年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

上京

2008-11-01 00:00:00 | Weblog
 中央線荻窪駅構内の喫茶店で11時に落ち合うことにしたのは前職の出版社時代の同期Sさん。久しぶりに彼とおしゃべりタイムを持つ。3年前に退職金を元手に立ち上げた明拓出版、社名の字の息子さんは教師として他国において頑張っているとか、また60歳も過ぎれば誰にでもどこにおいてもよく聞く話、カイゴ問題に直面している話とか時間を忘れて彼の話を聞く。熊本県出身の次男坊の彼が学生時代を京都で過ごし、そこで奥さんとめぐり合い奥さんの実家のそばで自分の家を持つまでは私も知っていた。問題は単行本編集長として東京に転勤したものの、そこは修羅地獄の地・・・仕事場においてはトップとの軋轢があり、私生活においては老いてゆく親の介護が待ち受けており、結局奥様は関西の自宅へ帰り自分は1人で荻窪の事務所兼自宅で生活するという二重生活に突入することなった。それでも出版業界が好況であればまだしも気持ちが和らぐであろうけれど、本を読まなくなった昨今経営するのも大変だと…しかし、我々団塊の世代の多くの人からよく聞く話、つまり、彼の後輩にフリーライターが数人いて、彼らに何とか仕事を回してやりたい、自分の会社を軌道に乗せて彼らを迎えてやりたい、そのような熱い気持ちを聞くにつけ私もなぜかホッと安堵する。
 お昼に長男と待ち合わせをして午後は、私にとっての聖地?葛飾柴又へ移動。寅さんのふるさとへ行きたい長年の夢が叶う。このような下町での寅さんの価値を描き出した山田洋次監督の視線は、人々の持つ徹底的な温かさであると思う。今の時代切り捨てられるであろう半端な人間・寅さんから逆に励まされる、老子の言葉から言えば無用の用も最も大切な用ではないのか、そんなことを思う。
 妹のサクラがいつも見送った駅の改札口で、サクラと同じ場所に立ち旅行く寅さんを見送る気持ちはいかばかりであったか、と思う。また、ホームから京成電車に乗り込む寅さんの気持ちはどれほど切なく哀しいものであったか、と思いを寄せる。

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