◇01259 渡瀬祇園祭
福岡県三池郡高田町下楠田
八剣神社、水天宮
□祭神
アントクテンノウ 安徳天皇
□祭は七月中旬。
山車が出る。
□山車
・大蛇山
□汎論
高田町には水天宮が二社ある。一社は高田町海津の海門にあり、昔は港として栄えた地で、宝亀九年(七七七)に、狩路の水駅とされたところである。飯江川と大根川が合流する場所で古来河川の氾濫による水害の多い地であった。明治期に水難守護祈願して神社が建造されている。
いま一社は渡瀬の水天宮である。祇園さんとよばれる八剣神社の脇にある。つまり渡瀬祇園祭とは八剣神社の祭のはずだが、水天宮の祭だという。
平氏は長門壇ノ浦において源氏に敗れ、平清盛の妻だった二位ノ尼に抱かれて、まだ幼少だった安徳天皇は入水し、平家は滅んだ。
源氏の追討は高位の女性や女官らにはおよばなかったようで、安徳天皇の母である建禮門院は京都大原の地で晩年を過ごす。『平家物語』の白河上皇が建禮門院を見舞う「大原御幸」は、涙なくしてはとても読めない。建禮門院は、正史では大原野地で一門の冥福を祈りつつ生涯を終えたことになっているが。白河上皇はひそかに建禮門院をよびよせて、御所の北にある相國寺のちかくに住まわせたという。
久留米市瀬下町にも水天宮があり、祭神としてアメノミナカヌシノカミ(天御中主神)、アントクテンノウ(安徳天皇)、ケンレイモンイン(建礼門院)、ニイノアマ(二位尼・平時子)が祀られる。平家の女官だった伊勢局(いせのつぼね)がこの地に逃れ、千歳川(筑後川)の近くの鷺野原に安徳天皇を祀ったのを創祀とする。子安と安産祈願で名高い。渡瀬の水天宮に参詣するとこの久留米瀬下の水天宮の神符が授与される。
水天宮の祭は五月上旬であ
□問い合わせ
高田町生涯教育課
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