断により、お前の自治体は、特別な事情に当たらないのに、現金支給をしたから、お金はやらない
と後から言われるというリスクがある。

大阪の松井市長は、国から警戒されているので、嫌がらせのために、
 支給されない可能性が高い。

そのため、
 ルールが明確でないので、現金10万円を1回支給は諦めざるを得なかった
というわけです。

同じことは、ふるさと納税のときにも起きました。
 この自治体は、総務省のいうことをきかなかったから、減税対象にしません。
地方いじめです。


こういう中央官僚が幅を利かせているため、
 行政改革は進まない
わけです。

日本が停滞しているのも、
 新しいことができない
ためです。

新しいことをやろうとすると、従来の組織は潰しにかかります。

大きな政府の場合、あらゆることを規制しているので、
 許認可がおりないと何もできない。

未だに、国産ワクチンができないことから、よく分かると思います。


さらに、分かりやすいのが、中共によるIT企業潰しです。
アントや、アリババがやられています。


大きな政府が失敗だったことは、
 国債発行をしまくった後で、国民が気づくことになる
と思います。

確かに国債発行をしても、日本の場合、自国通貨であり日本が世界有数の債権国であるため、
 直ちにインフレにはなりません。

しかし、
 将来の利益につながる投資ではなく、国民の生活費に充てられた場合
には、
 いずれンフレや金利の上昇となる
からです。

MMTは、
 インフレになった場合は、増税すればよい
と考えています。
つまり、背景には、増税があるということです。

国民の生活費に充てられた場合、投資と異なり、
 国に稼ぐ力がない
ので、
 増税に耐えられず、多くの国民の生活は苦しくなる
はずです。

韓国経済が今まさにそんな感じです。
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