知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

日本のメディアが報じない中国包囲網。引き続き、ルトワック。

2024年10月01日 | スキルアップ
引き続き、ルトワックのラストエンペラー習近平より。

チャイナ4.0により、
 多くの国が中国は、もはや敵である
と気がついたので、
 距離を取り、さらに包囲網を築き上げた。

スウェーデンは、
スウェーデン国籍の香港書店経営者の桂敏海氏が、
 海外への違法な情報提供
の罪状で、懲役10年の判決を受けたため、
釈放を要求したところ、
 駐スウェーデン大使が酷い発言をしたため、
国外退去が議会で議論されたとのこと。

孔子学院、孔子課堂は全て閉鎖。

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最近では中国人記者を国外退去処分にしています。
スウェーデンを見直しました。

スウェーデン、中国人の女性記者に国外退去命令 「国家安全保障への深刻な脅威」
2024/4/10 09:12 産経新聞より引用

【ロンドン=黒瀬悦成】
北欧スウェーデン当局は同国に住む57歳の中国人女性記者に対し、
「国家安全保障に深刻な脅威を及ぼしている」として国外退去命令を出した。
女性記者の弁護士が9日、ロイター通信に明らかにした。
スウェーデンは、治安機関SAPOが今年2月に
中国とロシア、イランを「最大の安全保障上の脅威」と指摘するなど、
中国への強硬姿勢を年々鮮明にしている。

女性記者の罪状は明かされていないが、スウェーデンの公共放送によると、
女性記者はウェブサイト上に記事を掲載し、
ストックホルムの中国大使館から記事に絡んで報酬を受け取っていた。

女性記者はまた、スウェーデンを訪れた中国政府・企業の代表団の案内役を務め、
スウェーデン政府高官らに引き合わせようとした。
約20年前から同国に住み、現地の男性と結婚し、在留許可も得ていた。

スウェーデンは1950年、欧州の非共産国の中でいち早く中国と国交を結び、
概して良好な関係を築いてきたが、習近平体制による権威主義的統治への批判を強めたことで関係が険悪化。
中国の裁判所は2020年、中国生まれでスウェーデン国籍の作家、桂民海氏に対し、
中国共産党批判の書籍を販売したとして懲役10年を言い渡した。

一方のスウェーデン政府は同年、
国内8カ所にあった中国政府による中国語普及の国外拠点「孔子学院」を全て閉鎖したほか、
複数の自治体が中国との姉妹都市交流を打ち切った。

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ちなみに、日本では、
2023年5月12日現在、
早稲田大学、立命館大学、愛知大学、桜美林大学、大阪産業大学、
岡山商科大学、関西外国語大学、札幌大学、福山大学、北陸大学、
武蔵野大学、山梨学院大学、立命館アジア太平洋大学
13大学に設置されている。

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スウェーデンは、中国に対する国民感情は、年々悪化していることが分かります。

そのほか、
 インド  国境紛争
 フィリピン 南シナ海
 マレーシア 南シナ海
 ベトナム  南シナ海
 オーストラリア
 フランス インド洋にレユニオン島(海外領土) 
      フリゲート艦ヴァンデミエールの台湾海峡の通過(注 自衛隊についての補充)
 ドイツ  南シナ海へフリゲート艦派計画(注 本の出版後2024年5月に出航)
 イギリス クイーンエリザベスの派遣

中国が対外圧力を強めれば強めるほど、反中包囲網もまた強度を増していく。
(48ページより引用)

中国は、シーパワーとマリタイムパワーを理解しておらず、
 自らを大国であると考え、小国は力で屈することができる
と思い込んでいる。
シーパワー 海軍力:艦船の数やスペック、乗組員の能力や士気などいわゆる自国の軍事力
マリタイムパワー 海洋力:海軍力の上位にある自国のみならず、他国との関連性で決まる強さ
イギリスがロシア艦隊の寄港をさせないことで、日露戦争に貢献したことが海洋力の例。

ルトワックいわく、
 大国は小国に勝てない。

小国に味方する国があらわれるため。
⇒これは、ウクライナが2年以上持ちこたえている理由でもある。

マリタイムパワーの強化(小さな国が協力して包囲網を築く)こそが、重要な戦略となる。

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ドイツ海軍のフリゲート艦と補給艦、インド太平洋へ 8月東京寄港、対中抑止
2024/5/7 22:26 産経新聞より引用

ドイツ海軍のフリゲート艦と補給艦が7日、
同国北部ウィルヘルムスハーフェンなどからインド太平洋地域に向け出港した。
東・南シナ海などで現状変更の試みを続ける中国をにらみ、
地域への関与を進める戦略の一環。
8月後半に東京に寄港する見通し。

ピストリウス国防相は出港に際し
「インド太平洋地域との連携を深め、信頼できる存在としての地位を強固なものにしたい」と述べた。

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海自護衛艦「さざなみ」の台湾海峡通過、中国海軍の艦艇が追尾…全航程の警戒監視認める
2024/09/27 05:00 読売新聞より引用

 海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が25日に台湾海峡を通過した際、
中国海軍の艦艇が追尾していたことが日本政府関係者への取材でわかった。
海峡通過を強く警戒したとみられる。
海峡通過は軍事的な威圧を強める中国への対抗措置で、
今後も台湾海峡に海自艦艇を派遣するかどうかは中国側の出方を見て判断する。

 中国国防省も26日、日本の護衛艦とオーストラリアの駆逐艦、
ニュージーランドの補給艦が25日に台湾海峡を通過し、中国軍が全航程を警戒監視していたと認めた。

 海峡通過について、林官房長官は26日の記者会見で、
「自衛隊の運用に関する事柄で、答えは差し控える」と述べるにとどめた。
「自衛隊の活動は、すべからく国際法と国内法令に従って行われている」とも語った。

 台湾海峡は最も狭い部分でも幅が約130キロ・メートルある。
沿岸国の主権が及ぶのは沿岸の基線から12カイリ(約22キロ・メートル)の領海で、
米国などは台湾海峡について、どの国の領海にも属さない国際水域だとの立場をとる。
日本政府も「中国の領海外は航行の自由が認められ、護衛艦が通過することに問題はない」(防衛省幹部)との見解だ。

 中国軍は8月以降、領空侵犯や空母による日本の接続水域の航行などを繰り返してきた。
日本の歴代政権はこれまで中国側の反発を考慮し、海自艦艇による台湾海峡通過を控えてきたが、
岸田首相が護衛艦の派遣を指示した。
(以下、略)

***************

これも、ルトワックの本を読んでいると、意味が分かります。

岸田はおそらく、「アメリカにやれ」と言われたのではないかと思います。
下手すると、戦争になるので、米軍の支援が不可欠だからです。

どういうことかというと、
 中国は、台湾を自国とみているので、台湾海峡は、「内海」である
ということになります。
 航行の自由の原則は、認めない
というスタンス。

そのため、弱小国であれば、攻撃してでも、
 航行を食い止める
はず。

しかし、
フランスのフリゲート艦「ヴァンデミエール」も2019年4月に通過した際も、
 追跡し、抗議をしたのみで、攻撃はできなかった。

世界中の国が、
 台湾海峡を自由に通過する
ということは、
 中国による台湾支配を認めない
という意思表示になるというわけです。

なるほど。

ルトワックの本は読みやすく(奥山真司さんのおかげ)、
 しかもためになる。

こういうことを、
 日本のメディアが解説してくれたらいいのになぁ
と思うものの、
 親中派なので、そもそも中国のメンツを潰す報道はNGですし、
 お金もスキルもないので、優秀な人をもはや雇えず、
 質の高い番組の制作は、ハードルが高いのです。

NHKのAiによる自動音声や、
民放のリモート出演の学者を見ると、
 ますますカネがないんだな
と思い、寂しくなります(自業自得ですが、、)。

携帯会社の7分の1の電波料金しか負担していないのに、そんなに落ちぶれてしまうとは、、、

残念ながら、経費を節約すると、よい番組はできません。
芸人や、元アイドルや、タレントかなんだか分からない人しか呼べないからです。
YouTubeの方が、よっぽどためになる。

ただ、一番のおすすめは、ルトワックなど
 すごい学者の本をたくさん読む
ということです。

優秀な学者は、多大な時間と労力とお金を投資して、
 知の体系を築き上げ、
 さらに時間をかけて本にまとめ、
 読者を導いてくれる
からです。
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