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知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

標準化16

2013年05月31日 | スキルアップ
国家というコップを形成するものは、なにか?

日本は島国なので、こういう発想はなじみが薄いかもしれません。
地理的要因が強いので、当たり前に思えるからです。

ところが、大陸ではそうはいきません。

ヨーロッパでは、
 アルザス・ロレーヌ
のように、ドイツに属したり、フランスに属したりする土地が存在するので、
 地理的要因は必ずしも当然というわけではない
わけです。

では、国家というコップを基礎づけているものは?
血?

これが、民族主義。
民族という「血」がコップを形成する。

多民族国家は、
 自分の国家を作りたい
と思うようになります。

それは、ソ連崩壊をイメージすると分かりやすいと思います。
ソ連は、
 アメリカの脅威

 武力
により、
 一つのコップを形成していた
わけです。

それが、
 コップの水が腐敗するように、一党独裁の共産党のコップが腐敗し、国家が疲弊したため、
 ゴルバチョフがペレストロイカを行う。

グラスノスチ(情報公開)や民主化の流れは、
 共産党というコップに穴をあける
ことになり、
 コップの崩壊(ソ連邦の崩壊)につながった。

そして、大きなコップが壊れると、
 民族という新たなコップの形成が行われ、そこに人が集まりだす
わけです。


今同じようなことが、
 イラクでも起こっています。

イラクやエジプトなどの国家は、
 国境を帝国主義諸国が定規で引っ張って決めた
ことから、
 直線的になっている
箇所があります。

コップを勝手に他国が決めているわけです。
その中には、
 いろいろな民族が存在している
わけで、
 指導者(権力を握る人)の政治によっては、独立したい
と思うようになるわけです。

イラクの場合、民族と宗教が主な要素となっていて
 シーア派とスンニ派、そして、クルド人
というグループ間の対立につながっています。

フセインが武力というコップでまとめ上げていた場合は、
 コップ内はそれなりに統制が保たれる
わけです。

ところが、
 コップが壊れた。

 これからは、民主主義が重要だ
ということで、
 選挙で権力者を決めよう
ということになると、
 人口が多い民族が常に権力を持ち、他の民族に不利な政治をしかねない
わけです。

そのため、民主主義は、少数民族にとっては、不平等なシステムということになります。
これが、発展すると、
 内紛を生む
わけです。


そうはいっても、他国の問題だから、関係ないよ。
本当に?

実は、日本でも、
 視点を変えると同じことが起きています。

どういうこと?


これから、長々と書いてきたテーマの重要な部分に入っていきます。
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標準化15

2013年05月23日 | スキルアップ
コップを強固に維持すると、
 中の水は腐敗する。

コップに穴をあけすぎたり、大きな穴をあけてしまうと、
 コップ自体が崩壊する。


法律を学ぶと、
 原則→例外
という流れを法学原理などの基礎で学ぶことになります。

条文などで、
 ○○とする。
 ただし、・・・・
というのが、この原則例外。


たいていは、原則論で処理できる。
ところが、数多く適用していくと、
 どうしても、結果が不合理な場合が生じてしまう。

そこで、
 ただし、という例外を設け、原則を修正して、
 不合理な結果を是正しようとする
わけです。

法が、100年立ち、時間がかかっても、存続することができるのは、
 こういった例外をうまく設けて、解釈で例外に当てはめている
からです。

コップを強固に保つと、新しいことに対応できず、
 不合理なことが起きてしまう。

そこで、柔軟に対応できるように、例外規定を適用し、
 合理的な解決を目指す。


 ルールには、例外が存在する。
 例外がないルールは、適用範囲が狭く、うまく機能しなかったり、
 時代の流れに対応できず、すぐに、変更が必要となったりする。


政治も同じで、
 植民地化した後に、厳格なルールを強制する
場合、
 守らせるための軍が必要となります。

ある程度、自治を認め、柔軟に対応していくと、
 コップを破壊しようとするエネルギーが分散する
ので、
 維持がしやすくなる
わけです。

大英帝国は、
 インドなどは、強固な統制、
 カナダ、オーストラリアなどは自治
を認めていました。


つまり、
 そもそも、穴をあけるべきか、
 穴を幾つあけるべきか、
 穴の大きさはどうするのか
は、
 コップの素材やコップの中身を考えながら、崩壊しないライン(妥当なライン)を検討していく
必要があるというわけです。



*****
ただ、必ずしも、自分で穴をあけたりできるわけではありません。
穴をあける時期が遅れると、
 穴をこじ開けられてしまう
からです。

こういった視点で歴史をみると、面白いと思います。

日本の場合は、
 貴族の時代(権威)
 武家の時代(武力)
 文官(官僚)の時代(明治政府)
 GHQによる統治
 資本家の時代(戦後)
というように、大きくわけることができます。

統治権限が貴族が持っていた時代。
源氏や平氏などの武家という穴が開き始め(権力を持つようになり)、
最終的には、鎌倉幕府が自分のコップを形成するようになる。
武力が貴族を押しのけた時代。

鎖国によるコップで海外の進んだ技術を導入できず、
 取り残されたり、
 権力の中枢では腐敗が進む。

黒船がやってきたり、アジア職が植民地化されていく現状を見て、
 このままだとコップが外部から壊されてしまう
という危機感が各藩を襲う。

明治維新では、
 薩摩、長州といった海外交易がさかんだった地域(穴)
が、江戸中心のコップを打ち壊すようになる。

その後は、文官(学問重視の官僚)が力を持ち、
その後、資本家(大企業)が発言力を持つようになる。

今後は、この資本家(大企業)を世界中が取り合うような時代になります。
例えば、アップルは、コストが高いにもかかわらず、
 アメリカ国内での製造を一部手掛けることになります。
また、日産はフランスの経済を救うため、
 フランス国内で日産の自動車を製造するとのこと。

仕事を作ってくれる大企業は、世界の国々で取り合いになるということです。

そのため、法人税の値下げの圧力も働いており、
 所得税との差が広がっていくわけです。
日本で、法人税を払っていない法人は結構たくさんあります。
それでも、仕事を創出してくれているということで、国家としてはありがたいというわけです。
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標準化14

2013年05月22日 | スキルアップ
自由は、内在的な制約を有する。

自己の自由は、他者の自由を侵害するため、
 他者を尊重し、他者の自由を不当に侵害しないように配慮しなければならない。

ポイントは、
 不当に侵害しているかどうか。

前回の名誉侵害の話も、
 まったく名誉を侵害する表現ができない
となると、
 今度は、表現の自由が侵害される
おそれがあるわけです。

どこまでの侵害が許されるのか?

これが、一歩進んだ話です。

例えば、
 表現の対象が政治家のような公人
であれば、多少名誉が侵害されるような発言も、
 次の選挙の際の判断基準になる
ため、許されるわけです。

これは、表現の自由の方が、重要だということ。

 確かに、名誉を侵害はしているけど、理由があるから「不当な」侵害とまでは言えないよ。
これが、
 「公共の福祉」の範囲内で権利が保障される
という意味。
 名誉という権利も、公共の福祉による制約は受ける
ということ。

明らかに関係ない誹謗中傷である場合は、表現の自由の制約を認めることになります。
その場合は、
 確かに、表現の自由は保障されるけど、「公共の福祉」による制約は受けるよ。
 他人の名誉を不当に侵害するような表現は、この制約を受けるから認められないんだよ。
ということ。



表現の自由がコップだとすると、
 コップに穴をあけることは許される(自由の制約が認められる)
が、
 そのコップの穴の大きさをどうするか(どの程度の制約を認めるか)
は、
 いろいろな要素を考慮して決めていかなければならない
ということです。


まず、穴を全くあけないような考えは、
 たいてい、極端すぎるので、正当性が認められない
と思ったほうがよいと思います。

 至上主義
 原理主義
というのが、その例。
 極右、極左。

たいてい、攻撃的であり、排他的です。

理由は、
 コップ内のルールがすべてであり、
 コップを維持するには、厳しいルール(制裁)が必要である
こと。
そして、
 他のコップを敵視する
ということ。
自分が唯一絶対の存在だと思えば、他のコップは異端なわけです。

妥協が許されない(妥協はコップに穴をあけることなので、論理的に無理)ので、
 思考が硬直化
し、
 争いが絶えない。

中世において、戦争が多発したのは、
 宗教というコップが強固なものだった
からです。


かといって、穴をあけまくると、
 コップが崩壊する
ことになります。

穴がいっぱいのコップは、もはや水を貯める機能もなく、
 外形すら維持できなくなる
からです。


これは、組織の話と繋がってきます。

厳しい組織は、入り手が少ないので、人員を補充できない。
しかし、組織としては、命令に従うため、機能する(軍隊は作戦が機能するよう上官の命令が絶対なわけです)。
ただ、思考は硬直化していくので、新たなイノベーションは起きにくい。
案を出せと命令しても、上司の顔色をうかがい、上司受けする案になるため、ありふれた無難なものとなるので市場受けしない。

これに対し、あまりにもフランクな組織は、入り手が多いが、出るのも容易。
嫌なことがあると簡単にやめていく。
命令にも従わないので、組織が機能しない。
ただ、いろいろなバリエーションのある考えが出てくるので、イノベーションが起きやすい。

サークルと部活。
厳しいルールのあるサークルと、同好会のような緩やかな集まりのサークル。
こういったものをイメージすると分かりやすいと思います。


思考についても、同じです。
コップに穴が開いていない頑固な人。
思考が硬直化しているわけです。
しかし、安定しているので、分かりやすい。
裏切られることが少ない。

これに対し、
コップに穴が開いている柔軟ない人。
思考が柔軟で、話もよく聞いてくれる。
しかし、他の人の意見も聞いてしまうので、不安定。
ころころ変わる可能性があるので、分かりにくい。
裏切られることも多い。


結論として、何が言いたいかというと。

バランスが重要だということ。

穴を何個、どの程度の大きさにするのか、
 その妥当なラインを設定する
ことが、
 非常に重要である
ということ。

次回は、この穴の開け方について、さらに掘り下げます。
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標準化13

2013年05月21日 | スキルアップ
自由経済を推し進めると、
 強い会社が残り、弱者が潰れたり、吸収されたりする。

これは、自明のこと。

そうすると、
 一社の商品しか手に入らなくなる
ので、
 かえって、消費者の利益を害する
ことになる。

これが、
 独占の弊害
というもの。

そのため、
 独占を禁止する規制である独占禁止法
があるわけです。

マイクロソフトは独占禁止法によって苦しめられた企業の一つです。

独占の禁止は、アメリカや欧州でも厳しく、
 業者が談合して価格を吊り上げるカルテル
の場合に、多額の制裁金が科せられたりしています。

企業の自由を推し進めると、
 消費者の自由を奪う結果となる。

この自由のジレンマは、かなり重要な観点だと思います。

自由は、そういったジレンマを内在するものなのです。


ここから、憲法に絡めます。

憲法では、自由を保障しています。
しかし、表現の自由を保障しているからと言って、
 他人の名誉を侵害するような表現が許されてはいけない
わけです。

表現の自由が他人の名誉という利益を害することになるわけです。

こういう場合、
 表現の自由を制限する法律(刑法)が認められる
わけです。

これが、
 「公共の福祉」
という概念です。
一般的には、「公共の福祉」は、
 自由に内在する制約である
と考えられています。

自由主義とは、他の自由を害さない限り、自由が保障されるというもので、
利己主義とは、この「他の自由を害さない限り」という点で大きな違いがあるわけです。

利己主義は、自分さえよければよいという意味で、自分の自由のみを主張するものだからです。



この考え方を再び、自由経済に導入します。

そうすると、自由経済だからといって、
 他の重要な利益が害されるのを認めることはできないため、一定の制約が認められる
という考え方を導くことができます。


これを規制の許容性とみることができます。

ただ、どこまでの規制が認められるかは、
 規制をすることにより得られる利益

 規制をすることにより失われる利益
などから、総合的に判断する必要があります。

他国が絡む場合は、
 相互理解の観点
で、
 どこまで相手の主張を認めるか
を協議していくことになります。


*****
こういった規制を設定する作業は、
 FTAの方がやりやすくなります。

TPPは、
 利益調整を行う国が増えるので、利害関係が複雑になり、合意が難しくなる
からです。

日本の場合は「農業」を、アメリカの場合は「自動車産業」を除外事由に設定しているわけです。


問題は、
 こういった交渉力を持たない国家
が、
 知らないうちに、資源を他国に奪われる
ことになります。

これでは、植民地から帝国主義諸国に金、銀や資源が奪われたのと同じ事態になりかねません。
実際に、アメリカの金融機関は、
 日本の金融機関より強力なので、日本国民の預貯金を獲得するチャンス
と考えているはずです。

つまり、
 自由経済を中心とし、どういった規制が必要か
を規制の必要性と許容性から吟味し、
 自国の利益を考慮しながら、先をよんで交渉しなければならない
ということです。

TPPは、いわばブロック経済の発想です。

締結国内の関税を撤廃したり低くし、
 それ以外との国に差を設ける
ということだからです。

つまり、
 TPPというコップを新たに作り上げる
ということです。

このコップの外と中を区別し、
 コップ内の繁栄を目指す
というわけです。

これは、条約によって、コップを設定し、
 その中を標準化していこう
とするものです。
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標準化12

2013年05月20日 | スキルアップ
 コップのメリットが安定をもたらす
ということからすると、
 コップの崩壊は不安定をもたらす
ということになります。

そして、
 コップが崩壊すると、標準化していく。

標準化というのは、
 均衡がとれるようになるまで、互いの差が少なくなっていく
というようなこと。


A社とB社が合併すると、
 最初のころは、A社とB社というような社風が社員によって見られる
ので、
 あーあの人は、A社出身だよ
というのが分かる。

それが、年数を重ねることによって、
 主力の企業A´社的な社風で標準化していき、会社が変わっていく
ようなことがあります。

こうなった場合、あまり、どちらの会社の出身かは関係なく、
 A´社にとって利益をもたらす人材か
の方が出世に重要ということになります。

逆にいうと、合併しても、差がなくならない場合は、
 標準化に抵抗する勢力が力を持っている
ので、
 合併によるシナジー効果が得られなくなる。
そのため、
 業績が上向いていく可能性が少なくなる
わけです。


両者が混ざり合って、標準化していく。

国家の仕切りがなくなり標準化すると、共通のルールが適用されるので、
 弱肉強食の世界になる。

同一条件で戦えば、資金力が劣る会社が負ける。
知力や人材や技術力が劣る会社が負ける。

EUでドイツ企業が勝ちまくり、経済を引っ張っているのがこの現れ。

紀元前13世紀始め、ヒッタイトが鉄器を用いて、強大な王国となりました。
その後、紀元前12世紀にヒッタイトが滅ぼされたあと、製鉄技術がオリエントに広まる。
そうなると、みんなが鉄器をもちいるので、鉄器の優位性はなくなる。
武器の標準化。

鉄で戦うのと銅で戦うのとでは、
 武力で圧倒的な差
が生じるわけです。

同じ体格の同じ剣術のものが戦えば、
 鉄器を持つ者が勝つ。

鉄器を持つ者が、優位に戦うことができる。


江戸幕府が黒船や、大砲技術に驚いたのは、圧倒的な力の差を見たため。
原爆の圧倒的な破壊力を求めて、多くの国家が現代でも核武装を目指す。

グローバルスタンダードのもとに、
 国際競争が激しくなれば、アフリカの小さな国や
 アジアの小国など、資源を持たない限り、競争できるはずがない
わけです。

マネジメント等の技術、農業生産の技術、工業の技術なども、
 青銅器と鉄器以上の差がある
ため、
 進んだ国の企業が参入してくれば、小国の企業等簡単に潰される
わけです。

どうして?国民が自分の国の企業を守るのでは?

国民は、消費者です。
消費者は、
 少しでも安くて良いもの(費用対効果の高いもの)を求める。

ユニクロよりもHMが好きという人も多いはず。
ZARAがいいとか、GAPがいいとか。
同じようなカジュアルブランドでも、
 安くて良いもの(費用対効果の高いもの)
を求めるからです。

そうなると、
 自分の国の企業が成長する機会を失うのでは?

これが、
 コップが壊れた場合のリスク。

そして、
 関税が設けられた経緯
です。

関税は、国内企業の保護のためのもの。
 消費者の犠牲の下、国内生産者を保護している
わけです。

消費者からすると、理不尽なものと思えるはず。
 選択の自由を奪うな。

生産者からすると、あんな企業と対等に戦えないよ。
むしろ、技術も全く追いついていないのに、同じ条件で戦えなんて無理だよ。
 機会の平等すら同じではないじゃないか!
 柔道の無差別級よりも体重別の方が平等だろ!

国家というコップという概念がなくなると、
 無差別級が正しい
ということになります。

条件など関係がない。
強いものが勝つ、当たり前じゃないか。

国家というコップという概念を用いると、
 体重別が正しい
ということになります。

それぞれの国は、それぞれ異なるのであるから、
 全く同一条件で戦わせるのは不平等だ
というわけです。


それぞれ、視点が異なるわけです。
消費者の視点で見るのか、
生産者(自国産業の発展)の視点で見るのか。


では、コップは壊すべきか?

ここで、小さな国家から展開。
 自由競争は規制の少ない小さな国家。
 国家はなるべく介入しない方がよい。
というのが原則。

しかし、
 全く介入しなくて良いのか?
というと、そうでもない。

次回は、自由経済と規制という、一見矛盾する両者の関係について、
人権と公共の福祉という観点から見ていきます。

経済と憲法がリンクしてくる思考のパズル。
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標準化11

2013年05月19日 | スキルアップ
コップのメリットは、
 安定をもたらす
ことと、
 リスクヘッジ
になることです。

安定は、秩序の維持がしやすいということ。
コップのルールを設定し、
 そのルールを守っているものに安定を与える。

そうすることで、
 コップを壊そうとするもの
が減る。

今の日本も、
 いろいろ批判はあるものの、国家としては平穏な部類
に入ります。

そのため、外国人をどんどん入れてしまうと、
 平穏が害されるのではないか
という不安が多く、移民には非常に消極的な国家です。

アメリカは、お金になる人やスキルがある人や勉強しに来る人は喜んで受け入れる。
これで、
 人・物・金を取り込んでいる。


リスクヘッジは、
 中世のペストをイメージする
と分かりやすいと思います。

中世は、
 都市ごとに集まって暮らしている
ので、
 ペストが発生した場合、その出入りを禁じる
ことで、
 広がることを防ぐ
ことができたわけです。

今、世界が抱えるリスクの一つが、
 パンデミック(感染症の世界的流行)。



コップのデメリットは、
 長い間流れが止まっていると、腐っていく
ということ。

これは、
 どんな組織でも、必ず起こる
ことです。

では、どうしたらよいのか?

コップを壊す?

成功している企業は、
 新しい人材を入れ、古い人材を切り捨て、流れをつくって、
 古いまま腐っていくのを防いでいる
わけです。

これが、
 コップに穴をあける
ということ。

時代に適合するように変革していく。

穴をかけることによって生じるリスクは、
 そのリスクを吟味し、対応を考える。


これが、アイデンティティの話につながっていきます。

日本とは?
日本人とは?

日本は、
 「日本人」の国家である。

この日本人は、韓国人や中国人など外国人が帰化した人も含まれます。
ヤマト民族と日本人は一致するわけではない。
アイヌ民族も日本人。琉球人も日本人。

国粋主義者は、「純血」を言い出すことがありますが、
 自分の系譜がどのようであるかなど分からない
のが普通。

結局、日本人を構成しているのは、
 国籍
という事実状態のほかは、
 「アイデンティティという観念」にすぎない
わけです。

むしろ、アイデンティティの方が、重要かもしれません。
 自分は、日本人であるいう意識。

そして、
 このアイデンティティは、外国で暮らした人の方が強くなる
傾向にあります。

他のコップに属することで、
 違和感が生じ、自分が日本人であるということを強く意識させられる
ということです。

日本の教育では、
 日本人であるということ
を考える機会がないので、
 普通に教えている他の国と比べると、自国に対する思いが薄い
国民が多いわけです。

国旗、国歌(君が代)の問題も同じ。


逆にいえば、コップに穴をあけたとしても、
 きちんと自国に対する教育ができていれば、アイデンティティの崩壊を防げる
ということです。

移民を受け入れたら、日本の伝統や文化が崩壊するのでは?

一番重要なのは、移民を受け入れないということではなく、
 伝統や文化が廃れていくというリスクを吟味し、対応を考える
ということ。

 伝統や文化を伝承する教育や事業を重視する。

伝統や文化はどんどん廃れていっています。


農業の重要性の教育や農業の改革、近代化、IT化を推し進めてこなかったことで、
 農業はどんどん廃れていっている
わけです。

コップを守ろうとすることで、
 腐っていく。
耕作放棄地は増え、ビジネスとして魅力がないため後継者は育たない。
農地は転用され、虫食い状態に家が建つ。

日本の農業の場合も、
 核となる部分を残し、新しいもの(会社経営、マネジメント、IT、ファンド)を取り入れていく。
JAは穴をあけないように、徹底的に守ってきたつもりが、
 内部から崩壊する事態になっている
わけです。
良かれと思ったことが、かえってマイナスになる。

 世界の農業国家がよいものを取り入れ、進化している
ため、相対的に、国際競争力が身についていないということです。
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標準化10

2013年05月14日 | スキルアップ
コップ内の平穏。

コップ内のルールに従い、コップ内で生活している分には、
 平穏な生活が送れる。

江戸時代などは、そういう時代。

生まれた家により職業が決まる。
身分制度が存在し、その身分制度に従って行動する。

士農工商がそれぞれの役割を果たす。

ただ、不満も募ります。
そういう不満を晴らすために、
 犠牲者を作る。

それが、被差別など。

そういうコップを作り、差別しながら、
 優越感を感じるようにする。

自分が苦しい生活をしていても、
 自分よりもひどい待遇をしている人がいることに安心感を覚える。
不満のはけ口としていたわけです。


士農工商のコップは、明治に壊れます。

理由は、
 こういったコップ内の安定は、成長を阻害する
ためです。

優れた技術があれば、
 それを取り入れ応用することで、成長していきます。

知的に成長するためには、
 たくさん学ぶ必要がある。

しかし、
 コップ内の情報は限られている。

コップの外に優れた人物がいる。
これは、確率の問題です。

ただ、単に数が多くても、
 その人が優れた書籍や優れた人物の下で学ぶ環境がなければ、知的に成長できません。

これは、
 文化大革命時の中国がよい例です。

人口比率が高くとも、情報をシャットアウトした結果、国家の成長が阻害された。
現在は、小平の改革開放路線により、
 毛沢東思想のコップを破壊し、急成長を遂げている
わけです。


日本では、西洋の技術に後れをとり、
 江戸時代のコップは壊れる
ことになりました。
ただ、士農工商のコップが壊れても、
未だに被差別など差別意識が残っている地方があります。

被差別の問題を解消するためには、コップを意識が構成している場合、
 人の意識に変化をもたらす
必要があります。

意識を変化させるためには、
 街そのものを変えてしまい(再開発)
 構成員の出入りを激しくする。
個人情報(戸籍など)の運用を改める。

差別意識は、コップに凝り固まったタイプの人間に多い。
どこで生まれようが、先祖の仕事がなんだろうが、
 その人には関係がない。

それなのに差別や偏見を持つ人間は、
 あらゆるものを階級で判断しようとする
というコップに縛られているわけです。

発言を聞いていて、収入、学歴、家柄、職業、議員との付き合いなどに
 執着する発言がある場合、コップの中にいる
と推察できます。

見方を変えると、そういう人をだますのは、比較的簡単だと思います。
学歴を詐称したり、収入を詐称すればいいからです。

ネットで「いくら稼いだ」的な広告があります。
これは、
 収入に過度の憧れ
を抱く人に効果的だからです。

利益ではなく、売上を書いているのは、
 広告費、アフィリエイトの手数料を引くと手元に残るお金が少なくなってしまう
ので、
 インパクトが薄い。
儲かっているように見せるために、豪華な車、家、接待交際費が必要なので、
 売上から経費を引いた利益
は減ってしまう。

そのため、営業利益だとインパクトが薄れるので、売上げを「稼いだ」として書いているということです。



相手がどんなことを重視しているのか?
相手がどんなコップの中にいるのかが影響しています。


なぜ、コップの中にいるのか?
それは、
 平穏だから
です。

学歴のコップにいる人に、
 学歴がすべてでない
といったところで、
 意味をなさない。

コップは、何年もかけて構成されたものなので、
 なかなか穴を変えることはできない。

自分を変えようと思っても、
 3日坊主
で終わるのも同じ理由からです。

人を変えるのは、難しい。

変えようと思ったら、影響力の大きかった幼少期から構成されたコップを
 作り直す
必要があります。

それをしようとするには、
 時間もお金もエネルギーもかかる。

最終的には、
 自分でコップからでないといけない
と気がついて、
 自分で努力して、時間とお金とエネルギーを使わない
といけないわけです。

差別意識が強い人は、
 自分が偏見の持ち主であることを自覚し、そういうことはよくないのだ
と気がついて、
 少しずつ、思考を修正しなければ、変わらない。


民族対立は、
 コップの対立
です。

報復が報復を呼ぶのは、
 攻撃されることで、コップがどんどん強固なものとなっていく
ためです。

そして、
 コップの中にいた方が安心だ
とさらに強く思うようになる。

コップの中にいれば、
 少なくとも、生活ができると信じられる。

コップの外の世界では、
 生きられるかどうか分からないので不安だ。

他の人も、
 コップの外は鬼畜ばかりだというし…

差別意識や偏見のコップは、
 対立を生み、コップをさらに強固なものとしていく。
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標準化9

2013年05月13日 | スキルアップ
では、コップを形成するものとは?

コップは、
 所属している集団
です。

その集団に、なぜ、所属しているのか?

国の場合、
 生まれた瞬間に決まる。


業界団体だと、
 加入した際に決まる。


加入が強制されているものが、強制加入団体。
強制されていないものが、任意加入団体。

強制加入の場合、脱退が難しい。


コップは、主観的に構成される場合もあります。

これが、
 価値観。

宗教などもそうです。

イスラム文化圏で育てば、
 イスラムのコップ
が形成されます。

キリスト教の文化圏で育てば、
 キリスト教のコップ
が形成されます。


人は、見方を変えると、
 いろいろなコップを持っている
ということです。


中世は、宗教のコップが主流でした。
カノッサの屈辱など、
 教会が国王の権力を上回っていた。

権力は、
 人がいうことを聞いてくるかどうか
特に、
 税金(御布施)を払ってくれるかどうか
 労働(協力)を提供してくれるかどうか
がポイントとなります。

そのために、
 権力の正当性
が必要となります。

組織の場合も、
 たいていは、会費や会の仕事
があると思います。

国家も、
 税金やそのほかの国民の義務(徴兵制)
があります。

この義務に従わない場合は、
 厳しいサンクション(制裁)
を課すわけです。

そうしないと、組織が壊れてしまうからです。

税金を払わなければ、追徴課税や強制執行や逮捕もありうる。
韓国では、徴兵逃れに対し、激しい批判がなされる。

こういったメンバーの負担は、
 組織を存続させる
ためには不可欠だからです。


中世から近代への動きは、
 1648年のウェストファリア条約
が起源とされています。

中世は、宗教のコップが中心でした。
 カトリックとプロテスタント
が国という概念を超え、戦争をしていた。

1618年に始まった30年戦争は、
 ヨーロッパを巻き込んでいきます。

1648年以降は、ローマ帝国が衰退し、
 「国家」が中心となっていきます。



儒教は、
 家族のコップ
を形成させるための思想です。

 親孝行、年上を敬う。

こういった思想(コップ内のルール・コップ内の常識)を守らせることで、
 秩序が保たれる
わけです。


日本人も、肩書きのコップを持っている。
偏差値教育、
受験競争、
学歴社会。

東大のコップ、慶応のコップ、早稲田のコップ、京大のコップ、同志社のコップ・・・
日本の大学は、
 コップの意識が強い
ので、
 あまり、他の大学との連携は強くない。

OBとの連携は、シュウカツなどで利用。



社会には、さまざまなコップができ上っているわけです。

このコップ内で、
 違和感を覚えることなく人生を終える
というのも、
 平穏な生き方
なのかもしれません。

ただ、
 国家というコップには異変が起こっている
ため、
 世界中で、問題が露出している
わけです。
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標準化8

2013年05月09日 | スキルアップ
資産を把握し、相続税と資産税を狙っている。

法人税は、国家間の競争が激しいので、上げるのには限界がある。
お金がない者からは、取れない。
財源は減らすことはできない。

方法は、限られてくる。

これが、ダブルスタンダード。
上げても逃げられない所から取れば良い。
上げたら逃げるところの基準は下げる。

この二つの基準を設定する。

上げても逃げないのが、
生活の本拠を日本におき、移住も考えられない資産家。

地方のビジネスオーナーや土地持ち。
相続税や固定資産税、新たに創設が検討されつつある預貯金などの資産にかける資産税。

コップに穴が空いていても、
実際にコップの外に出るかは判断が分かれるわけです。

当然、仕事や家族、語学力なども影響してくる。
さらに、価値観や居心地の良さも検討課題となる。

総合的な判断の元、コップの中にとどまるか、思い切って、外の世界に繰り出すかが決まる。


では、このコップを形成しているものは何か?

これが次のテーマ。
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標準化7

2013年05月09日 | スキルアップ
国家の最大の権限は何か?

国民に対する強制力。
国家は、国民の生命、身体、財産を奪う強制力を持つ。

この原理は、どの時代でも当てはまります。
絶対王制、ローマ帝国、イスラム帝国、江戸幕府...

国家は、絶対的な権限を有する。

ただ、権力者以外からすると、たまったもんじゃありません。

そこで、どうしたか?

ルールを設定し、自衛しようとした。

ハンムラビ法典の、目には目を、歯には歯を。
これは、野蛮な法というイメージがありますが、
見方を変えると、画期的なルールです。

すなわち、
やったことと同じだけの制裁を受ける
ということは、
小さな罪で命を奪うことはできない
ということになるからです。

さらに、何をやったのかを判定する手続も必要となります。

こういったルールが権力者以外の者を守ることになるわけです。

特に、国民を苦しめるのは、いつの時代も税金です。
アメリカ独立も、フランス革命も、
税金に対する不満
が契機となっています。

当時は、コップに穴を空けて、コップの外に出ることは困難だったため、
コップを壊す方向に向かった。

ただ、コップを壊されては大変です。
権力者はどうしたか?

税金を安くして暮らせるようにすればよい。
ところが、肥大化する国家を養うにはお金がかかる。

では、どうしたら…

コップを壊すと大変なことになるぞ!
と脅せばよい。

かつては、敵国に負ければ奴隷になるそ!
と脅した。
ヨーロッパの歴史は戦争の歴史。
コップ間の争いが国家の維持を可能にした。

今の日本や中国、韓国も同じ。
今後、重税や負担増、サービスの低下、格差がますます激しくなっていく。
その不満は、コップを壊しかねない。
そこで、コップの維持を目的として、
このコップはとても良い。
周りのコップは、このコップを壊しかねない。そうなれば、大変なことになるぞ。

仮想敵国を作り、一致団結を唱える。
コップを出たり、穴を開けたりする恐れがあるものは、非国民のレッテルを貼り、阻止に動く。

すでに、日本の場合、富裕層の海外の資産の把握に乗り出しています。
スイス銀行も、国際的な圧力を受けて、口座情報の開示に動いています。

マネーロンダリング対策という名目の元、
国民の財産の把握
を行い、次のステップに備えているわけです。

次のステップとは?
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