知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

最低賃金1000円目指す?

2019年05月23日 | 国家論
公明党が最低賃金1000円を政府に提言するとのこと。

公明党は、創価学会の影響下にあり、
 創価学会は公営住宅にポスターが貼ってある
ように、
 どちらかというと低所得者層の支持者が多い傾向にある。

そのため、
 貧困対策に取り組む
という姿勢を打ち出すことが、
 参議院選挙の対策になる
というわけです。

支持層を同じくする共産党と戦う戦略です。

ただ、最低賃金の引き上げは、
 韓国で大失敗している
ように、
 貧困対策にはならない。

ぎりぎりでやっている中小企業は、
 1000円も払うなら、人を減らさないとやっていけない
ということになるからです。

従業員にとっても、仕事量が増え、多少の上乗せで割が合うかは疑問です。

また、
 機械化が進む。

ワールドビジネスサテライト(WBS)では、
 生産性向上のための投資が進む
と好意的にコメントしていたものの、
 業種による
と思います。

スーパーでパッキングをする仕事に、
 1000円の付加価値があるか?
ということを考えれば、
 生産性向上という議論が成り立たないことは明らか。

また、ロボット化するコストがペイしないことも明白。

1円でも安く買おうという消費者に合わせるには、
 人件費を削減せざるを得ない。

イオンやヨーカ堂のように大量購入で安くしている企業に対応するには、
 1000円も払えない。

 中小スーパーは、生産性が低いからつぶれてしまえ
といっているようなもの。

現実は、中小スーパーも生き残りをかけて頑張っています。

そのため、
 外国人の実習生を350円の実習費として払っている。

これこそ、貧困問題だと思います。
休日もまともに取れず、奴隷並みの待遇。
国民だけ、1000円保障すればいい!という発想は、
 人権保障を公明党の思想とは相いれない
と思います。

外国人にも、日本国憲法下で人権は保障されています。

今後、1000円になれば、さらに実習制度が進むと思います。


貧困対策は、フードバンク等を積極的に活用し、
 廃棄されている食品をゼロにする
活動を推進して行った方が、
 地球にも低所得者層にも、事業主にもメリットが大きい
と思います。



社会はなぜ必要か?

一人で生きていくのは、リスクが高いからです。
事故に遭ったり、病気になったり、事業に失敗したり、会社が倒産したり、
 自分の力ではどうにもならない状況に巻き込まれる
リスクは誰でもあります。

そういうリスクは、
 100分の1の確率だとすれば、のこりの99人は余裕がある。

その余裕がある99人が少しずつ負担し合って、
 大変な一人を支える
ことで、
 何とか生きていけるようになる。

これが、社会の存在意義。
保険と同じ。

どれだけ、負担するのかを決めるのが国家。

国家の介入は、
 みんなが平穏に暮らせる最小限の介入にとどめる
べきで、
 それを超えて、介入すべきではない。

これが、リバタリアンの発想です。

リバタリアンは、
 原則は自助努力。

ただし、
 リバタリアンも、最低限度の生活の保障が重要である
ということは、認めているので、 
 福祉政策を取ること自体は認めている
人が多い。


民主主義の問題は、
 衆愚政治に流されやすい
ということ。

世界的に、民主主義の弊害が顕著になっています。
イギリスのEU離脱の混乱状況など。

民主主義が正当性を有するのは、
 議論を行い、相互に相手の主張を理解したうえで、
 極端にならないように修正し、みんなの利益になる方法を考える
ということです。

最終的に、みんなで話し合って、
 みんなの意見を反映して出した結論だから、決まった以上、みんなで従おう
というもの。

現在は、 
 多数派支配型民主主義
といって、
 選挙で勝てば、丸どりし、
 少数派に意見や、少数派に配慮した修正をすることをしない
というものになっています。

これに対し、少数派の意見に配慮する民主主義を、
 コンセンサス型民主主義
といったりします。

多数派支配型民主主義に陥らないようにするには、
 ロールズの無知のベール
を被り、自分が少数派である場合も考慮に入れて、
 議決する
ということが求められるわけです。


例えば、
 自分が病気になって、入院し、仕事も辞めざるを得なくなったら…
このリスクは当然あり得ることなので、
 医療保険、社会福祉の必要性は認めざるを得ない
わけです。


自分が最低賃金で生活していたら…
でも、
 最低賃金が上がると、採用してもらえなくなるのでは?
 外国人実習生にとってかわられるのでは?
 選択の自由が減ってしまうのでは?
 韓国では、中小企業がかなりつぶれてしまったけど、うちの会社も倒産するのでは?
 失業したら、むしろ困るのでは?
合理的な選択肢にならないということです。

公明党の参議院選挙対策であると思いますが、
 最低賃金は、年々上がっていく傾向にあります。

時給1000円以下で働いている人は、
 パートやアルバイトではかなりの数になる
ため、
 票につながるからです。

高校生などは、
 850円でもスキルがいらず気軽に働けるところがいい
という人もいたり、
 シルバーなどは、テキパキはできないものの、850円なら雇ってもいい
というケースもあります。

最低賃金の引き上げが職の機会を奪うことになります。


低所得者層の対策としては、
 最低賃金を引き上げても、そもそも働ける時間が少ないケースでは、
 ほとんど、貧困問題の解消にはつながりません。

 150円増えたところで、週20時間しか働いていなければ、
 3000円増えるだけで、月でも1万2000円のアップ。
 (10人雇っていると12万円アップなので事業者は厳しい。)

そのため、貧困対策としては、
 子どもを無償で預けられる施設の設置(多くがシングルマザー)
 延長保育の充実化
 現物支給(フードバンク活動)
 教育の無償化(貧困の連鎖を断ち切るのには、実は一番重要)
 奨学金制度の充実と、就職後の免除制度の実施
 稼げる仕組みづくり(スキルアップの充実)
などの方が、最低賃金を上げるよりも、よっぽど効果があると思います。

国会議員は、
 シングルマザーの現状を知らない
のだと思います。
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格差の時代にどう生きるか?

2019年05月15日 | スキルアップ
フランスのデモ(イエローベスト運動)など
 格差の問題
を理由とするデモが続いていました。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/woman/2018/12/post-114_1.php


デモは暴徒化し、市民からの支持も失ってしまいました。
また、反ユダヤ主義とも結びついてしまったとのこと。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/02/post-11732.php


まず、格差社会が問題というよりは、
 貧困層の固定化が問題である
という点が重要です。

格差の是正を強調すると、共産主義社会に行き着きます。

中国やかつてのソ連から分かるように、
 共産主義社会は、官僚が中心となった独善的な社会
であり、
 結果として、人々は自由を奪われることになる
という点に注意が必要です。

「共産」主義の実行には、
 計画を立てる官僚
が不可欠であり、
 官僚が権力を握る。

官僚が「善人」ならいいわけですが、
 官僚は、自分達の組織の権限強化に邁進する
ため、
 国民の犠牲の上に、官僚のいい暮らし
が成り立つようになります。

そのため、
 官僚と貧しい国民の間の格差は広がる。

これが、共産主義の帰結です。

中国や北朝鮮の官僚の暮らしと、
 貧しい国民の暮らし
を見てみると、
 格差是正の共産社会など、理想でしかない
ことに気がつくと思います。

さらに、共産主義の問題点は、
 豊かな暮らしのために努力する
という意欲が失われ、
 経済も停滞する
ということです。

適度な「欲」は、
 人々を幸せにする。

 幸せに暮らしたい
という「欲」のために、
 嫌な仕事も頑張る。

社会で役に立つ人物になり、高い給料をもらうために、
 勉強したり、スキルを磨いたりする。

どんなに頑張っても、給料が同じだとしたら、
 だれもが最低限の仕事しかしない。

結果、サービスの質は向上しない。

そのため、国家が過度に介入し、
 結果の平等を実現する
という社会は、
 人を幸せにしない。


ただ、だからといって、
 まったく介入しない
となると、
 産業革命時の社会のように、貧困層が餓死する
ことになったり、
 過酷な労働環境で、奴隷のような生活を強いられる
ことになります。

そのため、
 全く、自由に任せるのではなく、
 労働者の権利を認め、人間らしい生活が送れるようにする。

これが、
 修正資本主義
という概念です。

現在は、
 労働基準法などの法律
で、
 労働者の権利が保障されている
わけです。

例えば、最低賃金が定められている。


現在の格差問題は、
 最低賃金程度しかもらえない人

 かなりの年収をもらう人
との格差をどう考えているのかという問題です。

産業革命時の貧困層とは、レベルが違います。


現在の問題としては、
 非正規社員、パートタイマー、アルバイト社員、非常勤職員
など、
 生活がギリギリという人
が増えているということです。

低所得者層の事情としては、
病気で働けない、離婚で養育費がもらえない、
職場でうまくコミュニケーションがとれず長続きしない、
どんなに頑張って働いても、給料が増えない。
など、理由は、様々です。

フランスのデモは、
 マクロン政権下で、ガソリンの高騰や重税などが発端
となり、
 様々な理由で低賃金で苦しんでいる人たちが集まったものでした。

低所得者層を保護しなければならない理由としては、
 誰でもそうなるおそれがある
という点です。

セーフティネットがしっかりしていないと、
 恐怖におびえながら生活せざるを得ない
わけです。

社会や国家が必要な理由は、
 多くの人が集まることにより、
 リスクを減らすことができる
ということです。

保険と国家は同じようなものです。

働けるときに働いて、税金を納めておく。
いざというときに、最低限度の生活は保障される。

働けるときに働いて、保険料を納めておく。
病気の時に、入院費が保障される。


ただ、国家も保険も財源という問題があります。

さらに、
 保険の支払い額が増えすぎる
と、
 保険会社が倒産する
ことになります。

これは、リスクの見積もりを間違えると、
 赤字になってしまう
という問題です。

また、運用コストも問題となります。

保険外交員に報酬を支払いすぎると、
 コストが高くなる
わけです。

ネット系が割安なのは、
 オフィスや手数料の支払いなどのコストが削減できる
ためです。
 

国家という点で見たときに、
 行政のコストを削減し、効率のよい社会保障制度を作る
ことで、
 税負担が軽くなる。

ただ、そのためには、
 政治的リーダーシップと知的スキルが必要となる。

かつての民主党政権での仕分け作業も、
 理念は間違っていない
ものの、
 リーダーシップと知的スキルの欠如
のため、なし崩し的になりました。


国家レベルで期待ができない場合、
 自らが準備する
必要が出てきます。

(稼ぐ)
稼ぐスキルを身につける。
情報を活用できるようにする。
複数の収入源を持つ。
稼げる家族を作る。
(家族も社会の構成単位)
保険を利用する。

(増やす)
運用の勉強をする。

(守る)
コストカットの工夫をする。


(考え方)
格差はなくならない。
ただ、人と比べない。

 上の人の暮らしをうらやんだり、
 下の人の暮らしを蔑んだりしないことで、
 気にならなくなります。

大切なのは、自分や自分の家族が幸せに暮らせるようにすること。
そのために、必要な金額は人によって異なる。

できれば、
 国家からの税金、社会保険料、介護保険料などの名目で徴収される金額は少ない方がよい。
そのために、
 行政コストがかかりすぎていて、毎年アップしているのではないか
をチェックする。
行政に対して信頼できない国家の場合は、福祉主義という名目の元に、
 国民が搾取されていないか
を検討する必要があります。

これが、行政に対する信頼がない社会においては、
 自由主義の方が国民が幸せになる可能性が高い
という理由です。
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