明日の月曜日は病院検査があるから今日お風呂に入りたいと母親から催促の電話あり。自宅の風呂はもの置き場として利用しておりお湯を張ればすぐ利用できるのに使った形跡がない。仕方なくどこかの温泉地めぐりをしなければならない羽目になる。先週の土曜日に連れて行って以来お風呂に入っていない状態だから本人もきれいさっぱりとしたいのだろう。どこに行きたいかと尋ねると自動車道路のサービスエリアにある椿の湯に行きたいと言った。気温がグングン上昇しているお昼前、弟は日曜日透析につき母親と今日は二人で行くことになった。浴槽から眺める景色が気に入っている温泉だと言った。時間にして90分くらい、しかし透析をしている弟と向き合った生活をしているとストレスが結構たまるようで行き帰りの車の中では1人で昔話を中心にしゃべっている、私は聞き役のみ。今日の話題はいつもの話ではあるが戦死した自分の兄上の話であった。いたたまれない気持ちを未だに引きずっている。なにせ戦死の知らせを受け自分の手元に返ってきた骨箱の中には名前の記された位牌だけが入っており、振るとカラカラと音がするだけであった。と、百回以上聞かされた同じ話を上天気のもと今日も聞くことになった。