暘州通信

日本の山車

◆27911 てこまい

2009年10月11日 | 日本の山車
◆27911 てこまい
□汎論
 「きりきり舞いするような忙しさ」を形容して「てんてこまいの忙しさ」などという。「手古舞い」の語源は江戸の祭などで、「山車の梃子(てこ)のまえでおどる踊り」と解説されている。そうかもしれない。
 千葉県の佐原祭、埼玉県の川越祭ではいまでも「てこまい」が行われる。曳き綱をはさんで、片肌脱ぎになったお嬢さんらの「てこまい」がはじまると見とれてしまう。まだご覧になっていないかたにはぜひごらんになることをお勧めする。ご覧になればきっと惚れぼれし、「きりきり舞い」するような踊りではないことがおわかりいただける。
 しかし、それなら、「練物前舞」とか、「山車前舞(だしまえ)」のかっこほうが至当だろうと思う。つまり「梃子舞」ではなんとなく違和感を覚える。
 上州(群馬県)方面から埼玉県の児玉、大里地方には上州系統といわれる「さんてこ」とよぶお囃子の系統がある。音曲を文字にすうるは難しいが、切れ味のよい軽快なお囃子である。たとえば、群馬県沼田市の「おぎょん祭」で山車で演奏される御囃子を聴けばすぐわかる。名物の「上州八木節」にも「さんてこ」の律音がはいっているといわれる。
 では、「さんてこ」の語源はとなると明快な解説に出会わない。「しゃぎり」というお囃子は全国にあるが、「しゃっきり」、「しゃんぎり」などともよばれ、漢字では「車切」などとかかれるが、音にあてはまる漢字をあてただけで、漢字に意味はない。山車の上で演奏を行い、また小芝居、踊をおこなったりする場所を「げざ」といい、「下座」と書かれている。これなどは本来「藝座」であろう。
 関東にはすぐれたお囃子が多く継承され、流儀に分かれているが、馬鹿ばやし、昇殿、鎌倉などとともに演奏される曲に「しちょうめ」があり、「四丁目」、「師丁目」などと書かれるが語源がわからない。
 脇にそれたが、お囃子の音が、祭を表現し、埼玉県の本庄祭は「うっちゃんちゃん」、佐賀県伊万里の「とんてんとん祭」、飛騨高山の「かんかこ」などその例としてあげられる。「さんてこ」の「てこ」とはもしかしたらお囃子の音から出たもので「お囃子」をさすのではないだろうか。「てこまい」とは「お囃子の舞」ということになる。間違っているかもしれない。ご存知の方があれば教えていただきたい。

□外部リンク
「日本の山車」を執筆している一人閑(ひとりしずか)と申します。早速ですが、貴方のブログ記事を「外部リンク」として紹介させていただきましたのでお知らせします。もしご迷惑でしたらお申し出ください。削除いたします。
◇日本の山車 ブログ
  http://blogs.yahoo.co.jp/ypjcd447/
◇日本の山車 ホームページ
  http://hiyou.easy-magic.com/

◇お祭り週間だよ~~♪
2009/8/18(火) 午前 8:07
... 漢字ノートを10ページ書いたっていって、指が痛いとい ... 傘鉾といわれる山車と一緒に練り歩くだけと思ってたのが 日曜からお囃子の練習に参加してます。\(◎o◎)/! お祭り前の1週間で太鼓、笛などの練習を毎夜してます。 ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/aoimikanzzz/48900404.html

◇お祭り
2008/10/14(火) 午前 0:04
... あのお囃子とか掛け声とか、懐かしい~ 楽しい~ 屋台、山車っていう方が一般的なのかな?あの岸和田のだんじり祭りで走っているのと同じヤツです ただ ... 特に他の町の屋台とすれ違うときの「てっか(漢字はどう書くのかなぁ?)」 子供そっちのけで提灯 ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/aatyaku/17801850.html

◇2007八戸三社大祭シリーズ7 前夜祭
2007/8/24(金) 午前 0:24
... 他の27つの山車組が一斉にお囃子を響かせていました。 その音は、八戸に来た夏を祝福しているようでした。 観客が集まってきました。 ... 難しい漢字で変換できませんでした。 類家山車組の 海坊主さん にお会いすることが出来ました! 人の中を ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/chinabluepeugeot/50587191.html

◇お祭り
2006/10/15(日) 午前 3:15
... あえて漢字変換はしませんでしたのでよく読んで考え ... 人形(町会で乗る人形は変わります) 下にお囃子を奏でる人と、それに合わせて踊る人が乗ります。 (これも町会でお囃子も、踊りも、お面も違います) メインの山車の「ひっかわせ」というのがあります。 ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/rose_tea_123/42901588.html

◇今日から祭
2006/7/28(金) 午後 11:33
... 今日は初日なので午前中、万灯(まんどう:山車の事)を作って夜から本番。 競り合いでお囃子してるとすぐに疲れてしまう。コレが歳というものなのか? 祭典事務所に戻っ ... 午後から夜中までのヨイマチ(漢字わからん)なのでより一層ヘトヘトになる。 とにかく寝る。 ...
 http://blogs.yahoo.co.jp/dpqnr736/39534052.html

◆06673 三熊野神社の禰里

2009年10月11日 | 日本の山車
◆06673 三熊野神社の禰里
静岡県掛川市横須賀
三熊野神社
□祭は四月上旬。
□汎論
 一本柱山車
 掛塚市横須賀の旧城下にある三熊野神社の祭には、「禰里(ねり)」が曳かれる。一本柱山車の古型を継承していて、「一本柱万度型」といわれ、かつて江戸の町で曳かれた練物の伝統が受け継がれている。祭は通称遠州横須賀祭とよばれ、享保のころ、遠州横須賀藩西尾隠岐守忠尚の命で、家臣が江戸の祭をつぶさに江戸の練物を見て、江戸の囃子とともに遠州横須賀にうつし、練物を禰里として江戸のお囃子にあわせて曳くようになったといわれる。お囃子の伝習には相当の日数がかかるはずで、定着するまでは遠州から江戸に出向き、あるいは江戸から横須賀に招聘してまなぶということがあったようであるが、詳細を伝える記録がない。「三社祭礼囃子」は静岡県の無形民俗文化財に指定されている。 「万度」は「萬燈」のことで、山車の基臺に「心源棒」とよぶ一本柱を立て、花飾をつけ、上に萬燈(万度・まんど)がとりつけられ、さらにその上に依代となる人形が飾られる。
 江戸の町からあいついで練物が消え、かつての江戸の練物は、いまは浮世絵や絵画などで見るのみとなっているが、掛塚市の例にあるように、江戸の往時をしのぶ山車(練物)「禰里・ねり」が、かつて江戸の町で曳かれた「練物」は、一本柱の山車であったことを実証しているといえよう。現代に伝わるのはきわめて貴重である。