知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

EU債をめぐる対立。

2012年06月27日 | 国家論
僕がよく例えるのが、マンション管理組合。

マンションを購入した人なら分かると思いますが、
 マンションの管理費や修繕積立金は、ヘーベ数により定められていることが多い。

100へーべのお金持ちは、4万円を払ってね。
50へーべの人は、2万円を払ってね。

多少、率が違っても、一般的には差を設けています。

でも、これが公平かどうかは、検討する必要があります。

なぜなら、集まったお金は、清掃やメンテナンスや修繕に使われるわけですが、
 エレベータを使わない2階、3階の住民からすれば、エレベータ関連費用は除いてよ!
と思うはず。
 使わないものにまで、多額のお金を払わされるのは、公平なの?
という問題。

これに対する答えが、
 管理費の使途について、了承して購入した
という「同意」があるので、公平といえるわけです。

これが、正義論でいうところの、「同意」に基づく決定。
2階、3階の住民は、エレベーターは使わなくとも、エレベーターの清掃、メンテナンス、修繕に、
 自分が払った多額のお金が使われることを認めて購入している。



みんなが、同意に基づいて、約束通りに管理費や修繕積立金を払っている。
そういうマンションは、
 きれいで、資産価値が落ちにくい。

ところが、現在、廃墟になっているマンションが増えています。
それは、管理費や修繕積立金を滞納している人が増えているからです。

こうなると、
 一部の人の払ったお金のみで、管理や修繕をしなければならない
から、大変です。

中古マンションを買うときの注意として、
 前の住民が管理費や修繕積立金を払っていたかどうか
をきちんと確認しておかないと、酷い目に遭うことになります。
競売なども要注意です。

マンションの管理を定めた法律で、管理費や修繕積立金は、
 次の購入者に引き継がれる
ということが定められているからです。


 それなら、管理組合は安心じゃん!
と思うのは、結構甘い。

回収するには、裁判をしなければならない。給与を差し押さえなければならない。
お金がない人からは取れない。

 でも、マンションを強制執行すればいいじゃん!
これも、甘い。

たいていが、住宅ローンがついていて、ローンをきちんと払っていると、
 管理費の身で強制執行することは困難。

強制執行には、手続費用がかかるので、
 ただでさえ、管理費の滞納が多くて、財源のない管理組合では、そのお金の捻出も困難。

 それなら売るか!
そういう滞納住民が多いマンションの情報は、不動産屋は当然知っているので、
 高くは売れない。

結局、買った人が損をする。



******
管理費をきちんと払う住民ばかりいるマンションは、きれいで、時折修繕をしていくので、
 資産価値をキープできる。

他方、管理費をきちんと払わない住民がいるマンションは、汚く、修繕ができないので、
 劣化して資産価値も下落していく。


つまり、マンションの価値は、住民が決める。

 マンションを選ぶ際には、どのような住民が購入するのかを調査する必要がある。
ということ。

あまり、激安物件は、普通ならローンが下りない人が集まることが多く、
 滞納者が増える傾向にある
ということ。

これが、共同生活の負の面。

他方で、みんながきちんと払う住民ばかりいるマンションで、大型マンションは、
 共有施設が充実していたり、マンション内に公園があったりと、
 ひとりで生活するよりも多くの恩恵を少ない予算で手に入れられる。

これが、共同生活の正の面。


あれっ、これって、何かに似ているな。

このブログをよく読んでくれている人にはおなじみです。
これは、国家と同じ。

きちんと働いて、税金を納める国民ばかりいる国は、
 充実した行政サービスが受けられる。
よく北欧の福祉国家が取り上げられていますが、
 あのスタイルが成立するのは、500万人の国民が、
 誠実に働き、50%以上の税金をきちんと納めているからです。
 (スウェーデンでは、市民税にあたるコミューン税が平均30%、国税が20%程度、消費税25%)


働けるけど、働きたくないからと、税金からお金をもらう国民ばかりいる国は、
 どんどんサービスが受けられなくなっていき、破綻する。


実は、現在、EUがそういう状況に陥りつつあります。

みんな稼ぎ頭のドイツのお金をあてにしている。

マンションでいうなら、
 一番広い部屋に住んでいる人が、たくさん払えばいい。
 それで、このマンションの管理はできるだろ。
 俺たちは、お金がないんだから、払いたくても払えないんだよ。
 

日本もそうなりつつあります。
 一部の税金を納めている人に、過剰な負担を押し付ける。

ただ、それには、限界があるので、今回、消費税増税を決めたわけです。

税制としては、累進課税を高めたり、相続税率を上げたりするのが、
 金持ちから取る
という発想。

広く浅くというのが、消費税増税。

そのバランスをうまくとっていくのが、租税のシステムを考える上で重要なわけです。

個人的には、累進課税は、どうしても必要であると思いますが、
 不公平感がないようにしていくべきだと思います。

(そのための消費税増税もやむを得ないわけですが、
 会計検査院の権限強化と既得権益の廃止をセットでやらないと意味がない。)

そうしないと、金持ちが逃げ出す事態に陥るからです。

すでに、海外逃亡を図る人が増えていますし、
企業は円高を理由に(本当は、さまざまなコストが上がる懸念を理由に)海外へ移転しています。

EU債をごり押しすれば、
 ドイツがEUから抜けてしまう事態に陥る
と思います。

ドイツからすると、所属しているメリットよりも、
 いろいろな国家にたかられるデメリットの方が大きくなるからです。

マンションで、広いところに住んで、高額の管理費を払い続けて、共同の恩恵を受けるよりも、
 個人の自宅を買ったほうが得だ
ということになれば、
 虐げられた金持ちはマンションをたたき売って逃げ出す
ことになるはずです。

その後の、マンションがどうなるかは、明らかです。


これが、
 国家を税制から考える際のヒントになる
と思います。

税法を学べば、広く浅く公平にという大原則を学ぶはずです。

一人、一票を持っているのは、社会に対する構成員が、
 納税の義務を負担している
からです。
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結局何も変わらない。

2012年06月27日 | 国家論
これから、民主党の造反議員の対応が決められ、
小沢氏の離党、新党という流れとなるのが、濃厚です。

その後、来年の任期満了までの間に、選挙がおこなわれる。

その際に、民主党は、
 マニフェスト違反による反感
 経験担当能力の欠如(結果として官僚主導になってしまったこと)
 リーダーシップの欠如(すべての総理が短命)
などを理由に、
 大敗する確率が高い。

さらに、前回の衆院選の立役者であった選挙参謀の小沢氏と
資金源の鳩山氏を失ったことによる、
 選挙対応能力の欠如
がより深刻な事態を招く。


いずれにせよ、民主党が政権にとどまることはないと思います。
連立の可能性は残されていますが。

そうなった場合、何かが変わるのか?

実は、結局何も変わらないと思います。

この国の問題は、システムの問題なので、
 だれが政権を担おうが変わらない
からです。

例えて言うなら、スペックが悪いパソコンで重たいデータを動かしているようなものなので、
 どんなにタイピングが速い人が打とうが、パフォーマンスは変わらない
ということ。

では、どうしたら?

それが、地方分権による中央集権体制の解体。
これをやろうとしているのが、橋下市長など、地域政党を抱える首長。

地方は地方で自由にやりたいと思っている。
かつては、地方交付税がたくさんでていたので、言うことを聞いていたわけですが、
 今後は、生活保護費などの負担の押し付けをされるばかりで、
 お金がもらえないので、自分でやっていかないと運営ができなくなっている
からです。

 金を出さないのなら、口も出すな
これが、地方の本音。


市町村レベルでいけば、考える範囲は少なくてよいので、
 スペックの小さなパソコンでも十分対応できる。

いわば、ネットブックでサクサク動かすようなもの。

最終的には、そういった各地方の小さなパソコンをウェブでつなぐことで、
 大きなサーバーがなくてもよい
というクラウド的な発想で、
 国家運営を行うことができるということ。

おそらく、これにより、コストは削減され、それなりの行政サービスが可能となるわけです。

もちろん、システムがシンプルになると、
 いろいろなものが外に見えてくる
ので、
 複雑なシステムのもと、甘い汁を吸っていた利権団体にはお金が回らなくなる
わけです。

財団法人何とか協会に回っていた補助金は、
 そんなものは、うちの市町村には関係ない
ということで、
 支出されない。

つまり、システムをシンプル化することで、
 いろいろなところに存在していたバグを取り除くことができる。


これが、僕が地方分権の講義をもとに、大学時代に研究していた国家再生論。

ただ、地方分権については、
 国民の関心が少ない。

理由は、東京中心に国家が運営されているからです。
ネット局などもそう。
東京に住んでいたとき、巨人なんてどうでもよいのに、
 長々とスポーツニュースの時間を占める。

地方出身者は、まず、なんで巨人ばかり?
と思ったはず。
今は、野球自体が人気がないので、そんなこともないかもしれないですが。

さらに、ネットで多様性が生まれていますが、
 現在も、経済などを含めてそういう傾向が強い。

そのため、
 地方に権限を移す
という、
 東京(霞が関、永田町)からすると、不利な制度
を誰も本気でやろうとしないわけです。

これを、橋下市長が知名度を生かしてやろうとしている。
東京中心のテレビ局で培った知名度を生かして、
 東京中心の国家体制の切り崩し
をしようとしているという構造が、皮肉な感じで面白い。


そういうことで、今後、政権交代しようが、現在のシステムでは、何も変わらないはずです。

永田町というコップの中の争いなので、影響力は少ないからです。

維新の会とみんなの党がどれくらい票を伸ばすかにもよりますが、
 公務員の給与の大幅カット

 国会議員の定数の半減
などといった自分の痛みを伴う政策はなされないまま、
 国民の負担はますます上がっていく
はずです。

なんたって、
 1000兆円の国債は、
 1000兆円の国民の資産で賄える
ので、
 暴落の危険はない
と平気で言えるわけですから。

これは、典型的なジャイアン理論。

国民のものは、俺(国家。すなわち財政を決定権を有する国会議員・官僚)のもの。
俺のものは俺のもの。

だからこそ、知的に成長して、
 自分のコントロールできる領域
を増やしていく必要があります。

どんなに環境が悪くなっても、
 知的に成長することで、対応するスキルも上がっていく
からです。

残念ながら、国家論で昔から書いているように、
 すでに国家に期待する
という段階は終わっています。
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新経連発足。

2012年06月25日 | 国家論
http://special.nikkeibp.co.jp/ts/article/ab0f/122747/
楽天の三木谷氏が昨年、経団連を脱退して、
自ら経済団体(新経連)を立ち上げたとのニュース。

これは、あまり報じられていないですが、
結構重要なニュースだと思います。

現在、経営者の集まりは、経団連。
大手企業が集まって、そうそうたるメンバーが名を連ねます。

ところが、高齢化が進み、日本経済を象徴している状態。
オールドエコノミー。
規模の経済。

かつてのイノベーション企業の代表格であるソニーですら、
 オールドな会社になってしまった
ことからも、
 これからの新たな日本を切り開く
というものではありません。

また、経団連の中でも利害関係が対立するので、
 うまく提言をして、政治をリードしていくこともできない。

TPP、法人税の引下げ、労働基準法の改正(労働者派遣の自由化)など、
 経営にとって重要な環境整備
も、うまく進まない。

経団連自体が、大企業病に陥って、新たなことにチャレンジしていく団体ではなくなっているわけです。


 おそらく、このままここにいても、有益な活動はできないだろうな
ということで、
 三木谷氏はITに強い経済団体を作ろう
としているのだと思います。

 ITに強い
ということは、
 グローバル化、規制緩和(自由重視)、スピード重視、自己責任
といった世界基準に近づく企業環境の整備をモットーに掲げることになるはずです。


これからの日本が復活するためには、
 こういったIT企業(グローバルな視点を持っているので、日本の悪いところがよく見える。)と
 橋下市長のような民間出身の首長を有する地方(経営感覚を持っているので、行政の悪いところがよく見える。)
を両輪として、
 どんどん旧体制を変えていく
必要があると思います。

ITが市役所に本格的に導入されれば、コストがずっと安くなります。
住民票など、300円もかからず、プリントアウト代10円。
会社の登記や不動産登記も、700円もかからず、10円。
さまざまな申請もネットから入力できれば、公務員は半数で済むはず。

会議の資料も、クラウドで各議員がアイパットやモバイルPCで見れば、資料の準備(プリントアウト・ホチキス代)も不要。
過去の資料を保管する保管倉庫も不要。必要な時に検索してダウンロード。
特別な情報は、サーバーで管理。
スペースが少なくなれば、空いた分は売却したり、民間に貸せばよい。

市役所内にコンビニや、行政書士事務所、ファストフード店ができれば、
 市民にとっても有益で、テナント料で行政が潤う。

必要なのは、増税ではなく、
 いかにコストをかけず、ほどほどのサービスを提供するか
ということ。

普通の小さな企業の経営者なら、そのことばかり考えています。

ところが、大企業病にかかって、売上がかなり多く、小さなコストを気にしなくてよいとか、
他人のお金が潤沢にもらえる行政とかは、
 こういう発想ができない
わけです。

そのため、収支のバランスが悪くなると、すぐに、
 人を切れ(リストラ)
とか、
 増税しろ、補助金もらえ
というようになるわけです。


特に、日本のように国土が縦に細く、山が多いような国家においては、
 いろいろな問題を解決する
には、ITは最適です。

遠隔地医療が進めば、村役場で最先端の検査ができるようになる可能性があります。
東京の予備校の人気講師の授業が、生徒が1学年一人しかいない学校で受けられるようになる。
資格試験の勉強は、すでにDVDが主流なので、あまり不利な点はありません。
(模擬試験などは不利ですが)

物流システムが促進すれば、
 新鮮な山菜を個人に発送することができる
ようになる。

どうやったら、過疎の村で、生活することができるようになるか。

コストを最小限に、ほどほどのサービスを受けられるようにするにはどうしたらよいか?
その解決がITにあるわけです。
そして、そのために行動するのは、若い世代です。

ITが身近な世代こそが、新たな方法を考え、コストカットをしていくわけです。
そうしなければ、生き残れないという面もありますが、
 そうすることで、今よりももっと充実したサービスが受けられるようになる可能性もあります。

こう考えれば、未来は、もっと明るく感じられるはずです。

新経連がその役割の中心になってくれればいいなぁと思います。
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民主党は分裂すべき。

2012年06月25日 | 国家論
ロジック。

これからは、日本も論理が大切な時代になるはずです。
理由は、
 価値観が多様化している
ため。

インターネットなどもそうですが、
 簡単に異なる考え方に触れられる。


自分の周りには、あまり本を読んだり、勉強をしている人がいない。
昔ながらの考え方や、狭い考えに凝り固まっている人ばかりだな。
そう思って、自分で、いろいろな本を読んだり、
ネットでいろいろな考えに触れたりしている人も多いはず。

一昔前だと、
 ムラ社会

 会社社会
といった自分が所属する団体の価値観により、思考が形成されていたわけです。

会社のために、会社の不正の犠牲になって、自殺する。
そういう人が、かつてはたくさんいました。
会社人間というやつです。

ところが、今では、
 会社が平気でリストラする時代
であるため、
 転職も多く、会社のために死ぬなんてばからしい
という人が普通になりました(これはよいこと)。

これが、考えが多様化しているということ。

自分の考えを押し殺して生きていかなければならない時代。
そもそも、所属している団体の考えに疑問を持つことすら許されなかった時代は、終わったわけです。

これを、僕は「分化」と呼んでいます。

社会と個人が
 切り離されて「分化」している
ということ。

嫌なら、気軽に出ていける。

そういう時代では、まとまらなくなるわけです。
今までは、
 会社のルール。
 ムラの掟。
そういった暗黙の了解があった。

それが、会社や村などの所属団体との結合が緩くなることによって、
 いうことを聞かなくてもよくなる。


自分の考えで行動できる時代。
もちろん、自分の行動の責任は自分で取ることになります。

こういう時代で大切なのが、論理。


共通の価値観がなくなった場合に、
 人々がまとまるために必要なのが、論理。

実は、法律も論理です。

アメリカが、なぜ、法にうるさいのかというと、
 人種のるつぼ
ということが関連しているというのが、僕の見解です。

つまり、共通の価値観が乏しいので、
 厳格にルールで定めておかないとまとまらない
わけです。

そのため、法やロジックが重視されます。
小さいころから、議論のトレーニングをするのも同じ理由です。

相手をロジックで説得し、
 解決策を探る
必要があるわけです。

日本の場合、今後の付き合いだとか、親がお世話になったのかとか、世間の目だとか、
 そういった慣習(不文法、恥の文化「菊と刀」を読むと出てきます)のほうが重視されていた
わけですが、
 アメリカにそんなものを持ち込んでも、そもそも人種が違うので、意味がない
わけです。

裁判所や弁護士相手に、情に訴えるのが意味がないのも同じ理由。
彼らは、ロジックの世界で生きているので、
 感情にされないようにトレーニングされている。


そして、ロジックがなぜ重要かというと、
 誰に対しても、同じ結果となる
ため、
 分かりやすい
からです。

 かつての自動車の価格のように、声が大きい人や交渉がうまい人は、割引が大きい
ということになると、
 それ以外の人は損をしたように感じる
はずです。

それが、
 誰に対しても、同じ価格だよ
ということになれば、安心できます。

これが、法律の重要な「平等原則」。
誰に対しても、平等に適用される。

ロジックは、個々人の考え方に左右されないので、
 みんなが納得できる(納得せざるを得ない)解決となる
わけです。

情による解決は、そんな情を持ち合わせていない人からすれば、
 納得できない!
となるわけですが、
 法律によるとそうなる
と言われると、納得せざるを得ないわけです。

これが、論理による解決。


ここで本題。

今の政治が分かりにくいのは、ロジックが通用しないということ。
政治における一番重要なロジックは、憲法です。

このブログで憲法に度々触れているのは、そういう理由からです。
憲法を学んだことがない人が国会議員になるなんて馬鹿げているというのも、同じ理由。
国会議員は、町内会役員とは異なるからです。
町内会は、情や権威による解決が許されても、
 多様な考えを持つ国民が生活している国家においては通用しない。

すべて、憲法というロジックにより、明確に運営されるべき。

そのため、
 同じ政党内に、税制という国家のこれからのビジョンをことにする政治家が多数存在する
というのは、
 このロジックに反する
わけです。

もちろん、政党は、多様な政治的意見の集約のための組織なので、
 多少の差は認められる
わけです。

ところが、共産主義と市場主義とは成り立たない。
同じように、大きな政府と小さな政府も成り立たない。
アメリカでは、共和党と民主党がなんとなく、差別化できるのは、
 この大きな政府(福祉)と小さな政府(介入への規制)といった差別化がそれなりにできている
からです。

ところが、日本は、民主党と自民党とみんなの党の差別化がうまくできていない。
民主党内に、大きな国家論者と小さな国家論者がいる。

では、なんのためにまとまっているの?

選挙のため。
とりあえず、当選できれば、何党だろうがかまわない。

だから、分かりにくい。

この選挙区では、自民は昔から○○さんが出馬しているから、
 民主で出馬しないといけないんだよね
なんて、政治家も結構います。

政治的な思想信条も、あまり勉強していないので、よく分からない。
とりあえず、選挙に受かりやすい政策を選ぶ。
 年金を守ろう。
 高齢者に優しい街づくりを!


消費税増税の賛否は、
 国家レベルのテーマなので、マニフェストの変更があれば、解散総選挙で民意を問う
というのが、筋です。

 増税しなくても、仕分けで削減すれば、予算は捻出できる
っていったから、票を投じた。
 ⇒民意の形成

これが、異なれば、契約違反として、解除できる。
選挙。

このような選挙の際に、争点にならなかった重要問題の解決のために行うというのが、
 「衆議院の解散が許される事由」の代表格(芦部「憲法」)。


民主党が分裂するのであれば、数の点で、内閣不信任案が通る可能性が生まれる。
そうなると、衆議院が解散され、選挙となる可能性が生まれる。


個人的には、
 既得権益を撤廃し、公務員の人員を削減し、国会議員の人員を削減し、
 効率化のため、地方に権限を委譲し、
 その財源として、消費税増税を行う
というスキームであれば、一つの方法かなと思います。

このままだと、いろいろな名目で、どんどん負担が重くなり、問題の解決にならない。
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東電問題。委員長、遅いって。

2012年06月21日 | 国家論
http://www.asahi.com/business/intro_m2/TKY201206200717.html

このブログでも書いたことがあったと思いますが、
東電は、確実に債務超過。そのため、破綻させるべきだという話。

*****
http://www.asahi.com/business/intro_m2/TKY201206200717.html
 「ぶっちゃけたことを言うと、初発(はじまり)を間違えた。最初に会社更生しておくべきだった」。経済産業省の電気料金審査専門委員会で20日、安念潤司委員長(中央大法科大学院教授)は、本来ならば東京電力を法的処理すべきだったとの見方を示した。

朝日新聞デジタル版 より引用

*****

最近は、原発事故に関連する補償のほか、
現在停止中の原子力発電施設の解体処理費用が取りざたされています。
債務超過。

しかも、今回、値上げで乗り切ることになったので、
 現状を改革する機会を失った。

つまり、利権体制を守りきったということ。

仮に、会社更生法が適用されるとなると、
 一般的には、現在の経営陣は退陣。

人件費などのコストカットも強硬できたわけです。
ところが、現状維持で、電気代を上げて対応することになれば、
 コストカットが難しい。

一番喜んでいるのは、
 この利権のおこぼれに預かっていた人びと。

一番損をするのは、電気料金を支払う消費者。


*****
あれっ、この構図、前にも聞いたような。

そう、国家のシステムと同じ。
痛みが伴うので、自分たちの仕組みを変えることなく、
 増税で乗り切る。

つまり、東電のスタイルと国家のスタイルは、一緒。

天下りの人がいっぱいいるし、いろいろなおこぼれをたくさんもらっている関係上、
 おそらく、債務超過に陥っていることは分かっていた
にもかかわらず、
 なんとか、法的な整理をしないようにしよう
という思惑が働いて、こういう処理になったのだと思います。

だから、委員長が、初めを間違えたと語る。
では、
 初めは、誰が言い出したのか?

この初めを言い出した人は、確実に判断の誤りがあります。
そのため、責任追及を受ける対象になるはず。

こういった事実関係を明確にするのが、
 国会の役目。

ところが、国会議員もおこぼれをもらう利権の一員なので、
 結局、闇の中。

この原因も、最終的には、国民が知的に成長し、
選挙でチェックしていないからです。

憲法が悪いのではなく、
 憲法の定める国家像を実現するだけのスキルがない
ことが、
 この国の衰退を招いている。

民主主義は、国民の質がダイレクトに国家の質につながる。

国家の質は、国民が決める。
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消費税増税ごり押し。

2012年06月20日 | 国家論
消費税増税は、ほぼ決まりのようです。
自民も公明も、利害関係は一致しているからです。

消費税増税の責任は、民主党に押し付けたい。

消費税増税は、ある意味、劇薬。
たいてい、増税した後の選挙は、負ける。

そうなれば、みんなである程度で、負担するというようにした方が、
 みんなにとって得
なわけです。

仮に、自民が反対して、消費税増税が通らなくて、次の選挙で政権をとっても、
 消費税増税問題が再度、浮上する。

そうなれば、
 今、行っておいた方が、長期的に見るとよい
わけです。

うまくいけば、民主党もバラバラになる。

さらに、丸のみしてくれれば、党内の反対している人にも言い訳ができる。
(選挙でアピールできるだろ。)


*****
ただ、よくよく考えてみると、消費税増税など、この国の抱える問題からすると小さなものだ。
今度、どんどん、いろいろな名目で国民負担は上がっていく。

それは、国民の1000兆円といわれる金融資産を、国家があてにしているためです。
これがなければ、国債の金利は高騰し、円安に。


政治は、規模が大きくなると、いろいろな利権団体が蠢くので、
 なにもできなくなってしまう。

TPPなどを見れば、農業団体、輸出関連団体のせめぎ合いがよく分かると思います。

お互いの団体が政治家を使って、権力闘争をし始めるので、
 結局何も変わらない。

では、どうしたらよいのか?

無知のヴェールのところで書いたように、
 利権団体と政治家の思想信条を切り離す
必要があります。

憲法で言う、
 全国民の代表
として行動するわけです。

ところが、そんな理想では、
 票は獲得できない
ので、
 有償契約のように、票を入れてやる代わりに、利権団体の利益になるように動いてくれ
という感じになるわけです。

政治家もビジネスと考えれば、
 顧客サービス(票を入れてくれる利権団体)
を中心に考えるのは、自然。

結局は、
 利権に関係ない人が選挙に行かない
から問題なわけです。

投票率が、100%に近づき、
 全国民と投票者が相似
の関係になれば、
 もっと、利権団体のための政治ではなく、全国民の代表者としての政治
ができるようになるはず。

これを一番願っているのは、実は、政治家自身だと思います。

自分の考えに従って、政治をしたくても、利権団体の意向に逆らえない。

これが、日本の現状を作っているということ。
日本のシステムを学べば学ぶほど、
 いかに、不公平がまかり通っているか
ということがよく分かります。

 利権団体がいかに税金で潤っているか
ということとも共通します。


その反面、利権団体が弱いところは、
 国家的のためになっても、なかなか予算は付かない。

太陽光発電などは、原発利権と抵触するので、
 なかなか難しい。

農業法人や農地の改革も、農業利権と抵触する。
個人的に、農業法人が整備され、自由度が増せば、
 農家が一番得をする
はずですが、
 変化を嫌うので、反対する
わけです。

その結果、古臭いイメージで若者が逃げてしまい、後継者不足。

 最先端のマネジメントを導入し、
 かなり稼いで、
 大自然でよい暮らしをしながら、
 アイパットで中国の金持ちと商談。
 となりの農家をM&Aで合併したり、株式を公開。
 種苗の研究所を種苗メーカーと共同で設立し、農業学校を経営。
 新種と経営スタイルを徹底し、自社ブランドを確立し、
 バーバリのスーツを着こなして、営業で海外を飛び回る
なんて、クールな農家が誕生すれば、
 農業ビジネスをやりたい
っていう若者がどんどん増えていくはずです。

実働は分業にして、残りは派遣労働者を取り入れたりして、
 自分はマネジメントに特化する。

朝は農地、昼は商談、夜はオフィスで出荷確認。

跡取りが育たないのは、
 苦労しても儲からない
 古臭いイメージが抜けない
からです。

日本の農業は、個人的には、スキルも高い。

では、なぜ、うまくいかないのか?

 既得権益ががっちり守っている
からです。

JAは、農家を守っているつもりですが、
 実は、農家が変化して成長していく機会を奪っている。

消費税増税の国家も同じ。
 福祉が弱者を守っているつもりですが、
 実は、弱者が知的に成長して、強者になっていく機会を奪っている。

弱者は、弱者のまま、一生を終える。

強者は、累進課税など税負担が増えれば増えるほど、
 頭を使って、成長して、どうすれば、虐げられずにすむかを考える。

強者は、税理士を雇い、財産の管理法人を立ち上げたり、
 海外に法人を設立したりしながら、税負担を軽減している。

そのため、大企業の支払う法人税はそれほど多くない。
赤字企業も多いですが、内容は、工場の設備投資やら、
 サービス満点の社員食堂。

税金を払うよりも、社員のためにお金を使う。

これからは、そういう人が増えてくるはずです。
重税になればなるほど、愛国心は失せ、節税対策を検討するようになる。

税負担が軽くなれば、
 いろいろ考えるよりも、税を払ったほうがコストが少ない
ということになるので、
 みんな自分で申告するようになる(税理士は困る)。

福祉が充実すればするほど、
 国がなんとかしてくれるという国に頼る人が増えていく。
 少しでも、不満があると、市に文句を言いに行く人が増えていく。


どういう国家が日本の国民性に合うのか?
どういう国家を目指すのか?
それを決めてから、それを実現する方法を検討する。

結局、消費税増税は、
 小手先の手段にすぎない
わけです。

そこをいくら議論しようが、結局、上位概念が定まらなければ、あまり意味がない。

自転車操業の企業と同じ。
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今、国家に一番必要なものとは? 2

2012年06月18日 | 国家論
国民からすると、
 安い値段で、そこそこの行政サービスをしてくれればいい
と思っても、
 法律でサービスが決まっている
場合もかなり多く、
 過剰なサービスを受けざるを得ない
ということがあります。

本来は、必要に応じて、必要なものを必要な程度手に入れられるようにすべきですが、
妙な平等概念によって、画一化している
わけです。

教育などもそう。
地域に合わせた教育をしようにも、できないわけです。


これからは、地域は優秀な人材を囲い込み、
 地域を活性化する人材を育成する
という戦略を練るべきだと思います。

例えば、ネット等を利用して起業する人材が毎年10人いれば、
 そこで、人件費、ファックスなどの設備、建設費、通信設置、宣伝広告などの仕事が増える
ことになります。

特産物を、ネットで紹介し、販売するビジネスができれば、
 地域が潤う
ようになります。

地域デザインが上手な美術系の才能をもつ人がいれば、
 その才能を生かして、地方のビジネスをPRできるようになる。

今は、優秀な人材は、みんな東京の大学にとられ、そのまま、東京で就職するわけです。
電通など大手で活躍する。
地方は、そんな高額な広告代理店には依頼できない。
どんどん地方が疲弊する。

せっかく、よい人材を輩出しても、地域には何の意味もないわけです。

小さいうちから、郷土愛をもってもらうように大切に地域で子供を育て、
 この地方を活性化するぞ
という志を根付かせる。

その人物が、知的に成長し、地方に帰ってきて、あるいは地方の大学でスキルを磨いて、
 自分のアイデアやスキルを生かして、地方を活性化するビジネスを作り上げる。

実は、埋没している地方と生き残っている地方の差は、
 こういった知的に成長した人材がいるかどうか
ということです。

この例は、葉っぱビジネスの「いろどり」が有名です。
http://www.irodori.co.jp/own/plist_custom.asp?osusume=1&design_mode=3


これは、埋没している企業と生き残っている企業の差でもあります。
 会社を生き返らせる熱意とスキルを兼ねそろえた人材がいるかどうか。

これは、さらにいうと、国家も同じです。
 国家を生き返らせる熱意とスキルを兼ねそろえた人材がいるかどうか。


大企業病への治療は、細分化と、権限の委譲です。
アメーバ―経営などもこれと同じ。

チーム制も似たようなもの。

日本も地方自治体をフランチャイズオーナーのように、
 自分でまず、利益が出るように自由にやってみて
とノウハウだけ教えて、自由にやらせた方がよいわけです。

それで、必死になって、よい暮らしをするために頑張る。

 今はお上からいかに、補助金をもらうか。
 そのために、地方選出の議員さんに、大臣になってもらうか。
こんなことばかりです。

基本、もう国家には、地方を養う体力はありません。
そのため、どんどん、国から地方に流れるお金が減っています。

さらに、生活保護など、地方がかなりの部分を自分で捻出しなければならないお金が増えています。

消費税を増税しても、解決になりません。

一番の解決は、
 安い金額で、ほどほどの行政サービスが受けられる自治体経営。

安い方がいい。
豪華な包装などいらない。

豪華な市役所も、手厚い介護も、温泉付きの施設も、
 市が破綻してしまえば意味がない。
 税金がめちゃめちゃ高ければ意味がない。

今は、生活保護受給者は、国民の1%程度ですが、
 その割合が増えれば、今、働いている人の負担はどんどん増えていきます。

それよりも、軽い負担で、最低限の行政サービス。
それ以上は、
 自分の稼いだお金で民間のサービスを受けて下さい。

こういったシステムが、本来のシステムです。

今、国家に一番必要なものは、
 費用対効果という民間なら当たり前の感覚を導入する
ことです。

例外的に、費用対効果を度外視しても、やらなければならないこともあるかもしれないですが、
 それを実行するにも、できるだけ、費用をかけずに行う。

だれも読まないようなパンフレットに、
 何億円もの税金をかける。
一部の人しか利用しないのに、豪華な施設を作る。

労働者と女性の権利を実現するための施設が近くに併設されている(縦割りの弊害)。
みんなで効率よく使えばいい。
民間なら、となりの部署とうまく調整して、既存の施設を利用するはず。

これで、かなりのお金を節約できます。
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今、国家に一番必要なものとは? 1

2012年06月18日 | 国家論
お上思考については、前回、書きました。

日本の病理です。

日本は、高度成長をうまく乗り切った。
そのため、官僚と大企業(経団連)を中心とした国家主導の指揮系統システムが強いまま。

ただ、そのシステムがうまく機能しなくなってきた。
大企業病です。

そうなった時に、どうしたらよいのか?

大企業病は、どうやったら治るのか?
これと同じです。


過激な例が、破綻。
企業が民事再生などで、経営陣が入れ替わることで、
 改革ができるようになる。

実は、政権交代がうまくいけば、このチャンスだったのですが、
 民主党の人材不足
 官僚の抵抗の強さ
によって、うまくいきませんでした。

最近は、官僚の道具のようになっています。
まだ、利権をごり押ししたがっていた自民党政権の方が、
 対官僚という点では強かった(良い悪いの話ではなく)。

次の手は、維新の会のような地方政党の連合体。

ただ、これは、視点が少し変わります。

地方分権は、
 小さな国家を作るための手段
です。

中央集権国家から、権限を奪うことで、
 中央の権限を小さくする。

これでは、小さな国家にならないではないか?

そう思われる人が多いかもしれないですが、
 今の問題点は、「国」が強大な権限を持ち、
 法や行政指導(場合によっては自粛要請)で、規制がらめにしている
ということ。

そのため、地方分権を推し進め、国家の権限を奪っていくことで、
 よりシンプルで効率的な行政運営が可能になる
わけです。

(なお、「特区構想は、この規制がらめのシステムでは、何もできないことから、生まれたもの。)

今の日本の最大の問題点は、大きくなりすぎて、ゴミがたまりすぎたパソコンのようになっている。

そのため、すぐにフリーズしてしまい、パフォーマンスも悪いわけです。

時代の流れとともに、最適化することで、パフォーマンスは向上する。

よい例が、法律。明治時代に作られた法律が、未だに存在している。
しかも、無数に法律ができているので、
 その相互関係がよく分からず、何かをしようとすると、あっ、この法律のここに抵触する恐れが…
みたいな感じになっている。

法律は、さらに、政令や規則を生み、施行令を生み、それに基づいたマニュアルも…。


地方が知恵を絞って、より少ないコストで最大限の行政サービスをしようと考えても、
 たいてい、法律でできません。
 あの官庁の許可がないとできません。
ということになり、
 うまく実行できないことが多いわけです。

(大坂都構想も、本質は、自分たちでできる領域を増やそうという、権限の委譲闘争みたいなもの。
維新の会は、基本的に大坂の利益のためのもので、各地方自治体や他の国民が潤うわけではないことに注意。
結果的に、現在の状況の打破には繋がる。
ただ、当然、地方間の競争が始まり、知的スキルがない場合、今より状況が悪くなる自治体も出てくる。
そのため、今以上に、経営コンサルタントに依頼するケースも増えるはず。
ただ、結果的に、競争があるということは、費用対効果を意識することになるので、
国家全体のパフォーマンスは上がるはず。)
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白熱電球の製造・販売を自粛要請。

2012年06月13日 | 国家論
経済産業省と環境省が、白熱電球の製造・販売の自粛を
家電メーカーや家電量販店に要請したとのこと。

これを受けて、パナソニックは、生産終了を前倒しにする。


*****
確かに、消費電力は、LEDは白熱電球の6分の1。
寿命も40倍と長い。
一般家庭への普及もすすんでいるとか。

それ自体はいいことかもしれません。

ただ、白熱電球の色や雰囲気が好きだという人もいるわけです。
 政府が、製造・販売をするなということができるのか?

多様性を認めてもいいと思います。

その上で、例えば、白熱電球に税を貸し、LEDに補助金をつけ、白熱電球との価格差を小さくするという手段で、
LEDの促進につなげたほうが、よりクールです。

こちらの方が、制限的でないからです。

法的根拠もないのに、製造や販売を「自粛」という名の制限を課している。
お上意識丸出しで、非常に下品なやり方です。

これは、法治国家とは言えません。

「知的成長 正直よくわからない」で検索すると、原発の停止についての総理の要請が出てくると思いますが、
同じようなものです。

いずれも、一見、国民のためになると思われるので、
あまり危機感を抱いている人は多くないかもしれないですが、
いくら内容がよくても、
適正な手続を軽視すると、危険です。

あいつは、真犯人で間違いないから、
刑事裁判なんかいらないよ。

論理は同じ。

これが、まかり通ると、
暴走が始まり、そのときに、誰も食い止められなくなります。


また、適正な手続を踏んでも、
過剰な規制は認めるべきでないと思います。
(そのために、違憲立法審査権が裁判所にあるわけです。)

これが、小さな国家論者の発想です。

馬鹿に刃物を持たせると危険です。
それと同じように、馬鹿に権力を持たせると危険なわけです。
国家も同じ。

だから、権限は、最小にとどめておく方がよい。
しかも、権限行使は、憲法で縛りをかけて、おかしいというときは、
その権限を奪うことができるようにする。

これで、人権を保障する。
これが、立憲主義の発想。

民主党政権は、憲法を知らない人が多いので、
やりたい放題。

自粛要請は、明らかにおかしい。
そんな権限は、政府にはありません。
おそらく、行政指導にすると、法的根拠が必要なので、
曖昧なニュアンスの(法的根拠が全くない)自粛要請という言葉で、
事実上の、強制をしているということ。

パナソニックは、生産終了な訳ですから、効果は覿面。


同じようなものとして、食品衛生法の改正。
生肉を規制した結果、7月1日よりレバ刺しの販売が禁止。
レバ刺し専門店は、廃業の危機です。
違反者は2年以下の懲役、200万円以下の罰金。

この法的根拠も不十分だと思います。
メディアも、
 厚生労働省が、新たに厳しい基準を設ける。
 食品衛生法に基づく規格基準を作った。
この程度の説明が多い。

法律を改正することなく、規格基準のみの変更で、
今まで合法であったものを、違法にして、罰則までつける。


 法律で、「詳しくは政令で定める」
という委任の条項があれば、政令にも権限が認められるケースがありますが、
その内容についても、合理性が要求されることになります。

今回は、
 厚生労働大臣が定めた規格・基準にあわない食品等の製造、加工、輸入、販売等が禁止される(第11条)。
この規格、基準ということ。

ただ、この規格、基準についても、合理性が必要です。


今後、違反者が出た場合、憲法訴訟となる可能性もあります。

争点は、規制の合理性。

目的 生肉で死亡したケースから、消費者の生命、身体を守る。
手段 レバーなど生肉の販売を禁止する。

これが合理的であるか。


いきすぎた規制で、合理性もそれほどあるとは言えないとなれば、違憲。

きちんと調理している店では、死亡事故は起きていない。
生肉以外でも、食中毒で死亡するケースはある。

生肉を食べることが死亡と直結する訳ではない(確率から行ってもかなり低い)ことからすると、
全面禁止の規制は行き過ぎ。
調理指導の徹底など、より緩やかな手段でも目的達成は可能である。

このように認定されれば、
 合理性が否定される
可能性があるということです。

合理性が否定されれば、違憲。
そのような基準は、無効。


ただ、従来の判例からすると、裁量論といって、
 明らかに不合理だろう
という場合以外は、裁量の範囲内で合憲となるケースもあります。

個人的な感覚としては、規制として行き過ぎではないかと思いますが…



憲法訴訟は、日本の場合、付随的審査制といって、
 ほかの裁判にくっつけて行わないと行けない
制度になっているので、
 違反者が、合理性を争うことで憲法訴訟となります。

そのため、憲法訴訟となるケースは少なく、
なんとなく行き過ぎた規制も、そのまま規制として存続していってしまう訳です。


不思議なのは、
 全面禁止は、ちょっとまずいんじゃないの?
という声が、行政や国会から起きていないことです。

大きな政府にみんな慣れていってしまっているということでしょうか。

このままでは、規制がどんどん増えていって、息苦しい国家になってしまうおそれがあります。


排気ガスをたくさん出す排気量が大きいバイクの生産は、自粛要請。
クーラーは、27度より下がるような設定はできないようにしてください。
ネットサーフィンは際限なくなるので、1日2時間まで。

家電を捨てる際には、リサイクルのためのお金を払ってください。あっ、すでにあるか。
電気が少なくなったら、国家が強制的に配電をストップするエリアを決めます。

規制。規制。規制。規制。

ちなみに、戦争はこうして始まっていきました。
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中国の衝撃。

2012年06月13日 | 国家論
産業の空洞化の話の続き。

かなりの日本企業が中国に進出しました。
ただ、その中国でも空洞化の動きが出ているという話。

物を作る仕事は、
 スキルが必要なものから、スキルがたいして必要のないもの
まで、様々です。

そして、
 デジタル化や機械化の時代は、PCや機械(工作機械)が代替する
ので、
 使い方さえマスターできれば、大してスキルは必要ない
わけです。

そうなると、
 機械を導入して、人件費を抑える
ことが可能になる。

今、中国では、人件費が毎年20%も上がっている。
労働者の権利意識も高まっている。

日本でも同じことが起きました。

すると、ある程度蓄えができた事業主は、
 人件費を払うよりも、PC、ソフト、機械の導入する方が得だ
となり、
 経済的合理性の意識が強い中国人実業家は人を増やさず、設備投資を行っている
わけです。

中小事業主の間では、こういった動きが出ています。

また、
 工場などの単純作業については、東南アジア、特にカンボジア(中国の4分の1の給与水準)など
 人件費が安い国に進出している
とのこと。

近い将来、中国でも、空洞化の問題が露呈するということです。


世界では、このように激動しています。
自分の関係する小さな世界では、それほどの変化はないようですが、
 生活保護費の急増が示しているのは、
 職がなくて生活できない人の割合が増えている
ということの表れです。

かつては、建設業などが、受け皿になっていましたが、
 今はある程度年齢がいくと、高齢者は採用されません。

工場勤務も、海外に移転しているので、絶対数が減っています。
派遣労働者を正社員に強制することになれば、
 追い詰められた企業は、さらに海外へ移転する
ことになります。

かつては、政治的な安定、言語、文化、コミュニケーション、宗教など、
 リスクが高かった
わけですが、
 インターネットによるコミュニケーション、教育スキルの高まり、宗教への理解、円高
といった様々な環境の変化によって、
 日本で物を作るメリットが相対的に減ってきている
わけです。

そして、一度成功事例ができれば、
 各企業は、後に続くようになるので、ヤマト運輸が中国で成功すれば、
 さらに、各企業が自らの商品やサービスをアジアで試すようになる
はずです。

その際には、現地採用が基本となり、
 頭脳は精鋭の少数の集団ですむ。

さらに、戦略も現地の内情をよく知っている人がいたほうが質が高くなるため、
 ネット会議などを通じて、この頭脳集団もグローバル化する
ことになるわけです。


世界は、激変しているのに、
 日本の政府は、生肉を規制する食品衛生法の改正を急いで行う。

この国は、優先順位がおかしいのではないかと思います。
縦割り行政だとそうなるのでしょうが。

日本が今後も豊かな国でいられるようにするには、
 日本に仕事がたくさんある
ようにする必要があります。

そのためには、
 何に力を入れるか
を考える必要があります。

モノづくりを今まで続けるのであれば、
 円安、人件費抑制(労働基準法の改正、派遣労働法の整備)、労働市場の流動化、
 TPPなど関税撤廃
 各種規制緩和、大型工場の立地優遇措置、税制優遇措置。

サービス業で稼ぐのであれば、
 知への投資。スキルの強化。大学整備。産学連携の強化。

市場規模を維持するなら、
 少子化対策。
 移民の受入れ。

市場規模を縮小する(少ない人口だが、みんなが食べていける豊かな国家)なら、
 それに応じた行財政改革。
 (いつも一人しか乗らないのに、30人乗りの大型バスは不要)

ただ、リーダーシップを発揮して、推し進めないといけないので、
なかなか難しいと思います。
特に、ねじれ現象では無理。

こんな状況ですが、グローバル化やIT化は、考え方を変えると、
 旧態以前の国家のしがらみから抜け出せることになるので、
 意識の高い若い世代にとっては面白い時代だ
と思います。
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