法曹界での解釈である。これは自動車運転の場合だが、外の免許の場合はどうなのか。例えば医師免許。医師の資格のない人間が診療をした場合、医師法違反となる。これは過失として取り扱われているのか。また、航空機の操縦免許。無免許で航空機を操縦した場合は、航空法違反となる。これも過失として取り扱われているのか。以上はすべて無免許の事例である。無免許と言っても様々な事例がある。自動車だけが過失で外の免許に関しては過失ではない、となるとおかしいことになる。
何故自動車だけが過失となるのだろうか。医師の免許がない人間が診療をし手術をした場合、その手術によって患者が死亡した場合、医師法違反と過失致死罪になるのか。この無資格医師が、以前にも無資格のまま何回か手術をしていて、たまたま患者が死亡してしまった場合、この無資格医師は手術の経験があるため、過失致死罪に当たることになるのだろうか。殺す意思がなかった。従って殺人罪は適用されない、というこか。無免許で、ある行為を行い、その行為によって人を死に至らしめた場合には、すべて過失致死罪ということか。
法律の解釈には専門家の特別な言い分がある。確かに納得できる場合もあるが、無免許、無資格の場合には、そもそも、その行為を行うためには必要な資格、免許を持っていなければならないはずだ。本人が最初から資格や免許を持っていないことを知りながら行う行為は過失ではない。故意である。その行為によって受けた人が傷害を受けたり死亡した場合には、故意による罪に問われなければならないはずだ。明らかに過失とは異なる。
過失の本来の定義は、「過ち」であり、「故意」ではない。法律の根本的な解釈がなされていない、という感じがする。法曹界にいる人たちは、「過失」と「故意」の判別がついていないのではないか。外の法律との整合性が本当にとれているのだろうか。これは刑法だけの問題ではないはずだ。過失を問われるのは外の法律にも多く規定されている。「過失」に関して外の法律を良く見てほしい。整合性が取れた解釈をするべきである。
特に大学、大学院の教授たちは、多くの法律で「過失」をどのように捉えているか、よく調べてほしい。刑法だけを見て物事を判断してはいけない。