年金受給者の日々へ 悪戦苦闘の記録から

自分のXデーに向かってまっすぐに走る日々
   年金受給前の悪戦苦闘の日々より

中秋の名月

2011-09-13 21:38:54 | Weblog
 夜東の空にぽっかりと満月の月が浮かんでいる。まん丸のお月さんである。そして窓を開ければ虫の鳴き声がうるさいほど。コロコロ、リンリンリン、キュルキュルキュル、コロコロコロと秋の虫の大合唱を聞きながら、やはりまん丸いお月さんを飽きることなく眺めている。家人は誰も帰っていない。電気も点けずあっつ~いコーヒーを傍らにおいてぼんやりと時間をやり過ごしている。
                            
 午後トイレに立って用を足しながら、ふと隣を見れば珍しく、テッちゃんがいた。県若者サポートステーションで引きこもりの人や、就労経験のない青年や、障害と健常の境にいると思われる人たちを対象者に選び、サポートすることを仕事にしているテッちゃんである。テッちゃんは大人しく、そして謙虚な人である。私の周りにいる多くの、ワシがワシがと能力をさておき、前に出てくる人とはまったく違って、いつも一歩二歩下がって生きているように感じさせられる人である。市内の名門校出身であるにもかかわらず頭の良さをウリにせず、いつもにこにこ笑みを絶やさず私に接してくれるので安心して話ができる稀有な人でもある。で、立ちションしながら、どうしたの今日は?と訊ねると、ちょっと用事があってハローワークに来ました、と返事があった。彼の仕事にプラスになるような担当者を引き合わせて情報のやり取りをしてもらったあと、私のブースに来て、来月鈴鹿サーキットの耐久レースに行って来ます、と楽しそうに話してくれた。そうだった、彼の唯一の趣味は、サーキット場でF1レースを見ること、キ~ンと鳴る金属音マシンの音を聞くこと、そして場内に立ち込めるエンジン油の匂いを嗅ぐことが1年のうちで最も心踊る数日であると9年程前に話してくれたことがあった。毎年欠かさず鈴鹿まで何年も通っている。