
疑問(15秒)→結論(10秒)→理由(35秒)
この流れで「1分間プレゼン」の練習を進めようという『コクヨの1分間プレゼンテーション』。
それぞれのブロックでのポイントを紹介します。
まず「疑問編」。
「プレゼンがうまい人は、質問も上手」だと言う。聴き手の興味を引きつける質問や問いかけができるということです。言い換えれば、「知りたい」という相手の欲求を引き出す質問ができるということか。
そういえば、すべてのプレゼンテーションって、何らかの問題や課題があって、それを解決したり達成するために行われるものなのかもしれません。プレゼンをする側に問題意識があるのは当然ですが、聴き手にもそれを共有してもらうことから始めなければならない。問題意識の共有がなければ、聴いている方は確かに飽きる。そうそう、自分もそれって問題だと思わせることがプレゼンの取っ掛りとしては極めて大事なのですね。この本では、それを「自分ごとと思わせるようにすること」と言っています。
だから、「最初に」疑問を投げかけることが大切なのですね。よく、「つかみはOK」って言いますね。ジョークやユーモアで聴き手を「つかむ」ことも確かに必要かもしれませんが、プレゼンはお笑いじゃないんだから、明確な「問いかけ」で聴き手のハートをがっちりつかむことのほうが大切かもしれません。
ただ、「問いかけをつくる」ことはけっこう難しい、と書いてあって、はっとさせられました。子どもの頃は、上手な問いかけが自然にできるのに、
学校に入ると質問をつくるのは先生で、自分たちは答える役になってしまいます。その生活を約16年も経て大人になると、自ら誰かに質問を投げかけよう、なんて意識はうすくなってしまいます。
なるほど、そうかもしれないなあ。自分が問題だと考えることが必ずしも他の人の疑問と同じとは限らないし、そう思うと、大人になればなるほど「経験」の邪魔もあって、的確な問いかけができないようになっているのかも。本では、テレビなどのメディアを利用して問いかけのしかたをトレーニングする方法を提案しています。
ありがちなのが、聴いているほうに、「そんなのわかるかよ!(`・ω・´)」という反応をさせてしまうような問いかけ。「この数字、いったい何の数字か分かりますか?」とかね。しかも、答えを聞いても、「だから何なんだよ!!ヽ(`Д´)ノ」という反応しか生まないような…。こわいですね。シラ~…っとした雰囲気。
自分も相手も共有できるような問いかけってほんと難しい。でもその「入り口」をしっかりつくることが、プレゼンの成否を分けるのです。
そこで、頭に入れておきたいのは、「HOW、WHY、WHATで“疑問”をつくる」こと!
プレゼンは現状の悪い(BAD)のところを、将来良く(GOOD)するために行うので、疑問のポイントはそのどちらかにあります。
「良い状態」をイメージさせる疑問としては、GOODにHOW、WHY、WHATをそれぞれくっつけて、
HOW+GOOD どうすれば良くなるでしょうか?
WHY+GOOD なぜ良いのでしょうか?
WHAT+GOOD 何が良いのでしょうか?
という3つのパターンをつくる。逆に「悪い状態」から疑問を投げかけたい場合には、同じようにBADにHOW、WHY、WHATを組み合わせればいい。この6パターンから一番訴求力の強そうな問いかけを選べばいいわけです。
わー、勉強になりますねー!
あと、「大切なのは実は○○じゃないんです」と、「セオリーを否定する」ところから始めるのも効果的だと言う。たとえば、「ダイエットで大切なのは、食べる量を減らすことだけではないのです」。そう聞くと、「え? じゃほかに何が大切なの?(興味津々…)」となる。相手が思い込んでいることをズバッと否定して見せることで、興味をがっちり「つかむ」わけですね。このパターンは、私もたまに使っちゃってます。「実は、“education=教育”、じゃないんですよ~」とか。
まあ、どんなに一生懸命問いかけを考え、「つかみはOK」を狙ってみたところで、前回書いたように、聴き手の「2割」は無関心だったり別のことを考えていたりするわけですから、たとえ「つかめなかった」としても、あまり気にしないほうがよさそうですね。一喜一憂してないで、さくっと次の「結論編」に進んでいきましょう!
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